昼寝は何分がおすすめ?集中力と記憶力

昼寝は何分がおすすめ?集中力と記憶力
読了目安 6〜8分最終更新日 2026.11.06
答え効く

集中力と記憶力に効きます。眠気を取りたい日は10分、新しく覚えたいことがある日は30分が、結果の良かった長さです。

根拠

午後の昼寝のあとは、しない場合より注意力が高いことが、研究11件・381人のメタ解析と、研究54件のメタ解析で確かめられています [1] [2]。言葉や出来事の記憶も、54件のメタ解析で良くなっていました [2]。長さを同じ人で比べた実験では、10分は起きた直後から効き、30分と60分は起きた直後にだるさが出てから効きました [3] [4]。

この答えの範囲

ほとんどが実験室での研究で、若い人や働く世代が中心です。15時ごろまでに終わる昼寝の話です。

じゃあ、どうする?

おすすめの長さは目的で選びます。直後の眠気や疲れを取って動きたい日は10分前後、新しく覚えたいことがある日は30分が、人数の少ない実験で結果の良かった長さです [3] [4]。長めの昼寝は、起きてから30分〜1時間ほどぼんやりすることがあるので、大事な作業はそのあとに [4] [5]。30分以上の昼寝が習慣の人は、病気との関連が報告されているので、気になるときは医師に相談を [6]。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。高い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。14 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 92 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量16.520研究件数と参加人数
一致度2125結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 92.5 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 92 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 4 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

昼寝で期待されている効果とは

昼寝は、昼間に短い時間眠ることで、仮眠やパワーナップとも呼ばれます。眠気や疲れが取れる、集中力が戻る、覚えたことが定着する、午後の仕事や勉強がはかどる、といった効果が期待されています。短い仮眠から30分ほどの昼寝、1時間を超える長い昼寝まで、長さはさまざまです。注意点は、寝すぎると起きた直後にぼんやりする「睡眠慣性」が出ることがあること [4]、長い昼寝が習慣の人で病気との関連が報告されていること [6]、夜の睡眠に響くと言われていることです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、シンガポール国立大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [2]。メタ解析とは、複数の研究の結果を合わせて数字で整理する方法です。

研究の種類午後の昼寝を調べた研究のメタ解析
対象昼寝の効果を調べた研究54件
比べたもの午後に昼寝をした場合と、しない場合
結果注意を保つ力は効果量0.610、言葉や出来事の記憶は効果量0.376で、昼寝のあとのほうが良い
まとめて分析した結果午後の昼寝のあとは、注意を保つ力も記憶も、しない場合より高い結果でした [2]。

フランスのクレルモン=フェラン大学病院などによる別のメタ解析でも、働く世代の大人381人(研究11件)で注意力が良くなりました(効果量0.29)[1]。

効果量は、差の大きさを表す数字です。

集中力と記憶力には、何分がおすすめ?

メタ解析どうしの比較では、昼寝の長さで効果の大きさは変わりませんでした [1] [2]。ただし研究ごとの比較なので、おすすめの長さは、同じ人で長さを比べた実験から目的別に見ます。

  • 10分(直後の眠気や疲れを取りたいとき): 睡眠を約5時間に減らした若い大人24人で、起きた直後から眠気・疲れ・作業の成績が良くなりました。5分はほとんど効果がなく、20分は起きて35分後から効きました [3]。
  • 30分(新しく覚える力を上げたいとき): 若い大人32人で、新しく覚える力が良くなったのは30分だけで、10分と60分では起きたままとの差が出ませんでした [4]。あとでやることを覚えておく記憶も、55人の試験で30分の昼寝のあと、起きて3時間後のテストでだけ良くなりました(起きて10分後は差なし)[7]。一方、睡眠を減らした12人では、30分は起きた直後にほとんどの成績が下がりました [8]。
  • 60分(だるさは30分で消える): 30分と60分の昼寝のあとのだるさ(睡眠慣性)は、起きて30分以内に消えました。気分と眠気の改善は、10〜60分のどの長さでも起きて240分(約4時間)後まで続きました [4]。
  • 90分(だるさが強め): 25分より、起きた直後のだるさが強い一方、起きて1〜2時間後の改善が大きい項目もありました [5]。

効果が続く時間について、総説は、5〜15分の短い昼寝の効果はすぐに現れて1〜3時間続くと述べています [9]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

10分の結果が最も良かった実験と、30分が兼ね合いが良いとした実験は、おすすめの長さが違います。測ったものも対象も違うので、単純には比べられません。前者は前夜の睡眠を約5時間に減らした人の眠気と成績、後者はふだんの睡眠が短い人の新しく覚える力でした。そのため、直後の眠気を取りたいのか、新しく覚えたいのかで選ぶ形になります。総説も、30分以下なら大丈夫という一律の助言は誤解を招くおそれがあるとしています [10]。

よく言われていることは本当?

