豆乳を毎日飲むとコレステロールは下がる?

豆乳を毎日飲むとコレステロールは下がる?
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.01
答え効く

牛乳の代わりに豆乳を毎日飲むと、悪玉コレステロールは平均0.19 mmol/L下がります。大豆たんぱくでも下がります。

根拠

牛乳の代わりに豆乳を毎日飲んだ比較試験17件・504人のまとめで、悪玉(LDL)コレステロールは平均0.19 mmol/L下がりました。量は中央値で500mL(大豆たんぱく22g)です [1]。大豆たんぱくそのものは、41件の試験のまとめで、中央値25g/日で約3〜4%(平均4.76 mg/dL)下げました [2]。根拠の確かさは低めです。2026年の解析は下がり幅を0.47 mmol/Lと見積もる一方で確実性が低く [3]、豆乳だけを集めた2019年のレビューも結果が一致していないためです [4]。

この答えの範囲

大人が、牛乳などの代わりに豆乳を飲んだ試験の話です。心臓病や脳卒中が減るかは、ここでは確かめていません。

じゃあ、どうする?

牛乳などの代わりに豆乳を選ぶのが、研究の条件に近い使い方です。ただし試験の量は中央値500mLで、豆乳のイソフラボンは100gあたり平均24.8mgのため、毎日500mL飲むと安全な摂取目安量の上限(70〜75mg/日)を超える場合があります。コップ一杯の置き換えから始め、ほかの大豆食品との合計で考えてください。善玉や中性脂肪には効かないので、期待は悪玉コレステロールだけに。持病や服薬がある人は、医師や薬剤師に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。11 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。一部で結果が異なる
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量15.320研究件数と参加人数
一致度18.125結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 88.4 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 3 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を B から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

豆乳とは

豆乳は、大豆をすりつぶして煮出し、こして作る飲み物です。食品で、大豆たんぱくやイソフラボンを含み、コレステロールを下げるとされています。大豆と水だけの無調整豆乳、砂糖や塩などを加えた調製豆乳、果汁やコーヒーなどを加えた豆乳飲料などの種類があります。注意点は、大豆アレルギーの人は飲めないこと、大豆イソフラボンには安全な摂取量の上限が決められていることです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、カナダのトロント大学などの研究チームが2024年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じ疑問を調べた複数の試験をまとめて分析する方法です。

研究の種類牛乳を豆乳に置き換えたランダム化比較試験のメタ解析
対象健康状態がさまざまな大人(17件・504人)
比べたもの毎日、中央値500mLの豆乳(大豆たんぱく22g)と、同じ量の牛乳。3週間以上
結果LDL(悪玉)コレステロールが平均0.19 mmol/L低い
まとめて分析した結果牛乳の代わりに豆乳を飲むと、LDLコレステロールが平均0.19 mmol/L下がりました [1]。

この解析の確実性は高いと評価されましたが、ほかの解析とは下がり幅に開きがあります。

下がり幅は大きくなく、著者も「小さいが重要な低下」と表現しています。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

ドイツのフライブルク大学などが2026年に発表した解析(14件・543人)では、毎日500mLの牛乳を豆乳に替えると、LDLが平均0.47 mmol/L下がる可能性が示されました。ただし確実性は低いと評価されています [3]。

結果がそろわなかった2019年のレビュー豆乳の試験8件(263人)

LDLの低下を報告したのは3件で、別の3件はどの脂質も改善しませんでした [4]。

1日どのくらい飲めばいい?

試験で確かめられた量は、中央値500mLです [1]。大豆たんぱくでは、中央値25g/日を6週間とると、LDLが平均4.76 mg/dL(約3〜4%)下がりました [2]。量を増やすほど下がるかは、食い違っています。41件の解析では量との関係は見られず [2]、別の41件では量が多いほど変化が大きくなりました [5]。豆乳で500mLより増やした効果を比べた試験は、要旨では見つかっていません。

誰に下がりやすい?

豆乳に限らない大豆食品35件のまとめでは、LDLの下がり方は、コレステロールが高い人で平均7.47 mg/dL、健康な人で2.96 mg/dLでした [6]。大豆たんぱくの41件の解析でも、高い人ほど下がり方が大きくなりました [2]。LDLが高めの人のほうが、数値の変化は大きい傾向です。

よく言われていることは本当?

