頭皮のかゆみ・フケに効くシャンプーの成分は?

頭皮のかゆみ・フケに効くシャンプーの成分は?
読了目安 6〜8分最終更新日 2026.11.01
答え有効成分入りを選ぶ

ジンクピリチオン入りはフケに効きます。ケトコナゾール入りも効きます。

根拠

頭の左右で別々のシャンプーを使って比べた試験17件・2088人のまとめで、ジンクピリチオン1%入りは、4週間後のフケがフケ用ではないシャンプーより男女とも少なくなりました [1]。ケトコナゾール2%は、試験8件のまとめで、4週間後に症状が治りきらなかった人の割合がプラセボより31%少なくなりました [2]。ケトコナゾールは、根拠の確かさは低めです。試験の多くが5週間以内と短く、顔の症状や塗り薬の試験も混ざるためです。成分どうしを直接比べた試験では、差はあっても小さい結果でした [3] [4]。

この答えの範囲

フケや、頭皮の脂漏性皮膚炎(皮脂の多い部分の赤みやフケ)の話です。ジンクピリチオンの根拠はアジアの試験、ケトコナゾールの根拠は顔の症状や塗り薬の試験も含みます。

じゃあ、どうする?

フケ・かゆみには、有効成分の入ったフケ用シャンプーを選びましょう。選ぶ条件は次の3つです。

  • 有効成分が、ジンクピリチオン・ケトコナゾール・硫化セレンのどれか [1] [5]。ピロクトンオラミンも効きますが、試験は1件だけです [6]
  • まず週2回・4週間の使用で確かめる [7]
  • 赤みが強い・広がる・治まらないときは、皮膚科で相談する

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。12 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量15.220研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ310最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 88.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。 根拠の研究が、この疑問の対象とは違う人たちのものだけなので、強度は B を上限にしています。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

フケ用シャンプーとは

フケ用シャンプーは、フケやかゆみを抑える有効成分を入れた洗髪料です。ジンクピリチオン、ケトコナゾール、硫化セレン、ミコナゾール、ピロクトンオラミンなど成分の種類があり、薬用(医薬部外品)や医薬品として売られています。頭皮にいる菌(マラセチア)の増えすぎを抑えて、フケやかゆみを和らげるとされています。注意点は、かぶれが起こることがあることです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

ジンクピリチオン1%入りのシャンプー

答えの中心は、イギリスの企業の研究部門などの研究チームが2018年に発表した統合解析です [1]。統合解析とは、同じ形の試験の結果を合わせて数える方法です。頭の左右で別々のシャンプーを使う試験17件・2088人が集められました。対象はアジアの試験だけです。

研究の種類頭の左右で比べた二重盲検ランダム化試験17件の統合解析
対象フケのある人(2088人、アジアの試験)
比べたものジンクピリチオン1%入りのシャンプー / フケ用ではないシャンプー
結果4週間後のフケのスコアが、男性で17.5、女性で11.1低い
統合解析の結果ジンクピリチオン1%入りのシャンプーは、4週間後のフケが男女とも少なくなりました [1]。

点数の差は男性17.5、女性11.1で、「何割減る」とは換算できません。

ケトコナゾール2%

ナイジェリアのカラバル大学教育病院などの研究チームが2015年に発表したコクランレビューは、顔と頭皮の脂漏性皮膚炎の人を対象に、51件・9052人の試験を集めました [2]。そのうちケトコナゾールとプラセボを比べた試験は12件・3253人で、4週間後の結果を合わせられた8件では、治りきらなかった人の割合がプラセボより31%少なくなりました(リスク比0.69、信頼区間0.59〜0.81)。「31%少ない」は割合を比べた比で、31ポイント減ったという意味ではありません。

試験の多くは5週間以内と短く、根拠の確かさは低めです。クリームなど塗り薬の試験も混ざり、シャンプーだけの結果ではありません。濃度を比べた66人の試験では、2%のシャンプーのほうが1%より、フケとマラセチア(カビの一種)の量を減らしました [8]。

かゆみにも効く?

中等度〜重いフケのある246人の二重盲検試験では、ケトコナゾール2%と硫化セレン2.5%のシャンプーが、偽のシャンプーよりフケを減らし、かゆみも軽くしました [5]。ジンクピリチオンは対照群との比較ではありませんが、フケのある人が3週間使うと、かゆみの物質(ヒスタミン)がフケの無い人と同じくらいまで下がり、かゆみの感じ方も弱まりました [9]。

なぜ効く?

