[1]カフェインを1回とった直後の注意力へのはたらきを調べたメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- デンマーク・コペンハーゲン大学
- 掲載誌
- Psychopharmacology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 1,455人
- 結果の向き
- 良い方向
睡眠が足りている健康な大人1455人。注意力テストの正確さと反応の速さがともに少し良くなった。

集中できます。注意の正確さと反応の速さが少し良くなります。寝不足や夜勤では効果がもっとはっきりします。
コーヒー1〜2杯ほど(80〜200mg)を1回とったときの話です。多くの試験は純粋なカフェインで、コーヒーそのものの試験は一部です。持病のある人や妊娠中の人は対象外です。400mgを超える量では、不安が強まります。
日中は、コーヒー1〜2杯ほどを仕事の前や途中に。夜の睡眠に響かないよう、寝る約9時間前までにしましょう [5]。寝不足や夜勤明けの運転の前に役立った研究もありますが、強い眠気があるときは運転を控えましょう。細かい手作業の直前は、飲んだ回で成績が伸びなかった試験があるので、様子を見ながら。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 17.9 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 16.1 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 84 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
コーヒーは、焙煎したコーヒー豆から抽出する飲み物で、眠気を覚ます成分のカフェインを含みます。注意力や眠気をやわらげるとされ、ドリップやインスタント、カフェインを抜いたデカフェなどがあります。カフェインの量が、豆の種類や淹れ方で変わるのが特徴です。注意点は、とりすぎると不安が強まることと、夜の睡眠に響くこと、妊娠中は量に気をつけることです。
答えの中心は、デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて調べる方法です。睡眠が足りている健康な大人が、純粋なカフェインを1回とった直後の注意力を、偽薬と比べた試験が集められました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験を集めたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 睡眠が足りている健康な大人(31件・1455人) |
| 比べたもの | カフェインを1回とる/偽薬(プラセボ) |
| 結果 | 注意力テストの正確さ・反応の速さがともに改善 |
標準化平均差(効果の大きさを比べる値)は正確さ0.27・反応の速さ0.28で、差は小さめです。
量が多いほど良いわけではありません。200mg以上で改善が大きくなる一方、正確さは量を増やし続けるとかえって下がりました [1]。
オーストラリアのグリフィス大学などの研究チームが2020年に発表したメタ解析は、徹夜や睡眠制限で寝不足の人を調べた45本の論文をまとめました [2]。注意力テストの正確さは標準化平均差0.68で、中くらいの差でした。運転と仕事の作業の成績にも、良い傾向がみられました。時差ぼけや交代勤務の人の試験13件をまとめたコクランレビュー(イギリスのロンドン大学衛生熱帯医学大学院など)でも、注意力の成績が良くなり、ミスが減りました [6]。
仕事に近い場面ごとの結果です。多くは良くなる向きですが、細かい手作業と、寝不足の人のミスでは逆の結果もありました。
研究で使われた量は、多くが80〜200mg(コーヒー1〜2杯ほど)です [5]。150mgでは、健康な人の自分で感じる不安は強まりませんでした [21]。持病のある人、妊娠中の人、服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
仕事の前や途中に、1〜2杯ほどで効果が見られています。
コーヒーは、日中の仕事の注意力を少し、寝不足や夜勤のときはより大きく高めます。
研究の量は1〜2杯ほどで、細かい手作業や400mgを超える量には当てはまりません。
仕事の前や途中に飲み、夜の睡眠のために寝る約9時間前までにしましょう。
日中の注意力のメタ解析は、純粋なカフェインを使った試験をまとめたものです。コーヒーそのもので確かめた試験は、運転などの一部です [[22315048]]。
カフェインをとると、夜の睡眠時間が45分短くなりました [[36870101]]。コーヒーは寝る約9時間前までにすると、睡眠時間を減らさない計算です。夜の睡眠を守る工夫は[睡眠の質を高める方法は?](/evidence/sleep-quality-methods)も参考になります。
夜中に高速道路を走る中年の人12人の試験では、コーヒー(カフェイン200mg)のほうが30分の仮眠より車線のはみ出しを減らしました [[18246990]]。夜勤を再現した実験では、眠気は両方を組み合わせたときがいちばん良くなりました [[16453980]]。どちらも小規模な試験です。
睡眠が足りている健康な大人1455人。注意力テストの正確さと反応の速さがともに少し良くなった。
寝不足の人の論文45本。注意力テストの正確さの標準化平均差は0.68で、運転の制御も良くなった。
顕微鏡手術の研修コースの初心者で、カフェインをとった回は技術の評価が伸びなかった。
69人。コーヒー100mgで反応は速くなったが、最近よく眠れていない人は押し間違いが増えた。
研究24件。夜の睡眠時間が45分短くなり、寝つくまでが9分長くなった。
交代勤務などの人の試験13件。カフェインで注意力の成績が良くなり、ミスが減った。
寝不足ではない24人。コーヒー80mgで車のふらつきと眠気が減り、効果は2時間続いた。
研修医26人。カフェイン160mg入りの飲み物で、帰りの運転シミュレーターの衝突が減った。
276人(徹夜する群と家で眠る群)。徹夜した人はカフェイン200mgで持続的注意が回復したが、手順のミスは良くならなかった。
長距離トラックの運転手で、眠気覚ましにコーヒーなどカフェインを含むものをとっていた人は、事故を起こす可能性が63%低かった(観察研究のため、関連の報告)
9人が250mg・500mgを1回ずつとった。血中濃度は1〜2時間で最高になり、半減期はおよそ5時間だった。
健康な人の14件・546人。カフェインで不安が強まり、400mgを超える量で強かった。
毎日とる人212人。慣れにより、頭の冴えや成績を正味で高めることはないと結論した。
ふだんとる人でも、ほとんどとらない人と同じように反応の速さと持続的注意が良くなった。
健康な若い大人。カフェイン入りコーヒーで新しい情報を覚える力は良くなったが、作業記憶には差がなかった。
88人。カフェイン200mgでひらめきで問題を解く力は良くなったが、アイデアを出す力と作業記憶には差がなかった。
カフェイン200mgで、指の動きを覚える学習がプラセボより悪くなった。
健康な68人の実験で、眠気の改善は仮眠とカフェインの組み合わせがいちばん大きかった。
眠気のある12人。カフェインと短い仮眠で、運転中の危ない場面がプラセボの9%に減った。
歯の治療中にコーヒーの香りをかいだ人は、偽の香りの人よりストレスの指標が下がった。
150mgでは、健康な人でも自分で感じる不安は強まらなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。