  • 豆乳でコレステロールが下がる下がります。 牛乳の代わりに飲んだ17件のまとめで、LDLは平均0.19 mmol/L下がりました [1]。根拠の確かさは低めです。解析ごとに下がり幅が開き、豆乳だけの古いレビューは結果が一致していないためです [3] [4]。
  • トクホの調製豆乳は低下作用が確認されているトクホの豆乳だけを調べた試験は、要旨では見つかっていません。 甘味を加えた豆乳を含む解析でも、結果はほぼ同じでした [1]。
  • 大豆たんぱくがLDLを下げる研究で確かめられています。
  • イソフラボンもコレステロールを抑える研究が割れています。 11件の解析では0.13 mmol/L下がりましたが [7]、サプリだけでは効果がない解析もあります [6]。
  • 善玉を整え、サポニンが中性脂肪を流す効きません。 善玉(HDL)の差は平均0.05 mmol/Lでごくわずかで [1]、別の解析では0.01 mmol/Lでした [3]。中性脂肪にも差はありません [1]。
  • 血圧が下がる下がります。 根拠の確かさは低めです。研究の数が少ないためです。上の血圧が平均8.00 mmHg下がりました(確実性は中程度)[1]。別の解析も8.23 mmHgですが確実性は低く [3]。高血圧の予防や治療は未確認です。
  • 飲むだけでやせる効く根拠は見つかっていません。 牛乳の代わりの試験では、体脂肪などの肥満の指標を含め、脂質・血圧・炎症以外の項目に差はありませんでした [1]。食事と体重の関係は、玄米や雑穀米は白米より痩せやすい?でも扱っています。
  • 腸内環境を整える研究が見つかっていません。 普通の豆乳の便通の研究は、今回の検索では見当たりませんでした。
  • 飲みすぎるとホルモンに影響する条件によります。 豆乳に限らない大豆食品全般の解析では、甲状腺ホルモン(fT3・fT4)は変わらず、TSHがごくわずかに上がりました(意味は不明)[8]。男性のテストステロンなどは変わりません [9]。閉経前の女性ではFSH・LHが下がり、月経周期が1.05日長くなりましたが、意味は未確認です [10]。

なぜ下がる?

しくみの全体像は確かめられていません。わかっているのは次の2点です。

  • 大豆たんぱくそのものの働きと、動物性の食品を大豆に置き換える分です。食事調査からの試算で、合わせて7.9〜10.3%下がると推定されています [11]。
  • イソフラボンを除いた大豆たんぱくでもLDLは下がり(0.10 mmol/L)[7]、イソフラボンだけが主役とは言えません。

豆乳の試験は牛乳との比較が中心で、脂肪の差と大豆の働きは分けられていません。

豆乳とサプリは何が違う?

豆乳・大豆などの丸ごとの大豆食品でLDLが平均11.06 mg/dL、大豆の抽出物では3.17 mg/dL下がりました(豆乳だけの結果ではなく、ばらつきも大きい解析です)。イソフラボンのサプリだけでは、血中脂質に効果がありませんでした [6]。

02注意点

試験の多くは、中央値500mLを3週間以上続けたものです [1]。食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限を、アグリコン換算で70〜75mg/日と設定しています。豆乳100gに含まれる量は、3検体の平均で24.8mg(7.6〜59.4mg)と、製品で大きく違います。500mLは約500gなので、毎日飲むと上限に近づくか、超える場合があります。ほかの大豆食品とサプリも合わせて考えてください。持病や服薬中、妊娠中の人、大豆アレルギーのある人は、医師や薬剤師に確認してください。

量は、ほかの大豆食品と合わせて考える

サプリや、ほかの大豆食品をとる人は、合計で考えてください。

03まとめ

牛乳などの代わりに豆乳を毎日飲むと、悪玉コレステロールは小さく下がります。根拠の確かさは低めです。
善玉や中性脂肪には効かず、LDLが高めの人のほうが変化は大きい傾向です。
コップ一杯の置き換えから始め、イソフラボンの合計量に気をつけて、健診の数値で見ましょう。

04よくある質問

Q飲む時間帯で効果は変わりますか?

