[1]運動を続けると元気と疲労感はどう変わるかのメタ解析
- 発表年
- 2006年
- 研究機関
- アメリカ・ジョージア大学
- 掲載誌
- Psychological bulletin
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- —
- 結果の向き
- 良い方向
運動を続けた人は、運動しない対照より元気さが増え、疲労感が減った (効果の大きさ0.37)。

疲れにくくなります。運動を続けると疲労感が減り、元気さが増します。差は小さめです。
大きな病気のない大人の、ふだんの疲労感の話です。運動後の回復法や、病気による疲れは別の話です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 32 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 7.1 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 16.6 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 61.7 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 62 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ここでいう「疲れにくくなる」は、体力ではなく、本人が感じる疲労感と元気さのことです。研究では質問票の点数で測られています。運動を続けるとは、数週間以上、ウォーキングなどの有酸素運動を定期的に行うことを指します。注意点は、疲労感の変化と体力の変化は、別のものとして調べられていることです。
答えの中心は、アメリカのジョージア大学などの研究チームが2006年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果を集めて、数値でまとめる方法です。
| 研究の種類 | 運動を続けたときの元気さと疲労感を調べた研究のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 病気のある人・ない人の両方の研究を含む |
| 比べたもの | 運動を続けた群と、運動しない対照 |
| 結果 | 元気さが増え、疲労感が減った (効果の大きさ0.37の小さめの差) |
偽の運動と比べた研究だけでみると、差はありませんでした。
効果の大きさ0.37は「小さめの差」です。劇的に変わる、という数字ではありません。ここでの「効きます」は、運動しない場合より疲労感が減る、という向きの話です。
2008年に同じ研究チームが行った比較試験では、疲れが続いている運動不足の若い大人36人を、軽い運動・中くらいの強さの運動・何もしない群に分け、運動の群は6週間・週3日、運動しました [2]。軽い運動でも中くらいの強さの運動でも、元気さは同じように増えました。疲労感は、軽い運動のほうがよく減りました。ランダム化比較試験は、この試験と次に紹介する会社員の試験の2本だけで、どちらも参加者は多くありません。人数が少ないことが、この結果の弱さです。
仕事の疲れが強い会社員を、6週間の運動プログラムと順番待ちの群に分けた、オランダのラートバウド大学などの2017年の試験があります [3]。最後まで続けた人だけで数えると、運動の群の疲労感は低くなりました。途中でやめた人も含めて数えると、差はありませんでした。睡眠の質と仕事をこなす力は、どちらの数え方でも良くなりました。
疲労感の差は、最後まで続けた人だけで数えた場合に見られた。
続けられた人では効き、続けられなかった人も含めると見えにくくなる、と読めます。まず続けられる強さから始めることが大切です。
研究で使われた量は、疲れが続く運動不足の大人が6週間、週3日ほど運動する、という範囲です [2]。長期間の効果や、高齢の人・持病のある人に同じ結果が当てはまるかは、この記事の研究からは言えません。運動でけがや体調不良が起きることもあります。持病や服薬がある人、強い疲れが続く人は、医師に相談してから始めてください。
ふだんの疲れと違う強い疲れや体重の変化があるときは、運動の前に受診してください。
運動を続けると、疲労感は減り、元気さは増します。ただし差は小さめです。
理由は体力がつくからとは限らず、まず続けられる軽さで始めるのが合っています。
睡眠の質も良くなる傾向があるので、週3日ほどの習慣から試してみましょう。
試験では6週間で評価しています [[18277063]]。何週間目から変わるかは、研究から言えません。
大学の授業中に体を動かす休憩を入れると、学生の疲労感が減ったというメタ解析があります。根拠の確かさは低めです [[35805432]]。会社員の仕事中の休憩については、確かめられていません。
スポーツ後の回復法の研究では、疲れの感じ方にマッサージや冷水につかる方法が勧められました [[35961644]]。ふだんの疲れへの効果は確かめられていません。
運動を続けた人は、運動しない対照より元気さが増え、疲労感が減った (効果の大きさ0.37)。
疲れが続く座りがちな若い大人36人が6週間運動すると、元気さが増え、疲労感は軽い運動のほうがよく減った。
仕事の疲れが強い会社員が6週間運動すると、最後まで続けた人だけで数えた場合に疲労感が低かった。
病気のない大人のランダム化比較試験22件で、運動により睡眠の質の点数が平均2.19点良くなった。
アクティブレストは遅れて出る筋肉痛を減らしたが、疲労感に勧められた方法には挙がらなかった。
疲れの感じ方に勧められたのはマッサージと冷水につかる方法だけで、アクティブレストは勧められなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。