  • 昼寝で集中力が上がる研究で確かめられています。 メタ解析2本で注意力が良くなっていました [1] [2]。
  • 昼寝で記憶力が上がる研究で確かめられています。 54件のメタ解析で効果量0.376でした [2]。
  • 10〜20分が最適で、30分を超えるとだるい根拠は弱く、結果が割れています。 10分の結果が最も良かった実験がある一方 [3]、30分と60分のだるさは30分以内に消え、30分が兼ね合いが良いとする研究もあります [4]。
  • NASAの研究で仮眠により注意力が大きく上がったよく引かれる数字は、研究の要旨では確かめられません。 NASAの研究者の1995年の総説は、操縦室での計画的な仮眠で着陸前の注意力が保たれたと述べますが、分数も向上率も要旨にありません [11]。
  • 15時以降の昼寝は夜の睡眠に響く比べた研究が見つかっていません。 15時までに終わる25分や90分の昼寝は、その夜の睡眠を悪くしませんでした [12]。
  • 厚生労働省も30分以下の昼寝をすすめている(長い昼寝は体に良くない)指針そのものは論文ではないため、ここでは確かめていません。 30分以上の昼寝の習慣は死亡や病気のリスクと関連し、30分未満では関連が見られませんでした。観察研究なので、原因かどうかは分かりません [6]。

なぜ効く?

理由は、研究で十分には確かめられていません。総説は、深い眠りがほとんど含まれない短い昼寝でも、すぐに効果が出ると述べています [9]。昼寝のあとのだるさは、30分を超える昼寝で出やすいとされますが、短い昼寝でも出方は研究によってまちまちです [9] [10]。

02注意点

15時ごろまでに終わる昼寝では、夜の睡眠への悪い影響は見つかっていません。ただし人数は多くありません。大学生の運動選手14人では、15時に終わる25分や90分の昼寝をしても、その夜の睡眠は昼寝をしない日と差がありませんでした [12]。中高生111人でも、昼休みの30分の昼寝で悪い影響はありませんでした [13]。夜の眠りそのものを良くする方法は、睡眠の質を高める方法は? にまとめています。

一方、30分以上の昼寝が習慣の人は、死亡や心臓・血管の病気、代謝の病気のリスクが高いと関連していました。30分未満では関連がありませんでした [6]。60分を超える昼寝では、糖尿病のリスクが1.31倍でした [14]。昼寝が原因とは言えません。持病のある人や眠気が強い人は、医師に相談してください。

習慣の長い昼寝は、関連の話です

長い昼寝が病気の原因だと分かったわけではありません。

03まとめ

昼寝は、集中力と記憶力に効くという結果が、メタ解析で出ています。
おすすめの長さは目的で分かれ、直後の眠気を取るなら10分、新しく覚える力なら30分が良かった実験があります。
試すなら、15時ごろまでに終わる時間で、眠気を取る日は10分、覚えたい日は30分から。

04よくある質問

Q高齢でも昼寝は効きますか?

高齢者の研究15件(326人)の系統的レビューで、昼寝は眠気・疲れ、動作の速さと正確さ、学習によい影響がありました [[36337699]]。昼寝の習慣と記憶力の衰えのあいだには、研究25件(95,719人)の観察研究のメタ解析で関連が見られませんでした [[36109701]]。

Q運動の前に昼寝をすると、成績は変わりますか?

一流のバレーボール選手16人で、昼食後に25分または45分の昼寝をすると、昼寝をしない日より注意力のテストと運動の成績が良くなりました [[39459485]]。思春期のバスケットボール選手12人でも、60分の昼寝のあとは注意力が14.55%高くなりました [[41841372]]。どちらも人数が少ない試験です。

Q夜勤中の仮眠でも効きますか?

夜勤中の仮眠を調べた研究18件(494人)のメタ解析で、仮眠のあとは仮眠なしより頭の働きが良くなりました(効果量0.25)[[32492169]]。昼間の昼寝とは状況が違います。

05参照した論文

判定に使った主な論文(17本)

[1]昼寝が働く世代の頭の働きに与える効果のメタ解析

発表年
2021年
研究機関
フランス・クレルモン=フェラン大学病院
掲載誌
International journal of environmental research and public health
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
381人
結果の向き
良い方向

働く世代の381人(研究11件)で、昼寝のあとは頭の働き、特に注意力が良かった(効果量0.29)。

[2]午後の昼寝が注意力と記憶に与える効果のメタ解析

発表年
2022年
研究機関
シンガポール・シンガポール国立大学
掲載誌
Sleep medicine reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究54件を統合
結果の向き
良い方向

研究54件で、午後の昼寝のあとは注意を保つ力が効果量0.610、言葉や出来事の記憶が効果量0.376で良かった。

[3]5分・10分・20分・30分の昼寝の効果を比べた実験

発表年
2006年
研究機関
オーストラリア・フリンダース大学
掲載誌
Sleep
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
24人
結果の向き
良い方向

