育毛シャンプーで抜け毛は減る?

育毛シャンプーで抜け毛は減る?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.01
答え効く

抜け毛は減ります。ただし、発毛剤の代わりにはなりません。

根拠

抜け毛対策の成分が入ったシャンプーを3〜6か月使うランダム化試験6本が、成分を抜いたシャンプーや普通のシャンプーより抜け毛が減ったと報告しています [1] [2]。根拠の確かさは低めです。試験が数十〜154人と小さく、メーカーが関わる研究が多いためです。

この答えの範囲

研究されたのは海外の特定の配合 (カフェイン・ピロクトンオラミン・ジンクピリチオン・植物エキス) で、日本の育毛シャンプー全般ではありません。効果の大きさは要旨から測れません。

じゃあ、どうする?

使うなら、抜け毛を少し減らす補助として。髪の本数の増え方は、5%ミノキシジルの半分弱でした [3]。薄毛が進む、抜け毛が急に増えたときは、皮膚科で相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。9 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3640いちばん信頼できる研究の種類
研究の量12.320研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 83.3 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 6 本。 この上限により、強度を A から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

育毛シャンプーとは

育毛シャンプーは、抜け毛を防ぐことをうたう頭皮用のシャンプーです。日本では医薬部外品や化粧品として売られ、頭皮を洗って整えるとされています。カフェイン・ピロクトンオラミン・ジンクピリチオン・植物エキスなどを配合したものがあります。注意点は、髪を生やす医薬品とは別のものだということです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、イタリアの企業の研究部門などの研究チームが2025年に発表したランダム化試験です [1]。ランダム化試験とは、くじ引きで2つのグループに分け、結果を比べる方法です。

研究の種類二重盲検のランダム化試験
対象男性型の薄毛の男性 154人
比べたものジメチルグリシンナトリウムとカフェイン入りのシャンプーと、プラセボのシャンプー
結果6か月後、引っ張り試験で抜ける髪の本数が有効成分入りのほうで減った
試験の結果引っ張り試験で抜けた髪は、有効成分入りが平均-2.8本、プラセボが+0.6本でした [1]。

副作用の報告はありませんでした。

引っ張り試験とは、髪を軽くつまんで引き、抜ける本数を数える検査です。女性型の薄毛の女性でも、植物エキスとカフェイン入りのシャンプーを6か月使うと、抜ける髪が-3.1本で、普通のシャンプーの-0.5本より減りました [2]。薄毛のある韓国人40人が16週間使った試験でも、抜け毛の本数が対照のシャンプーより減っています [4]。

検証された配合

  • カフェイン (男性・女性の試験) [1] [2]
  • ピロクトンオラミン・ジンクピリチオンなどの抗酸化成分 [5]
  • 植物エキス [6]
  • 発酵パパイヤ・発酵マンゴスチン [7]

髪の本数は増える?

髪の本数が増えた試験もあります。男性200人の6か月の試験では、1%ジンクピリチオンのシャンプーがプラセボのシャンプーより髪の本数を増やしました。ただし増え方は、5%ミノキシジル外用液の半分弱でした [3]。ピロクトンオラミン入りのシャンプーを8週間使った女性の試験でも、髪の量が増えています [8]。

よく言われていることは本当?

  • 抜け毛を減らす・脱毛を予防する減ります。 ランダム化試験6本がそろって抜け毛の減少を報告しています [1] [2]。根拠の確かさは低めです。
  • 髪が生える・増える増えます。 ただし増え方はミノキシジルの半分弱で、発毛剤の代わりとは言えません [3]。根拠の確かさは低めです。
  • フケ・かゆみを防ぐフケには効きます。 1%ジンクピリチオンのフケ用シャンプーを4週間使うと、フケ用でないシャンプーよりフケの点数が男性で17.5点、女性で11.1点多く下がりました [9]。かゆみそのものを測った研究は、今回は扱っていません。詳しくは頭皮のかゆみ・フケに効くシャンプーの成分は?。
  • 皮脂や汚れを落として頭皮環境を整える研究が見つかりません。 毛穴の詰まりを洗い落とすと抜け毛が減るかを、人で比べた研究は見つかっていません。
  • 頭皮の血行を良くする研究が見つかりません。 シャンプーで頭皮の血流が増えるかを測った研究は見つかっていません。
  • 頭皮に合わないと刺激になる研究が見つかりません。 刺激を比べた研究は見つからず、今回の試験では副作用はほぼ報告されていません。

試験の弱さ

結果は一方向にそろっていますが、次の限界があります。

  • 試験は数十〜154人と小さく、メーカーが関わる研究が多い
  • 効果なしと報告した試験は、今回は見つかっていません
  • 一部の試験は、シャンプーとローションのセットで調べています [5] [7]
  • 製品がそれぞれ違うため、どの成分が効いたかは分かりません