研究では確かめられていません。試験は毎日飲み続けた条件で、時間帯を比べた試験は要旨では見つかっていません。

Q無調整と調製、どちらがよいですか?

甘味を加えた豆乳でも結果はほぼ同じでした [[39169353]]。2つを直接比べた試験は見つかっていません。

Qどのくらい続けると数値が変わりますか?

豆乳の試験は3週間以上 [[39169353]]、大豆たんぱくの解析は中央値6週間 [[31006811]]で、LDLの変化を測っています。何週間で何%下がるとは、研究からは言えません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(11本)

[1]牛乳を豆乳に置き換えた試験のメタ解析

発表年
2024年
研究機関
カナダ・トロント大学
掲載誌
BMC medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
504人
結果の向き
良い方向

牛乳の代わりに豆乳を飲むと、LDLが平均0.19 mmol/L下がった(RCT17件・504人)。

[2]FDAが選んだ46件の試験の大豆たんぱくのメタ解析

発表年
2019年
研究機関
カナダ・トロント大学
掲載誌
The Journal of nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究41件を統合
結果の向き
良い方向

大豆たんぱく中央値25g/日で、LDLが平均4.76 mg/dL下がった(41件)。

[3]植物性ミルクと心臓・代謝の指標のネットワークメタ解析

発表年
2026年
研究機関
ドイツ・フライブルク大学
掲載誌
Advances in nutrition (Bethesda, Md.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
543人
結果の向き
良い方向

牛乳を豆乳に替えるとLDLが平均0.47 mmol/L下がる可能性(確実性は低い)。RCT14件・543人。

[4]豆乳にコレステロールを下げる働きはあるか(系統的レビュー)

発表年
2019年
研究機関
イラン・イラン医科大学
掲載誌
Complementary therapies in medicine
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
263人
結果の向き
結果が割れている

豆乳のRCT8件(263人)で、結果は一致していなかった。

[5]大豆たんぱくのサプリと血中脂質のメタ解析

発表年
2006年
研究機関
アメリカ・テュレーン大学
掲載誌
The American journal of cardiology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究41件を統合
結果の向き
良い方向

大豆たんぱくのサプリを加えたRCT41件で、LDLが平均4.25 mg/dL下がった。

[6]大豆食品と血中脂質のRCTのメタ解析

発表年
2015年
研究機関
アメリカ・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院
掲載誌
The British journal of nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

大豆食品のRCTでLDLが平均4.83 mg/dL下がった。丸ごとの大豆食品のほうが下がり方は大きかった。

[7]大豆イソフラボンとLDLコレステロールのメタ解析

発表年
2007年
研究機関
日本・国立健康・栄養研究所
掲載誌
The American journal of clinical nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究11件を統合
結果の向き
良い方向

RCT11件で、大豆イソフラボンはLDLを0.13 mmol/L下げた。HDLと中性脂肪は変わらなかった。

[8]大豆が甲状腺の働きに与える影響のメタ解析

発表年
2019年
研究機関
イギリス・ハル大学
掲載誌
Scientific reports
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究18件を統合
結果の向き
結果が割れている

甲状腺ホルモンは変わらず、TSHがごくわずかに(0.248 mIU/L)上がった(18本)。

[9]大豆・イソフラボンと男性ホルモンのメタ解析

発表年
2021年
研究機関
イギリス・エセックス大学
掲載誌
Reproductive toxicology (Elmsford, N.Y.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,753人
結果の向き
差なし

男性の研究41件(1753人)で、大豆やイソフラボンは男性ホルモンを変えなかった。

[10]大豆たんぱく・イソフラボンと女性のホルモンのメタ解析

発表年
2009年
研究機関
イギリス・イースト・アングリア大学
掲載誌
Human reproduction update
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究47件を統合
結果の向き
結果が割れている

閉経前の女性でFSH・LHが下がり、月経周期が1.05日長くなった(47件)。

[11]大豆たんぱくが血中コレステロールを下げるしくみのメタ解析

発表年
2010年
研究機関
カナダ・セントマイケルズ病院
掲載誌
The Journal of nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究22件を統合
結果の向き
良い方向

大豆はLDLを平均0.17 mmol/L(4.3%)下げた。動物性食品の置き換え分を合わせると7.9〜10.3%と推定。

ほかに参考にした論文(13本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。