睡眠を約5時間に減らした24人で、10分の昼寝は起きた直後から効き、30分は起きた直後に成績が落ちてからよくなった。

[4]10分・30分・60分の昼寝と記憶・眠気の実験

発表年
2023年
研究機関
シンガポール・シンガポール国立大学
掲載誌
Sleep
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
32人
結果の向き
結果が割れている

ふだんの睡眠が短い32人で、新しく覚える力が良くなったのは30分の昼寝だけ。だるさは30分以内に消えた。

[5]25分と90分の昼寝のあとの眠気と成績

発表年
2026年
研究機関
オーストラリア・ラ・トローブ大学
掲載誌
Chronobiology international
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
17人
結果の向き
結果が割れている

17人で、25分と90分の昼寝は起きて30分以内は成績が落ち、だるさは90分のほうが強かった。1〜2時間後には両方とも良くなった。

[6]昼寝の習慣と健康リスクのメタ解析

発表年
2024年
研究機関
中国・新郷医学院第一附属医院
掲載誌
Sleep medicine reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,864,274人
結果の向き
悪い方向

1,864,274人(研究44件)で、30分以上の昼寝の習慣は死亡・心臓や血管の病気・代謝の病気のリスクと関連し、30分未満では関連がなかった。

[7]30分の昼寝が、あとでやることを覚えておく記憶に与える効果

発表年
2025年
研究機関
中国・河南大学
掲載誌
Psychological research
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
55人
結果の向き
良い方向

55人で、30分の昼寝をした人は、起きて3時間後のテストで展望記憶の成績が良かった。起きて10分後は差がなかった。

[8]10分と30分の昼寝の直後の効果を比べた実験

発表年
2001年
研究機関
オーストラリア・フリンダース大学
掲載誌
Sleep
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
12人
結果の向き
良い方向

12人で、10分の昼寝は起きた直後から効き、30分は起きた直後にほとんどの成績が下がった。

[9]昼寝が頭の働きに与える効果の総説

発表年
2010年
研究機関
オーストラリア・フリンダース大学
掲載誌
Progress in brain research
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

5〜15分の昼寝の効果はすぐ現れて1〜3時間続き、30分を超える昼寝は起きた直後にぼんやりするが、その後は長く良い状態が続くと述べた。

[10]30分以下の短い昼寝と睡眠慣性の総説

発表年
2017年
研究機関
アメリカ・ブラウン大学
掲載誌
Sleep medicine
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

短い昼寝のあとのだるさは研究によってまちまちで、30分以下なら大丈夫という一律の助言は誤解を招くとした。

[11]操縦室での計画的な仮眠の総説

発表年
1995年
研究機関
アメリカ・NASAエイムズ研究センター
掲載誌
Journal of sleep research
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

長距離飛行の操縦室での計画的な仮眠で、着陸前の作業成績と注意力が保たれたと述べた。

[12]25分と90分の昼寝とその夜の睡眠

発表年
2026年
研究機関
オーストラリア・ラ・トローブ大学
掲載誌
Journal of sleep research
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
14人
結果の向き
差なし

大学生の運動選手14人で、15時に終わる25分または90分の昼寝をしても、その夜の睡眠は昼寝なしの日と差がなかった。

[13]昼休みの30分の昼寝が睡眠不足の中高生に与える効果

発表年
2026年
研究機関
中国・香港大学
掲載誌
Sleep medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
111人
結果の向き
良い方向

睡眠不足の中高生111人で、昼休みの30分の昼寝は眠気を減らし、注意を保つ力を高めた。その夜の睡眠への悪影響はなかった。

[14]昼寝の時間と糖尿病リスクのメタ解析

発表年
2023年
研究機関
中国・徐州医科大学
掲載誌
BMJ open
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究40件を統合
結果の向き
悪い方向

観察研究40件で、60分を超える昼寝の習慣がある人は糖尿病のリスクが1.31倍だった。

Effects of optimal timed automatic awakening from a short daytime nap on cognitive performance, alertness, and fatigue.

発表年
2025年
研究機関
日本・筑波大学
掲載誌
Scientific reports
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
81人
結果の向き
結果が割れている

健康な大人81人で、短い昼寝のあとは休憩だけの人より眠気と疲れが減ったが、作業の成績(数字と記号の置き換え課題)は自動で起こす方式では良くならなかった

昼食後の25分・45分の昼寝が、バレーボール選手の注意力と運動の成績に与える効果

発表年
2024年
研究機関
トルコ・イノニュ大学
掲載誌
Medicina (Kaunas, Lithuania)
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
16人
結果の向き
良い方向

一流のバレーボール選手16人で、25分または45分の昼寝をすると、昼寝をしない日より注意力と運動の成績が良かった。

60分の昼寝が、思春期のバスケットボール選手の注意力・学習・夜の睡眠に与える効果

発表年
2026年
研究機関
フランス・パリ・ナンテール大学
掲載誌
Journal of sports sciences
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
12人
結果の向き
良い方向

思春期の男子バスケットボール選手12人で、60分の昼寝のあとは注意力が14.55%高かった。その夜の睡眠への悪影響は見られなかった。

ほかに参考にした論文(16本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。