[1]日帰り手術を待つ患者の不安に対するアロマセラピーの効果
- 発表年
- 2013年
- 研究機関
- 台湾・台北医学大学
- 掲載誌
- Evidence-based complementary and alternative medicine : eCAM
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 109人
- 結果の向き
- 良い方向
日帰り手術を待つ患者109人で、ベルガモットの香りは水蒸気だけより手術前の不安を大きく下げた。

和らげます。手術や試験の前の不安が下がったという試験が多くあります。
手術前や試験前の大人・学生の話です。子どもとがん患者では差が出ず、不安が強まった試験もあります。参加者が香りを知る試験が多く、精油の会社の研究者による試験もあります。
手術や試験など緊張する場面の前に、香りを試す価値はあります。香りは補助と考え、不安が長く続くときは医師に相談を。子どもに使うときは、不安が強まった試験があるので、小児科などで相談してください [4]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 36 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 13.8 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 19.6 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 79.4 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 9 本。 この上限により、強度を A から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ベルガモットは、柑橘の一種です。果皮から採った精油は、紅茶のアールグレイの香りづけにも使われます。心を落ち着かせるとされ、アロマの香りとして使う人が多くいます。研究では、精油をかぐ、スプレーや吸入器を使う、アロマストーンに含ませる、といった方法で調べられています。
答えの中心は、ベルガモットの香りが不安に与える影響を調べたランダム化試験です。ランダム化試験とは、くじ引きのように参加者を分けて結果を比べる方法です。ほかの精油と混ぜず、ベルガモット単独の香りを調べた試験が9件、のべ713人分あります。ベルガモットだけを集めたメタ解析(複数の試験をまとめて計算する分析)は、まだありません。
台北医学大学などの研究チームが2013年に発表した試験が、中心の一つです [1]。
| 研究の種類 | ランダム化試験 |
|---|---|
| 対象 | 日帰り手術を待つ患者109人 |
| 比べたもの | ベルガモットの香りと水蒸気だけ |
| 結果 | ベルガモットの香りをかいだ人は、手術前の不安が大きく下がった |
同じ向きの結果は、胆のうの手術を待つ60人の試験 [2] と、試験直前の大学生57人の試験 [3] でも出ています。
手術後に集中治療室にいた患者54人の試験でも、ベルガモットの群で不安の点数が下がりました [5]。依存症の通院治療中の大人では、通常の治療だけの人より、7日間かいだ人のほうが不安の点数が良くなりました [6]。ただし、この試験の比べた相手は香りなしの通常の治療で、偽の香りではありません。
子どもとがん患者の研究では、不安が下がる結果は出ませんでした。理由は研究では確かめられていません。対象が病気の治療中で、不安の強さや原因が、手術前の待ち時間とは違うことが考えられます。
ベルガモットの群は、偽の香りの群より、点滴の1時間後の不安と吐き気が強くなりました [4]。
ベルガモットの香りの群と対照の群で、不安に差はありませんでした [9]。
参加者が香りの有無を知っている試験が多く、においで「効きそう」と感じた期待が、点数に影響した可能性は消せません。比べる群が偽の香りではない試験もあります。ベルガモットの臨床試験をまとめた2017年の系統的レビューも、研究は小さく質が高くないと結論しています [10]。このため、根拠の確かさは低めです。
研究で調べられたのは、手術前や試験前の短い時間や、1週間ほどの使用が中心です。例えば大学生57人の試験では、試験直前の3日間アロマストーンを使いました [3]。子どもの試験で不安と吐き気が強まった例があるので、子どもや、治療中の人、持病や服薬のある人は、医師や薬剤師に相談してから使ってください [4]。
不安が長く続くときや、日常生活に支障があるときは、香りに頼らず医療機関に相談してください。
ベルガモットの香りは、手術前や試験前の不安を下げたという試験が多くあり、効きます。
ただし根拠の確かさは低めで、子どもとがん患者には当てはまりません。
緊張する場面の前に試し、柑橘系が合わなければオレンジなど柑橘の香りの記事も見てください。
研究では確かめられていません。調べられたのはベルガモットの精油の香りで、紅茶の香りの試験は見つかっていません。
集中治療室の患者54人の試験では、ラベンダーとベルガモットの両方の群で不安の点数が下がりました [[38490827]]。どちらが上かを直接決める研究は、ここでは見つかっていません。
点滴を受ける子ども37人の試験で、ベルガモットの群のほうが不安と吐き気が強くなりました [[22383266]]。診察を待つ自閉スペクトラム症の子どもでは差がありませんでした [[31415008]]。使うときは小児科などで相談してください。
試験ごとに方法が違い、最適な量や時間は研究から決められていません。試験では、手術前の待ち時間、試験前の3日間、1日3回を7日間、などの使い方でした [[42755326]] [[40786851]]。
日帰り手術を待つ患者109人で、ベルガモットの香りは水蒸気だけより手術前の不安を大きく下げた。
胆のうの手術を待つ患者60人で、ベルガモットの香りは無香料のオイルより手術前の不安が低かった。
試験直前の大学生57人で、アロマストーンを使った人は水だけの石の人より不安の点数が3日とも低かった。
移植の点滴を受ける子ども37人で、ベルガモットの群は偽の香りの群より点滴1時間後の不安と吐き気が強かった。
手術後に集中治療室にいた患者54人で、ベルガモットの群でも不安の点数が下がった。
依存症の通院治療中の大人で、ベルガモットを1日3回7日間かいだ人は、通常の治療だけの人より不安の点数が良くなった。
中絶手術前の女性66人で、混合の精油はヘアコンディショナーの香りと比べて不安を下げなかった。
点滴治療中のがん患者248人で、不安に有意な効果が出たのはジンジャーの精油だけだった。
診察を待つ自閉スペクトラム症の子どもで、ベルガモットの群と対照の群で不安に差はなかった。
ベルガモットの臨床試験を整理し、研究は小さく質が高くないと結論した。
健康な女性41人で、ベルガモットを加えたときは水蒸気だけより休憩中の副交感神経の働きが高かった。
健康な大学生114人で、自律神経のバランスはリラックス側に傾いたが、血圧と心拍数には差がなかった。
待合室の57人で、ベルガモットを15分かいだ人は前向きな気持ちの点数が17%高かった。精油の会社の研究者による試験。
コロナ禍の大学生48人で、ベルガモットのスプレーを寝る前と起きたときに使った週は、偽のスプレーの週より不安・ストレス・落ち込みの点数が良くなった
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。