眉毛美容液で眉毛は濃くなる?

眉毛美容液で眉毛は濃くなる?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

医薬品成分のビマトプロストなら、眉毛の密度と太さが増えます。

根拠

眉毛が薄い人を対象にした比較試験3本で、ビマトプロスト(まつ毛用の医薬品成分)を眉毛に塗ると、基剤より眉毛の密度・太さ・見た目が良くなりました [1] [2] [3]。ミノキシジル2%も、40人の試験で基剤より良い結果でした [4]。化粧品の眉毛美容液を眉毛で調べた試験は見つかっていません。根拠の確かさは低めです。試験は20人や40人など小規模で、数も少ないためです。

この答えの範囲

眉毛が薄い成人に、医薬品成分を使った試験の話です。化粧品の眉毛美容液に効果があるかは、この研究からは言えません。

じゃあ、どうする?

化粧品の眉毛美容液には、眉毛を濃くする研究の裏づけがありません。ハリやうるおい目的と割り切るのが現実的です。選ぶ条件は次の3つです。

  • 化粧品か医薬品かの区分を、表示で確かめる
  • 「生える」「濃くなる」と言い切る商品は、根拠を確かめる
  • 眉毛を濃くしたいなら、皮膚科で医薬品成分を相談する
    まつ毛用の医薬品を、自己判断で眉毛に使うのは避けましょう。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。10 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3440いちばん信頼できる研究の種類
研究の量8.520研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ610最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 73.5 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

眉毛美容液とは

眉毛美容液は、眉毛とそのまわりの肌を整える化粧品として売られています。保湿成分などが配合され、ハリやコシを与えるとされます。一方、ビマトプロスト(もとは緑内障の目薬の成分で、まつ毛用の医薬品にも使われる)やミノキシジル(発毛剤の成分)は医薬品の成分で、化粧品とは別のものです。眉毛の研究があるのは、後者の医薬品成分です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

日本で承認されているビマトプロストの医薬品の効能は、睫毛貧毛症(まつ毛の薄さ)で、塗る場所は上まぶたのまつ毛の根元と決められています。眉毛への使用は、この効能に含まれていません。

答えの中心は、タイのマヒドン大学などの研究チームが2019年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、くじ引きで2つのグループに分け、薬と基剤(有効成分の入っていない塗り薬)を比べる方法です。

研究の種類二重盲検のランダム化比較試験
対象眉毛が薄い40人
比べたものビマトプロスト0.01%と基剤を、6か月塗る
結果基剤より、眉毛の密度と1本の太さが増えた
試験の結果ビマトプロスト0.01%を6か月塗ると、基剤より眉毛の密度と1本の太さが増えました [1]。

副作用は少なく、両グループで同程度でした。

ほかの2本の試験も、同じ向きです。眉毛が薄い20人にビマトプロスト0.03%を毎日9か月塗った試験では、基剤より眉毛の見た目が目に見えて良くなり、副作用は見られませんでした [3]。大人の男女を対象にした多施設の試験では、7か月後に改善した人の割合が基剤より多くなりました。濃さは1か月目、量は2か月目から差が出ています [2]。

よく言われていることは本当?

  • 眉毛美容液を塗ると眉毛が濃く・太くなる研究が足りません。 眉毛で試験があるのは医薬品成分だけで、化粧品の美容液を眉毛で調べた研究は見つかっていません。
  • ハリ・コシを与え、今ある眉毛を抜けにくくする研究が足りません。 化粧品で抜け毛やハリを測った研究は見つかっていません。
  • 保湿成分で眉毛と皮膚を乾燥や刺激から守る研究が足りません。 眉毛の保湿を調べた研究は見つかっていません。
  • まつ毛美容液を眉毛に使っても濃くなる研究が足りません。 ビマトプロストの眉毛の試験はありますが、医薬品の試験です。化粧品のまつ毛用ジェルは、まつ毛で40人の試験があるだけです [5]。
  • 発毛剤(ミノキシジル)を眉毛に使うと生える効きます。 ミノキシジル2%のローションを16週塗った40人の試験で、基剤より眉毛の太さ・本数・見た目が良くなりました [4]。根拠の確かさは低めです。1本の試験が中心のためです。
  • 育毛剤(医薬部外品)は新しい毛を生やさない研究が足りません。 眉毛で医薬部外品の育毛剤を調べた研究は見つかっていません。

なぜ化粧品では言えないのか

眉毛を濃くした試験は、どれも医薬品として作られた成分と、基剤を比べています。化粧品の美容液は成分も量も商品ごとに違い、同じ成分でも眉毛で試した研究がありません。ビマトプロストは、まつ毛が長くなる原因の系統的レビューで、最も多い原因とされた成分です [6]。毛を伸ばす力がある成分だと考えられていますが、眉毛でのしくみは確かめられていません。

