[1]ジンクピリチオンのシャンプーの効き方の男女差
- 発表年
- 2018年
- 研究機関
- イギリス・企業の研究部門
- 掲載誌
- International journal of cosmetic science
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 2,088人
- 結果の向き
- 良い方向
頭の左右で比べた試験17件のまとめで、4週間後のフケは男女とも少なかった。

ジンクピリチオン入りはフケに効きます。ケトコナゾール入りも効きます。
フケや、頭皮の脂漏性皮膚炎(皮脂の多い部分の赤みやフケ)の話です。ジンクピリチオンの根拠はアジアの試験、ケトコナゾールの根拠は顔の症状や塗り薬の試験も含みます。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 15.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 3 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 88.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。 根拠の研究が、この疑問の対象とは違う人たちのものだけなので、強度は B を上限にしています。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
フケ用シャンプーは、フケやかゆみを抑える有効成分を入れた洗髪料です。ジンクピリチオン、ケトコナゾール、硫化セレン、ミコナゾール、ピロクトンオラミンなど成分の種類があり、薬用(医薬部外品)や医薬品として売られています。頭皮にいる菌(マラセチア)の増えすぎを抑えて、フケやかゆみを和らげるとされています。注意点は、かぶれが起こることがあることです。
答えの中心は、イギリスの企業の研究部門などの研究チームが2018年に発表した統合解析です [1]。統合解析とは、同じ形の試験の結果を合わせて数える方法です。頭の左右で別々のシャンプーを使う試験17件・2088人が集められました。対象はアジアの試験だけです。
| 研究の種類 | 頭の左右で比べた二重盲検ランダム化試験17件の統合解析 |
|---|---|
| 対象 | フケのある人(2088人、アジアの試験) |
| 比べたもの | ジンクピリチオン1%入りのシャンプー / フケ用ではないシャンプー |
| 結果 | 4週間後のフケのスコアが、男性で17.5、女性で11.1低い |
点数の差は男性17.5、女性11.1で、「何割減る」とは換算できません。
ナイジェリアのカラバル大学教育病院などの研究チームが2015年に発表したコクランレビューは、顔と頭皮の脂漏性皮膚炎の人を対象に、51件・9052人の試験を集めました [2]。そのうちケトコナゾールとプラセボを比べた試験は12件・3253人で、4週間後の結果を合わせられた8件では、治りきらなかった人の割合がプラセボより31%少なくなりました(リスク比0.69、信頼区間0.59〜0.81)。「31%少ない」は割合を比べた比で、31ポイント減ったという意味ではありません。
試験の多くは5週間以内と短く、根拠の確かさは低めです。クリームなど塗り薬の試験も混ざり、シャンプーだけの結果ではありません。濃度を比べた66人の試験では、2%のシャンプーのほうが1%より、フケとマラセチア(カビの一種)の量を減らしました [8]。
中等度〜重いフケのある246人の二重盲検試験では、ケトコナゾール2%と硫化セレン2.5%のシャンプーが、偽のシャンプーよりフケを減らし、かゆみも軽くしました [5]。ジンクピリチオンは対照群との比較ではありませんが、フケのある人が3週間使うと、かゆみの物質(ヒスタミン)がフケの無い人と同じくらいまで下がり、かゆみの感じ方も弱まりました [9]。
理由は、人での比較試験ではまだ確かめられていません。しくみとして考えられているのは次の2つです。
どちらも、原因だと証明されたわけではありません。
成分どうしを直接比べた試験では、ケトコナゾールが上回ったものと、差が無かったものがあります。どれか1つが飛び抜けて良いとは言えません。
ミコナゾール2%は、ケトコナゾール2%と少なくとも同じくらいの効果と安全性でしたが、プラセボとは比べていません [7]。
シャンプーの試験の使い方は、たとえば頭皮の脂漏性皮膚炎の274人が週2回・4週間でした [7]。効果の判定も4週間後が中心です。
副作用では、塗るケトコナゾールの試験40件・4566人の総説に、かぶれ(アレルギー性の接触皮膚炎)が起こることがあるとあります [12]。持病や服薬がある人、子どもに使う場合は、医師・薬剤師に確認しましょう。
研究の対象は、フケのある人か、診断された脂漏性皮膚炎の人です。強い赤みや広がりは、自己判断で続けないでください。
ジンクピリチオンもケトコナゾールも効きますが、ケトコナゾールは根拠の確かさが低めです。
成分どうしの差は小さく、成分名や洗い方の話には、人での比較試験が無いものも多くあります。
まず4週間使って確かめ、赤みが強い・広がる・治まらないときは皮膚科に相談しましょう。
試験の判定は、ジンクピリチオンとケトコナゾールが4週間後、ピロクトンオラミンが3週間後でした [[30447108]] [[25933684]] [[38196163]]。32人の小さな試験では、ジンクピリチオン側のフケが3回以上洗った時点から少なくなっていました [[3158327]]。
1984年の試験は、フケを脂漏性皮膚炎のいちばん軽い形だと考察しています [[6093845]]。ケトコナゾールのまとめは顔の脂漏性皮膚炎も含むので、赤みがはっきりしたり顔にも出たりするときは、皮膚科で診てもらいましょう。
ケトコナゾールのまとめは思春期以降が対象です [[25933684]]。子どもや妊娠中の安全性は、このページで集めた研究では確かめられていません。医師・薬剤師に相談してください。
頭の左右で比べた試験17件のまとめで、4週間後のフケは男女とも少なかった。
ケトコナゾール2%で、4週間後に治りきらない人の割合がプラセボより31%少なかった。
4週間後のフケの重さの点数の改善は、ケトコナゾール2%が73%、ジンクピリチオン1%が67%だった。
6週間後のかゆみの軽減は、ケトコナゾール2%で76.2%、硫化セレン0.6%で75.9%だった。
246人で、ケトコナゾール2%と硫化セレン2.5%は偽のシャンプーよりフケとかゆみを減らした。
フケのある100人が3週間使い、対照のシャンプーよりフケの点数が改善した。
頭皮の脂漏性皮膚炎の274人で、ミコナゾール2%はケトコナゾール2%と少なくとも同じ効果と安全性だった。
重いフケ・頭皮の脂漏性皮膚炎の66人で、ケトコナゾール2%は1%よりフケとマラセチアの量を減らした。
ジンクピリチオン入りのシャンプーを3週間使うと、かゆみの物質ヒスタミンが下がり、かゆみの感じ方も弱まった。
フケの直接の原因はマラセチアというカビの一種だと考察している。
フケのある人がジンクピリチオン入りのシャンプーを3週間使うと、フケが減り、炎症の目印が下がった。
塗るケトコナゾールの試験40件・4566人をまとめた総説で、かぶれが起こることがあるとされた。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。