理由は、人での比較試験ではまだ確かめられていません。しくみとして考えられているのは次の2つです。

  • 菌の量が減る: ケトコナゾール2%のシャンプーは、フケと同時にマラセチアの量を減らしました [8]。フケの直接の原因はマラセチアだと、1984年の飲み薬の試験が考察しています [10]。
  • 炎症や皮膚のバリアが整う: ジンクピリチオン入りのシャンプーを3週間使うと、フケが減り、炎症の目印が下がり、皮膚のバリアの目印が改善しました [11]。

どちらも、原因だと証明されたわけではありません。

よく言われていることは本当?

  • ジンクピリチオンがフケを抑える本当です。 17件のまとめで確かめられています [1]。
  • ケトコナゾールなどの抗真菌成分が、原因の菌を抑えて治す効きます。 治りきらない人の割合が31%少なくなりましたが、根拠の確かさは低めです。試験の多くが5週間以内と短いためです [2]。
  • ピロクトンオラミン(オクトピロックス)がフケ・かゆみを抑えるフケには効きます。 ただし、フケのある100人が3週間使った1件の試験だけで、根拠の確かさは低めです [6]。改善の大きさと、かゆみへの効果は分かりません。
  • ミコナゾールがフケ・かゆみを防ぐ研究が足りず、まだ分かりません。 このページで集めた研究には、プラセボと比べたものがありません。ケトコナゾール2%との比較では、少なくとも同じくらいの効果でした [7]。
  • サリチル酸でフケが減る研究が足りず、まだ分かりません。 単独で試した比較試験が、このページで集めた研究にありません。
  • アミノ酸系のやさしいシャンプーが乾燥フケに合う研究が足りず、まだ分かりません。 洗浄成分を比べた人の試験が、ここで集めた研究にありません。
  • グリチルリチン酸が頭皮の炎症・かゆみを抑える研究が足りず、まだ分かりません。 人で調べた試験が、ここで集めた研究にありません。
  • 指の腹で洗い、先に予洗いするとフケが減る研究が足りず、まだ分かりません。 洗い方を比べた試験が、ここで集めた研究にありません。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

成分どうしを直接比べた試験では、ケトコナゾールが上回ったものと、差が無かったものがあります。どれか1つが飛び抜けて良いとは言えません。

  • ケトコナゾール2%とジンクピリチオン1%(重いフケまたは頭皮の脂漏性皮膚炎の331人): 4週間後のフケの重さの点数の改善は、ケトコナゾールが73%、ジンクピリチオンが67%で、ケトコナゾールが上回りました [3]。
  • ケトコナゾール2%と硫化セレン0.6%(中等度〜重いフケのある87人): 6週間後のかゆみの軽減は76.2%と75.9%で、差はありませんでした [4]。
ケトコナゾールと比べた試験頭皮の脂漏性皮膚炎の274人(ミコナゾール145人・ケトコナゾール129人)

ミコナゾール2%は、ケトコナゾール2%と少なくとも同じくらいの効果と安全性でしたが、プラセボとは比べていません [7]。

02注意点

シャンプーの試験の使い方は、たとえば頭皮の脂漏性皮膚炎の274人が週2回・4週間でした [7]。効果の判定も4週間後が中心です。

副作用では、塗るケトコナゾールの試験40件・4566人の総説に、かぶれ(アレルギー性の接触皮膚炎)が起こることがあるとあります [12]。持病や服薬がある人、子どもに使う場合は、医師・薬剤師に確認しましょう。

赤み・広がりがあるなら、皮膚科へ

研究の対象は、フケのある人か、診断された脂漏性皮膚炎の人です。強い赤みや広がりは、自己判断で続けないでください。

03まとめ

ジンクピリチオンもケトコナゾールも効きますが、ケトコナゾールは根拠の確かさが低めです。
成分どうしの差は小さく、成分名や洗い方の話には、人での比較試験が無いものも多くあります。
まず4週間使って確かめ、赤みが強い・広がる・治まらないときは皮膚科に相談しましょう。

04よくある質問

Q効果はいつごろから出ますか?

試験の判定は、ジンクピリチオンとケトコナゾールが4週間後、ピロクトンオラミンが3週間後でした [[30447108]] [[25933684]] [[38196163]]。32人の小さな試験では、ジンクピリチオン側のフケが3回以上洗った時点から少なくなっていました [[3158327]]。

Qフケと脂漏性皮膚炎は同じものですか?

