カフェイン入りのシャンプーで抜け毛は減る?

カフェイン入りのシャンプーで抜け毛は減る?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

減ります。引っぱって抜ける毛が、6か月で約3本減りました。

根拠

頭皮に塗るカフェイン製品の臨床試験 9 件・684 人をまとめた系統的レビューは、9 件すべてが抜け毛対策に有利な結論でした [1]。男性 154 人の二重盲検試験では、引っぱって抜ける毛が 6 か月で 2.8 本減り、プラセボは 0.6 本増えました [2]。根拠の確かさは中程度です。向きはそろっていますが、9 件のうち 5 件は研究の質が非常に低く、効果の大きさまでは言い切れません [1]。

この答えの範囲

根拠のほとんどは、カフェインと他の成分を配合した製品の試験で、カフェイン単独の効果は分けられません。髪の太さや、ミノキシジルとの優劣は言えません。

じゃあ、どうする?

試すなら、毎日の洗髪に取り入れて数か月は続けるのが、研究の条件に近い使い方です。試験は 6 か月が中心でした。急な抜け毛や頭皮の強いかゆみがあるときは、皮膚科で原因を調べましょう [2]。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。7 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 84 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量13.820研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 88.8 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本。 この上限により、強度を A から B に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

カフェイン入りシャンプーとは

カフェインは、コーヒーやお茶に含まれる成分です。頭皮に使う育毛・抜け毛対策の製品にも、シャンプーや塗り置きのローションとして配合されます。毛根に働くとされ、血流や頭皮環境を整えると説明されることが多い成分です。注意点は、多くの製品がカフェイン以外の成分も配合していることです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、ポーランドのヤギェウォ大学などの研究チームが2025年に発表した系統的レビューです [1]。系統的レビューとは、決めた手順で関連する研究を集め、結果を整理する方法です。頭皮に塗るカフェイン製品の臨床試験が9件集められました。

研究の種類頭皮に塗るカフェイン製品の臨床試験の系統的レビュー
対象男性型の薄毛・抜け毛・髪の細りのある人(9件・684人)
比べたものカフェイン製品(シャンプー・ローションなど)と、使う前やプラセボ
結果9件すべてが、カフェインに有利な結論
系統的レビューの結果9件の臨床試験すべてで、頭皮に塗るカフェインに有利な結論でした。

ただし研究の質は、3件が中程度、1件が低く、5件が非常に低いと評価されています [1]。

研究の質が低い理由は、ランダム化や対照群のない試験が含まれること、製品のカフェイン濃度が書かれていないものが多いことです [1]。「効く」という向きはそろっていますが、「どのくらい効くか」を言い切れる質ではない、と読むのが正確です。

具体的に何本減る?

男性型の薄毛の男性154人が、血流を促す成分とカフェインを配合したシャンプーか、見た目が同じプラセボのシャンプーを毎日6か月使いました。引っぱって抜ける毛の本数は、配合シャンプーで2.8本減り、プラセボでは0.6本増えました [2]。

試験の結果引っぱって抜ける毛が、6か月で2.8本減りました。プラセボは0.6本増えました。

この試験は、血流を促す成分とカフェインの配合で、カフェイン単独の効果は分けられません [2]。

女性の男性型の薄毛でも、カフェイン配合シャンプーを6か月使った人は、対照のシャンプーより引っぱって抜ける毛が多く減りました(3.1本減と0.5本減)[3]。カフェイン以外の成分も入った製品の試験です。

よく言われていることは本当?

  • カフェインシャンプーで抜け毛が減る効きます。 上の 2 つの試験とレビューが、同じ向きです。根拠の確かさは中程度です [1]
  • カフェインが男性ホルモンの影響をブロックして毛の成長を助ける研究が足りません。 根拠は採取した毛包を使う試験管の研究で、人で確かめた臨床研究は見つかりませんでした
  • ミノキシジルと同じくらい効く研究が足りません。 0.2%のカフェイン液と5%のミノキシジル液を比べた210人の試験では、6か月後の成長期の毛の割合の改善は10.59%と11.68%でした [4]。ただし塗り置きの液で、治療内容を伏せない非盲検の試験が1本だけです
  • 髪が太く、ハリコシが出る研究が足りません。 カフェインとアデノシン配合のシャンプーを使った77人の使用前後の比較では、抜け毛は減りましたが、髪の太さは変わりませんでした [5]
  • 洗い流すシャンプーでは効果が不十分研究が足りません。 シャンプーと塗り置きを直接比べた臨床研究は見つかりませんでした。レビューは、カフェイン濃度が書かれていない製品が多いことを弱点に挙げています [1]