この限界から、成分を抜いたシャンプーとの差は確認できても、その大きさは要旨から測れません。

02注意点

研究で使われたのは、毎日の洗髪で3〜6か月続ける使い方です。たとえば154人の試験は24週間、毎日使っています [1]。副作用はほとんど報告されていませんが、頭皮が赤くなる・かゆくなるなどの変化が出たら使用を止めてください。抜け毛が急に増えた、薄毛が進んでいるときは、シャンプーだけで様子を見ず、皮膚科の医師に相談してください。薄毛の治療は女性の薄毛に効く方法は?やミノキシジルは何か月で効く?やめたら戻る?で解説しています。

発毛剤の代わりにはならない

髪の本数の増え方は5%ミノキシジルの半分弱で、薄毛の治療を置き換えるものではありません。

03まとめ

成分入りの育毛シャンプーで、抜け毛は減ります。
当てはまるのは海外で試された特定の配合で、根拠の確かさは低めです。
補助として使い、薄毛が進むときは皮膚科で相談しましょう。

04よくある質問

Q日本で売られている育毛シャンプーでも同じ結果になりますか?

分かりません。研究されたのは海外の特定の配合 (カフェイン・ピロクトンオラミン・ジンクピリチオン・植物エキス) で、日本の医薬部外品の育毛シャンプー全般を調べた研究ではありません。

Qシャンプーだけで髪は生えますか?

髪の本数が増えた試験はありますが、増え方は5%ミノキシジルの半分弱でした [[12932243]]。発毛剤の代わりとは言えません。

Q効果が出るまでどのくらい使いますか?

試験では8週間から6か月、毎日使っています [[34424549]] [[40820949]]。何日で変わるかは、研究から言えません。

Q効果がなかった研究はありますか?

今回の検索では見つかりませんでした。ただし試験が小さく、メーカーが関わる研究が多いので、確かさは低めです。

05参照した論文

判定に使った主な論文(9本)

[1]男性型の薄毛にジメチルグリシンとカフェインのシャンプーを使った24週間の試験

発表年
2025年
研究機関
イタリア・企業の研究部門
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
154人
結果の向き
良い方向

男性型の薄毛の男性154人が6か月使い、引っ張り試験で抜ける髪がプラセボより減った。

[2]女性型の薄毛に植物エキスとカフェインのシャンプーを使った試験

発表年
2020年
研究機関
イタリア・聖心カトリック大学
掲載誌
Giornale italiano di dermatologia e venereologia : organo ufficiale, Societa italiana di dermatologia e sifilografia
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

女性型の薄毛の女性が6か月使い、引っ張り試験で抜ける髪が普通のシャンプーより減った。

[3]ミノキシジルとジンクピリチオンのシャンプーを比べた試験

発表年
2003年
研究機関
アメリカ・ヒルトップ・リサーチ
掲載誌
The British journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
200人
結果の向き
良い方向

男性200人の6か月の試験で、1%ジンクピリチオンの増え方は5%ミノキシジルの半分弱だった。

[4]低刺激の抜け毛予防シャンプーを簡易撮影法で調べた試験

発表年
2011年
研究機関
韓国・ダーマプロ皮膚研究センター
掲載誌
International journal of cosmetic science
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
40人
結果の向き
良い方向

薄毛のある韓国人40人が16週間使い、抜け毛が対照のシャンプーより減った。

[5]抗酸化成分を頭皮に使った24週間のランダム化試験

発表年
2021年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
International journal of cosmetic science
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

シャンプーと洗い流さない頭皮用剤を24週間使い、抜け毛が減り髪の本数が増えた。

[6]植物エキスのシャンプーと頭皮用液を調べた試験

発表年
2018年
研究機関
トルコ・ギョズデ病院
掲載誌
Acta dermatovenerologica Alpina, Pannonica, et Adriatica
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
120人
結果の向き
良い方向

男性型の薄毛や休止期脱毛の120人で、植物エキス入りの製品がプラセボより抜け毛を減らした。

[7]発酵した熱帯フルーツ成分と髪・頭皮の関係を調べた試験

発表年
2023年
研究機関
スイス・企業の研究部門
掲載誌
Biomolecules
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
154人
結果の向き
良い方向

男女154人が3か月、シャンプーとローションのセットを使い、プラセボより抜け毛が減った。

[8]ピロクトンオラミンを頭皮に使った8週間の試験

発表年
2021年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
International journal of cosmetic science
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

髪が薄くなったと感じている女性が8週間使い、プラセボより髪の量が増えた。

[9]ジンクピリチオンのシャンプーの効き方の男女差

発表年
2018年
研究機関
イギリス・企業の研究部門
掲載誌
International journal of cosmetic science
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
2,088人
結果の向き
良い方向

フケのあるアジアの人2088人で、1%ジンクピリチオンはフケ用でないシャンプーよりフケの点数が下がった。

ほかに参考にした論文(11本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。