1984年の試験は、フケを脂漏性皮膚炎のいちばん軽い形だと考察しています [[6093845]]。ケトコナゾールのまとめは顔の脂漏性皮膚炎も含むので、赤みがはっきりしたり顔にも出たりするときは、皮膚科で診てもらいましょう。

Q子どもや妊娠中に使っても大丈夫ですか?

ケトコナゾールのまとめは思春期以降が対象です [[25933684]]。子どもや妊娠中の安全性は、このページで集めた研究では確かめられていません。医師・薬剤師に相談してください。

05参照した論文

判定に使った主な論文(12本)

[1]ジンクピリチオンのシャンプーの効き方の男女差

発表年
2018年
研究機関
イギリス・企業の研究部門
掲載誌
International journal of cosmetic science
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
2,088人
結果の向き
良い方向

頭の左右で比べた試験17件のまとめで、4週間後のフケは男女とも少なかった。

[2]脂漏性皮膚炎に塗る抗真菌薬の効果を調べたレビュー

発表年
2015年
研究機関
ナイジェリア・カラバル大学教育病院
掲載誌
The Cochrane database of systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,253人
結果の向き
良い方向

ケトコナゾール2%で、4週間後に治りきらない人の割合がプラセボより31%少なかった。

[3]重いフケにケトコナゾールとジンクピリチオンのシャンプーを比べた試験

発表年
2002年
研究機関
ベルギー・リエージュ大学
掲載誌
Skin pharmacology and applied skin physiology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
331人
結果の向き
良い方向

4週間後のフケの重さの点数の改善は、ケトコナゾール2%が73%、ジンクピリチオン1%が67%だった。

[4]硫化セレン0.6%シャンプーとケトコナゾール2%を比べた試験

発表年
2026年
研究機関
Farris PKほかの研究チーム
掲載誌
Journal of drugs in dermatology : JDD
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
87人
結果の向き
差なし

6週間後のかゆみの軽減は、ケトコナゾール2%で76.2%、硫化セレン0.6%で75.9%だった。

[5]中等度〜重いフケにケトコナゾールと硫化セレンのシャンプーを比べた試験

発表年
1993年
研究機関
カナダ・クイーンズ大学
掲載誌
Journal of the American Academy of Dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
246人
結果の向き
良い方向

246人で、ケトコナゾール2%と硫化セレン2.5%は偽のシャンプーよりフケとかゆみを減らした。

[6]ピロクトンオラミンのシャンプーによる頭皮の菌の変化

発表年
2024年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
International journal of cosmetic science
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
100人
結果の向き
良い方向

フケのある100人が3週間使い、対照のシャンプーよりフケの点数が改善した。

[7]ミコナゾールとケトコナゾールのシャンプーを比べた試験

発表年
2014年
研究機関
スイス・バーゼルの皮膚科診療所
掲載誌
The Journal of dermatological treatment
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
274人
結果の向き
差なし

頭皮の脂漏性皮膚炎の274人で、ミコナゾール2%はケトコナゾール2%と少なくとも同じ効果と安全性だった。

[8]重いフケにケトコナゾール1%と2%のシャンプーを比べた試験

発表年
2001年
研究機関
ベルギー・リエージュ大学
掲載誌
Dermatology (Basel, Switzerland)
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
66人
結果の向き
良い方向

重いフケ・頭皮の脂漏性皮膚炎の66人で、ケトコナゾール2%は1%よりフケとマラセチアの量を減らした。

[9]フケの治療でかゆみと頭皮のヒスタミンの関係を調べた試験

発表年
2011年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
Acta dermato-venereologica
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

ジンクピリチオン入りのシャンプーを3週間使うと、かゆみの物質ヒスタミンが下がり、かゆみの感じ方も弱まった。

[10]脂漏性皮膚炎に飲むケトコナゾールが効くかを調べた試験

発表年
1984年
研究機関
Ford GPほかの研究チーム
掲載誌
The British journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

フケの直接の原因はマラセチアというカビの一種だと考察している。

[11]フケが治まるときの頭皮の変化(炎症・バリアの目印)を調べた試験

発表年
2011年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
International journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

フケのある人がジンクピリチオン入りのシャンプーを3週間使うと、フケが減り、炎症の目印が下がった。

[12]塗るケトコナゾールの皮膚への使い方をまとめた総説

発表年
2019年
研究機関
アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校
掲載誌
The Journal of dermatological treatment
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
4,566人
結果の向き
良い方向

塗るケトコナゾールの試験40件・4566人をまとめた総説で、かぶれが起こることがあるとされた。

ほかに参考にした論文(10本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。