ほかの研究では、結果が異なる場合も

男性型の薄毛の男性62人の試験では、カフェインなど複数の成分を含むフォームは、基剤だけのフォームより休止期(抜けやすい状態)の毛の割合を大きく減らしました。一方で、髪の密度の増え方には差がありませんでした [6]。

差がなかった項目男性型の薄毛の男性62人

休止期の毛の割合は減りましたが、髪の密度の増え方に差は出ませんでした。

抜けにくくなることと、髪が増えることは、別の結果です。この記事の答えは、抜け毛の量についてです。

02注意点

試験で使われたのは、毎日の洗髪で6か月続ける使い方でした [2]。短期間で判断せず、数か月は続けた結果で見るのが研究の条件に近い見方です。副作用については、カフェインと髪の研究9件をまとめた別のレビューが、頭皮に塗るカフェインの副作用は最小限だったと報告しています [7]。急に抜け毛が増えた、頭皮に赤みや強いかゆみがある、持病や服薬中の人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。

抜け毛の原因は人によって違う

男性型の薄毛などは、病院で受けられる治療があります。気になる抜け毛が続くときは、早めに皮膚科で相談しましょう。

03まとめ

カフェイン入りの製品は、抜け毛を減らす向きで研究がそろっています。
根拠の多くはカフェイン以外の成分も入った製品の試験なので、カフェインだけの効果とは言えません。
使うなら数か月は続けて、抜け毛の本数の変化を見ましょう。

04よくある質問

Qシャンプーと塗り置きのローション、どちらが効きますか?

研究では確かめられていません。シャンプーと塗り置きを直接比べた臨床研究は見つかっていません。

Qカフェインの濃度は高いほど効きますか?

研究では確かめられていません。レビューは、カフェイン濃度が書かれていない製品の試験が多いことを弱点に挙げています [[39997270]]。

Q髪が太くなりますか?

研究では確かめられていません。カフェインとアデノシン配合のシャンプーを使った77人の試験では、抜け毛は減りましたが、髪の太さは変わりませんでした [[38764299]]。

Q育毛シャンプー全般ではどうですか?

[育毛シャンプーで抜け毛は減る?](/evidence/hair-growth-shampoo-hair-loss)で、成分を問わずに調べた結果をまとめています。

05参照した論文

判定に使った主な論文(7本)

[1]頭皮に塗るカフェイン製品の臨床試験を集めた系統的レビュー

発表年
2025年
研究機関
ポーランド・ヤギェウォ大学
掲載誌
Healthcare (Basel, Switzerland)
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
684人
結果の向き
良い方向

9件・684人の試験すべてがカフェインに有利な結論。質は3件が中程度、1件が低く、5件が非常に低いと評価。

[2]男性型の薄毛にジメチルグリシンとカフェインのシャンプーを使った24週間の試験

発表年
2025年
研究機関
イタリア・企業の研究部門
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
154人
結果の向き
良い方向

男性154人で、6か月後に引っぱって抜ける毛が配合シャンプーで2.8本減り、プラセボは0.6本増えた。

[3]女性型の薄毛に植物エキスとカフェインのシャンプーを使った試験

発表年
2020年
研究機関
イタリア・聖心カトリック大学
掲載誌
Giornale italiano di dermatologia e venereologia : organo ufficiale, Societa italiana di dermatologia e sifilografia
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

女性で6か月後、引っぱって抜ける毛が3.1本減り、対照のシャンプーは0.5本減だった。

[4]カフェイン0.2%液とミノキシジル5%液を比べた非盲検試験

発表年
2017年
研究機関
インド・ロクマンヤ・ティラク市立総合病院
掲載誌
Skin pharmacology and physiology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
210人
結果の向き
差なし

男性210人で、6か月後の成長期の毛の割合の改善は、カフェイン10.59%、ミノキシジル11.68%。

[5]カフェインとアデノシン配合シャンプーの抜け毛への効果

発表年
2024年
研究機関
中国・天津科技大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
77人
結果の向き
良い方向

77人の使用前後の比較で抜け毛は減ったが、髪の太さは変わらなかった。対照群はなし。

[6]男性型の薄毛に化粧品のフォームを使ったランダム化試験

発表年
2022年
研究機関
ドイツ・アウクスブルク大学病院
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
62人
結果の向き
結果が割れている

男性62人で、休止期の毛の割合は基剤だけより大きく減ったが、髪の密度の増え方に差はなかった。

[7]カフェインと髪に関する系統的レビュー

発表年
2025年
研究機関
Ly Nほかの研究チーム
掲載誌
Journal of drugs in dermatology : JDD
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究9件を統合
結果の向き
良い方向

研究9件のまとめで、頭皮に塗るカフェインは一貫して髪の成長か抜け毛の減少を示し、副作用は最小限だった。

ほかに参考にした論文(4本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。