[1]2%・3%ミノキシジルとプラセボを12か月比べた試験
- 発表年
- 1987年
- 研究機関
- Savin RCほかの研究チーム
- 掲載誌
- Journal of the American Academy of Dermatology
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 96人
- 結果の向き
- 良い方向
男性96人で、頭頂部の髪は4か月で2%の群が平均58.2本、プラセボの群は4.0本増えた。

M字にもつむじにも効きます。試験の数は、つむじのほうが多いです。
男性型の薄毛の男性が対象の話です。女性や、円形脱毛症など別の原因の薄毛は、この研究からは言えません。
M字にも、つむじにも、塗り薬を試す価値があります。効果を見る期間は、別の記事にまとめています。飲み薬は塗り薬より上とは言えず、処方薬なので、使うなら医師に相談を [4]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 32 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 8.7 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 12.7 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 63.4 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 63 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ミノキシジルは、髪を増やす効果があるとされる成分です。塗り薬は、男性型の薄毛(AGA)の治療に使われ、研究では 2% や 5% などの濃度が使われています。飲み薬の仲間もありますが、薄毛の治療では塗り薬が中心です。注意点は、使い始めの数か月は変化が分かりにくいことと、かぶれが出る人がいることです。
答えの中心は、ドイツのベルリン・シャリテ医科大学などの研究チームが2015年に発表したランダム化比較試験です [3]。ランダム化比較試験とは、くじ引きで薬を使う人とプラセボを使う人に分けて比べる方法です。M字・こめかみと、つむじの両方を調べています。
| 研究の種類 | プラセボと比べた二重盲検のランダム化比較試験 |
|---|---|
| 対象 | 中等度の男性型の薄毛の男性 70人 |
| 比べたもの | 5%ミノキシジルのフォームとプラセボのフォーム(朝晩、24週間) |
| 結果 | 生え際〜こめかみの髪の太さの合計はプラセボより有意に増えたが、髪の本数の差は有意ではなかった |
つむじの本数は差が有意ではありませんでしたが、使った人の見た目の評価は、つむじでも有意に良くなりました。
M字・生え際を調べた、プラセボとの比較試験は2本・160人です。上の24週の試験に加えて、エジプトのザガジグ大学などが2021年に発表した36週の試験があります。90人を 5%、10%、プラセボに分けたところ、前頭部の髪の本数の増え方は、5%がプラセボより有意に大きくなりました [2]。10%は5%より増え方が小さく、かぶれも多くなりました。
数が少ないので、M字の結果は「増える方向」と読むのが正確です。一方で、「M字には効かない」という説を支える研究は見つかりませんでした。
つむじは試験が多く、プラセボと比べた試験は7本・790人です。たとえば96人の12か月の試験では、頭頂部の直径1インチの範囲で、4か月後に髪が増えた本数は、2%の群が平均58.2本、プラセボの群は4.0本でした [1]。頭頂部がはっきり薄い男性で、2%と3%がプラセボより増えた試験もあります [5]。
試験の多くは1985〜1987年のもので、対象は男性です。2021年の36週の試験でも、頭頂部の本数はプラセボより有意に増えています [2]。
24週の試験のあと、全員が5%フォームを使う公開試験が続けられました。最初から使い続けた22人では、前頭側頭部の髪の本数は76週まで使い始めより多く、104週には使い始めと同じくらいに戻りました [6]。比べる群が無い追跡なので、目安として読んでください。
比べた試験は、5%や2%の塗り薬を数か月から12か月使ったものが中心です。36週の試験では、10%は5%より増え方が小さく、かぶれも多くなりました [2]。飲み薬と塗り薬を比べた試験では、飲み薬の群の49%に多毛症(体の毛が濃くなること)が出ました [4]。持病や服薬がある人、飲み薬を考えている人は、医師や薬剤師に確認してください。
10%は5%より増え方が小さく、かぶれも多かったので、自己判断で濃度を上げないでください。
M字にも、つむじにも、ミノキシジルの塗り薬は髪を増やします。
対象は男性型の薄毛の男性で、M字の試験は2本と少ないことを前提に読んでください。
まず 5% 程度の塗り薬を続け、飲み薬を考えるときは医師に相談しましょう。
研究では確かめられていません。飲み薬(1日5mg)と5%の塗り薬を24週比べた試験では、髪の密度は前頭部も頭頂部も有意な差がありませんでした。写真での評価では、頭頂部だけ飲み薬が上回り、前頭部は差がありませんでした [[38598226]]。M字に飲み薬が上とは言えない、という結果です。
つむじは試験が7本・790人、M字は2本・160人で、研究の量が違います。どちらもプラセボより増える方向でした。部位による効き方の差を直接比べた研究は見つかっていません。
この記事で見た試験は男性が対象です。女性については、[女性の薄毛に効く方法は?](/evidence/female-hair-loss-treatment)をご覧ください。
男性96人で、頭頂部の髪は4か月で2%の群が平均58.2本、プラセボの群は4.0本増えた。
男性90人で、前頭部と頭頂部の髪の本数が5%でプラセボより有意に増えた。
男性70人で、生え際〜こめかみの髪の太さの合計がプラセボより有意に増えた。
男性68人で、前頭部・頭頂部とも飲み薬と5%の塗り薬に有意な差はなかった。
頭頂部がはっきり薄い男性で、2%・3%がプラセボより髪の増え方が大きかった。
24週の試験の続き。最初から使い続けた22人は104週に使い始めと同じくらいに戻った。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。