[1]ヒトの髪の成長にみられる季節変化
- 発表年
- 1991年
- 研究機関
- イギリス・ブラッドフォード大学
- 掲載誌
- The British journal of dermatology
- 研究の種類
- その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
- 対象
- 14人
- 結果の向き
- 悪い方向
健康な男性14人を追跡し、抜け毛は晩夏〜初秋に最も多く、毎日約60本だった。

本当です。夏の終わりから秋に、抜け毛は増える時期と関連しています。
毛根の検査や本数を調べた海外の研究の話です。
秋の抜け毛は、季節の周期に沿った動きと関連しています。洗髪やブラッシングで本数が増えても、まず冬に向けて落ち着くかを数か月見るのが研究に沿った見方です。抜け毛が長く続く、地肌が目立ってきた、という場合は皮膚科で相談を。栄養面は 抜け毛に役立つ栄養素はどれ? も参考になります。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 20 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 12.8 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 3 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 60.8 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 61 点です。 判定に使った研究は、その他のヒトの研究 3 本・観察研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
髪は、伸びる時期(成長期)と、抜ける準備に入る時期(休止期)をくり返しています。休止期の毛が多い時期は、抜け毛も増えます。毛根を調べる検査(毛根検査)で、休止期の毛の割合を測れます。世間では、秋に抜け毛が増えるとよく言われています。ここは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、イギリスのブラッドフォード大学の研究チームが1991年に発表した観察研究です [1]。観察研究とは、人に何かを割り当てず、ふだんの状態を追って測る方法です。屋内勤務の18〜39歳の男性14人が、28日ごとに18か月測定されました。
| 研究の種類 | 健康な男性を追跡した観察研究 |
|---|---|
| 対象 | 英国の屋内勤務の18〜39歳の男性14人 |
| 比べたもの | 季節ごとの成長期の毛の割合と抜け毛の本数 |
| 結果 | 成長期の毛の割合は春先に最も高く、晩夏〜初秋に最も低かった |
成長期の毛の割合は、春先に90%超で最も高くなっていました [1]。
同じ向きの結果は、ほかの研究でも出ています。
5本はいずれも、夏〜秋の時期に休止期の毛や抜け毛が多いという向きでそろっています。根拠の確かさは低めです。研究が小規模だったり、過去の記録を振り返った解析だったりするためで、日本人を対象にした研究も見つかっていません。
ピークの月は研究で少し違います。イギリスの研究は晩夏〜初秋、スイスの研究は夏で、春にも小さな山がありました。対象者の国や、測り方(毛根検査・写真・洗髪時の本数)も研究ごとに違います。「秋にだけ」増えるというより、夏の終わりから秋にかけて多い、と読むのが正確です。
休止期の割合は夏が最も高く、春にも小さな山が見られました。
研究の対象は、健康な男性や、抜け毛を訴えるが病気や薬の影響のない女性です [2]。病気や薬が原因の脱毛、円形脱毛症、男性型脱毛症は、季節の変動とは別の話で、この研究では扱っていません。
数か月たっても減らない、地肌が目立ってきた、一部だけ抜けるといった場合は、皮膚科で相談してください。
夏の終わりから秋に抜け毛が増えるのは、研究の結果と合っています。
日本人のデータはなく、根拠の確かさは低めなので、時期や本数は目安として受け止めてください。
数か月たっても落ち着かないときは、早めに皮膚科へ。
研究では、休止期の毛の割合が夏〜初秋に最も高く、晩冬に最も低くなりました [[19407435]]。月ごとの正確な範囲は研究で少し違い、日本人での測定は見つかっていません。
研究では確かめられていません。夏〜秋に増えるという季節の関連が測られたのみで、紫外線や汗の影響を調べた研究は見つかっていません。
正常な本数の基準を決めた研究は見つかっていません。参考として、晩夏の男性 14 人では毎日約60本でした [[2003996]]。抜け毛を訴える女性の洗髪テストの中央値は、季節を問わない値で122本でした [[9031784]]。
休止期の割合が晩冬に最も低くなることは確かめられています [[19407435]]。抜けた分が生えそろうところまで確かめた研究は見つかっていません。
健康な男性14人を追跡し、抜け毛は晩夏〜初秋に最も多く、毎日約60本だった。
女性823人の毛根検査で、休止期の毛の割合は夏に最も高く、晩冬に最も低かった。
男性10人を8〜14年写真で記録し、休止期の割合は夏の終わり〜秋の初めに最も高かった。
毛根検査514件で、休止期の割合は夏が平均20%、冬が16%だった。
女性234人で、洗髪時の本数と休止期の割合はどちらも秋に増えた。
判定「悪い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。