[1]髪のための市販サプリを調べたメタ解析
- 発表年
- 2026年
- 研究機関
- サウジアラビア・ハイル大学
- 掲載誌
- Journal of cosmetic dermatology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 967人
- 結果の向き
- 良い方向
抜け毛・薄毛の成人967人(14研究)で、サプリはプラセボより成長期の毛の密度が多く、毛の総数には差がなかった。

髪用の複合サプリは、成長期の毛の密度を増やします。鉄・ビタミンD・亜鉛は、不足と抜け毛の関連が見られます。
複合サプリの結果は、植物エキス中心の製品を、製造元が関わる試験で調べたものが中心です。毛の総数には差がなく、著者も予備的な結果としています。鉄・ビタミンD・亜鉛は、補って減るかは未確認です。
まず皮膚科で、抜け毛のタイプと、血液検査の結果(鉄の貯蔵量・ビタミンD・亜鉛)を確かめましょう。不足があれば、補い方を相談できます。複合サプリを試すなら、試験の期間は12週〜12か月と長いので、数か月続けて見ます。ビオチン単独のサプリや、たんぱく質・海藻を増やすだけの対策は、今のところ研究の裏づけがありません。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.8 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 96.8 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 97 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
抜け毛に役立つとされる栄養素には、鉄、ビタミンD、亜鉛、ビオチン、たんぱく質などがあります。食事やサプリで補う方法が知られ、髪のために複数の成分を組み合わせたサプリもあります。ここまでは一般に言われている内容で、研究で確かめたものではありません。栄養素ごとに、研究の有無と種類はかなり違うので、このページでは分けて見ていきます。
答えの中心は、サウジアラビアのハイル大学などの研究チームが2026年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た試験の結果を集めて合わせて分析する方法です。髪のための市販サプリを調べた比較試験がまとめられました。
| 研究の種類 | 髪のための市販サプリを調べた比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 抜け毛・薄毛のある18歳以上の人(14研究・967人) |
| 比べたもの | 市販の髪用サプリを12週〜12か月飲む人と、プラセボ(偽薬) |
| 結果 | 成長期の毛の密度はサプリが多く、毛の総数には有意な差なし |
一方、毛の総数には有意な差がありませんでした。
読み方には注意が要ります。この結果は予備的なもので、多くは製品を作る企業が関わる小規模な試験です。また、効いた成分はビタミンやミネラルより、植物エキスなどが中心でした。
男性型・女性型の薄毛の1,658人(19件)を対象に、2025年に中国中医科学院広安門医院などが16種類のサプリを比べた解析があります [5]。プラセボより髪の密度を増やしたのは、次のものでした。
鉄や亜鉛などの栄養素そのものを飲んで密度が増えた、という結果ではありません。
栄養不足のない抜け毛の人を対象にした30研究の系統的レビューでは、食事を変える介入の研究は、条件を満たすものが1件もありませんでした [6]。サプリの結果と違い、食事だけで減るという根拠は、まだ得られていません。
食事を変える介入の研究は、条件を満たすものがありませんでした。
複合サプリの試験は、抜け毛・薄毛のある18歳以上の人が対象で、12週〜12か月の期間で行われています [1]。ここで使ったデータには、副作用の結果は含まれていません。鉄は体に溜まりやすいので、血液検査で不足が分かってから補うのが一般的です。持病や服薬のある人、妊娠中の人は、サプリを始める前に医師や薬剤師に確認してください。抜け毛が急に増えた場合は、栄養以外の原因もあるため、皮膚科で調べるのが先です。
自己判断で鉄や亜鉛を多くとるより、血液検査で足りているかを確かめてからにしましょう。
効いたと言えるのは、髪用の複合サプリの、成長期の毛の密度までです。
鉄・ビタミンD・亜鉛は、低い人に抜け毛が多いという関連で、補えば減るとは言えません。
まず皮膚科で血液検査を受け、不足があれば補い方を相談しましょう。
研究では確かめられていません。栄養不足のない抜け毛の人を対象にしたレビューでは、食事を変える介入の研究は条件を満たすものがありませんでした [[36449274]]。
研究で抜け毛との関連が報告されているのは、貯蔵鉄(フェリチン)、ビタミンD、亜鉛です [[35415182]] [[39416654]] [[39739356]]。何を調べるかは、皮膚科の医師に相談してください。
研究では確かめられていません。ここで使った研究は、抜け毛・薄毛のある成人全般を対象にしており、産後に絞った結果は含まれていません。
抜け毛・薄毛の成人967人(14研究)で、サプリはプラセボより成長期の毛の密度が多く、毛の総数には差がなかった。
女性10,029人(36研究)で、抜け毛のある女性は貯蔵鉄(フェリチン)が平均18.51低かった。
円形脱毛症の研究34本(4,931人)で、円形脱毛症の人は健康な人より血液中の亜鉛が低かった。
薄毛の1,658人(19件)で16種類のサプリを比べ、植物エキス配合品などが髪の密度を増やした。
栄養不足のない抜け毛の人の30研究を調べ、食事を変える介入の研究は条件を満たすものが無かった。
慢性の休止期脱毛の女性90人と対照90人で、亜鉛は低く、フェリチンとビタミンDとビオチンには差がなかった。
休止期脱毛の29研究で、フェリチンとビタミンDの値が健康な人より低かった。
円形脱毛症の10研究では、鉄やフェリチンの値に健康な人との差がなかった。
見つかったのは症例報告18例だけで、健康な人がビオチンを飲む根拠は不十分としている。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。