[1]入浴が体と心に与える影響:ランダム化比較試験
- 発表年
- 2018年
- 研究機関
- 日本・温泉医科学研究センター
- 掲載誌
- Evidence-based complementary and alternative medicine : eCAM
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 38人
- 結果の向き
- 良い方向
38人が湯船の入浴とシャワーを2週間ずつ交互に試し、湯船の期間のほうが疲れ・ストレス・痛みの点数が良かった。

疲れはとれます。湯船につかると、疲れの感じが軽くなります。
健康な大人が、40℃前後のお湯に10分ほどつかる入浴を続けて、自分で感じる疲れが軽くなった結果です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 32 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 73.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・その他のヒトの研究 1 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
湯船の入浴は、肩までお湯につかって体を温める、日本で一般的な入浴の方法です。体が温まって気持ちが楽になるとされ、血流や自律神経に働くと説明されてきました。シャワーだけの入浴と比べて、お湯に長くつかるのが特徴です。注意点は、冬の浴室の寒さと熱すぎるお湯で、事故につながることです。
答えの中心は、日本の温泉医科学研究センターなどの研究チームが2018年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、参加者を無作為に分けて、方法の違いによる結果の差を比べる試験です。この試験では、同じ人が両方の方法を順番に試す交差試験という形が使われました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験(順番を入れ替える交差試験) |
|---|---|
| 対象 | 健康な大人38人 |
| 比べたもの | 40℃のお湯に10分つかる入浴の2週間と、シャワーだけの2週間 |
| 結果 | 湯船の期間のほうが、疲れ・ストレス・痛みの点数が良かった |
同じ人が両方を試したため、人による違いの影響が小さい比べ方です。
もう一つの試験でも、同じ向きの結果でした。リトアニアのクライペダ大学などの研究チームが2019年に発表した試験で、250人を5つの群に分けました。お湯に週5日・2週間つかる4つの群と、つからない群です。2週間後、入浴した群はつからない群より、疲れと気分の項目が特に良くなりました [2]。
根拠の確かさは低めです。参加者が数十人の試験が中心で、結果は質問票の点数による自己評価です。点数の差の大きさは、要旨に数値で示されていません。「どのくらい疲れが軽くなるか」は、人によって違うと読むのが正確です。
企業の研究部門が2008年に発表した小さな実験では、健康な男性6人が25分のタイピングを4セット行い、肩の筋肉の疲れの戻り方を比べました。10分の入浴で、肩の筋肉の疲れの感じは早く消えました。一方、筋電図で測った筋肉そのものの疲れの戻りは、入浴しても変わりませんでした [5]。
入浴が軽くするのは、主に「疲れた」という感じです。筋肉の働きの回復を早めるとは、この実験では確かめられませんでした。
日本式の入浴の長所と短所をまとめた総説は、冬の事故を防ぐために、脱衣所と浴室の温度を20℃以上に保つよう勧めています [3]。
試験で使われたのは、40℃のお湯に10分つかる入浴を2週間続ける方法です [1]。熱すぎるお湯や長風呂は、研究の条件とは違います。入浴中のふらつきが心配な人、高血圧や心臓の病気がある人、高齢の人は、医師や薬剤師に入浴の方法を確認してください。
冬は脱衣所と浴室を暖めてから入り、お湯は40℃前後にしましょう。
湯船につかると、シャワーだけの場合より疲れの感じが軽くなります。
試験は健康な大人で、40℃前後のお湯に10分ほどつかる入浴の結果です。
疲れた日は湯船にためて入り、寝る前なら1〜2時間前に済ませるのが目安です。関連: 睡眠の質を高める方法は?、寝れないときはどうする?原因と、寝つきやすくなる方法、軽い運動は寝るより疲れが取れる?
38人の交差試験では、湯船の期間のほうがシャワーだけの期間より疲れの点数が良くなりました。シャワーだけで同じ結果になるとは示されていません [[29977318]]。
疲れの試験では、40℃のお湯に10分つかる入浴が使われました [[29977318]]。これより熱い湯や長い時間で比べた研究は、今回は見つかっていません。
結果は割れています。運動直後に熱いお湯で温めた研究のまとめでは、筋力など体力の回復について、効果なし・良い効果・悪い効果が混ざっていました。筋肉痛そのものを比べた結果ではありません [[41032138]]。
理由としては確かめられていません。疲れの感じが軽くなることは試験で示されましたが、血流や疲労物質との関係は調べられていません。
38人が湯船の入浴とシャワーを2週間ずつ交互に試し、湯船の期間のほうが疲れ・ストレス・痛みの点数が良かった。
250人を入浴する群としない群に分け、2週間の入浴で疲れと気分の項目が特に良くなった。
冬の事故を防ぐため、脱衣所と浴室を20℃以上に保つよう勧めている。
13件の研究のメタ解析で、寝る1〜2時間前の入浴は寝つくまでの時間を短くした。
6人の実験で、10分の入浴で肩の筋肉の疲れの感じは早く消えたが、筋電図で測った疲れの戻りは変わらなかった。
14件・194人の系統的レビューで、運動直後に温めたときの回復は効果なし4件・良い効果4件・悪い効果1件と割れていた。
ランニングのあとに41℃のお湯につかっても、偽の処置と比べて脚の筋力・疲れの感じ・気分は良くならなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。