成分ごとの違い

  • ビマトプロスト0.01%と0.03%:眉毛が薄い30人で左右の眉に塗り分けると、どちらも密度と太さが増え、濃度の間に差はありませんでした [7]。
  • ミノキシジル2%:眉毛が薄い60人で、ビマトプロスト0.03%・0.01%と比べると、3つの間に差はありませんでした。偽薬との比較ではありません [8]。
  • 頭髪・まつ毛・眉毛を対象にした6本の試験のメタ解析では、ビマトプロストなどの塗り薬が、毛の長さと密度を改善し、副作用に差はありませんでした。眉毛だけの結果ではありません [9]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

まつ毛の試験では、副作用がはっきり出ています。ビマトプロストのジェルは、目やまぶたの充血が最も多く、重いものでは前部ぶどう膜炎の再発もありました [10]。眉毛の試験では副作用は少なかったものの、まつ毛に近い場所に塗ると目への影響が出ることがあります。

副作用が多かった試験まつ毛のために、目の病気のない52人がビマトプロスト0.03%のジェルを塗った試験です。

眉毛ではなくまつ毛の研究で、目やまぶたの充血が最も多い副作用でした。

02注意点

研究の対象は眉毛が薄い成人で、使った期間は6か月から9か月、濃度は0.01%から0.03%でした [1] [3]。やめた後にどうなるかは、ここで示した試験では確かめていません。ビマトプロストやミノキシジルは医薬品の成分なので、使うときは皮膚科の医師に相談してください。目の病気がある人、妊娠中や授乳中の人、服薬中の人は、特に医師や薬剤師に確認しましょう。まつ毛への使い方はまつ毛美容液でまつ毛は伸びる?も参考になります。

医薬品成分は、自己判断で眉毛に使わない

日本で承認された効能はまつ毛の薄さで、眉毛は含まれません。

03まとめ

眉毛を濃くする研究があるのは、医薬品成分のビマトプロストとミノキシジルです。
化粧品の眉毛美容液は、眉毛で調べた研究が見つかっていません。
濃くしたいときは、皮膚科で相談してから始めましょう。

04よくある質問

Q眉毛美容液は買っても無駄ですか?

化粧品の眉毛美容液で、眉毛を濃くする効果を調べた研究は見つかっていません。ハリやうるおいを整える目的なら、使うのは自由です。濃くする効果を期待するなら、皮膚科での相談が近道です。

Qまつ毛美容液を眉毛に塗ってもいいですか?

化粧品のまつ毛美容液を眉毛に使った研究は、見つかっていません。医薬品のまつ毛用を眉毛に使うのも、日本で承認された使い方ではありません。まつ毛の話は[まつ毛美容液でまつ毛は伸びる?](/evidence/eyelash-growth-serum)で解説しています。

Q眉毛はどの部分から濃くなりますか?

ビマトプロスト0.01%を使った48人の記録の振り返りでは、眉尻がもともと最も薄く、密度の変化は4週目から眉尻で見られました [[31541563]]。観察記録なので、参考程度に読んでください。

05参照した論文

判定に使った主な論文(10本)

[1]眉毛が薄い人にビマトプロスト0.01%を塗る二重盲検試験

発表年
2019年
研究機関
タイ・マヒドン大学
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
40人
結果の向き
良い方向

眉毛が薄い40人で、ビマトプロスト0.01%を6か月塗ると、基剤より眉毛の密度と1本の太さが増えた。

[2]ビマトプロスト0.03%による眉毛の薄さの治療

発表年
2016年
研究機関
カナダ・クリニカル・リサーチ (バンクーバー)
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

眉毛が薄い成人で、7か月塗ると基剤より眉毛の濃さが改善した人の割合が多かった。

[3]ビマトプロストによる眉毛の薄さの治療の予備試験

発表年
2013年
研究機関
アメリカ・ケネス・ビア皮膚科クリニック
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
20人
結果の向き
良い方向

眉毛が薄い20人で、ビマトプロスト0.03%を毎日9か月塗ると、基剤より眉毛の見た目が良くなった。

[4]眉毛を濃くするミノキシジル2%ローションの試験

発表年
2014年
研究機関
タイ・メーファールアン大学
掲載誌
The Journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
40人
結果の向き
良い方向

眉毛を濃くしたい40人で、ミノキシジル2%を16週塗ると、偽薬より太さ・本数・満足度が良かった。

[5]プロスタグランジンに似た成分入りの化粧品ジェルの比較試験

発表年
2019年
研究機関
イタリア・ナポリ大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

まつ毛が薄い女性40人で、化粧品のまつ毛用ジェルは基剤よりまつ毛を長くした。

[6]まつ毛が長くなる原因を調べた系統的レビュー

発表年
2022年
研究機関
アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校
掲載誌
Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology : JEADV
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

まつ毛が長くなる原因で最も多いのは、ビマトプロストの塗り薬だった。

[7]ビマトプロスト0.01%と0.03%の比較試験

発表年
2020年
研究機関
タイ・マヒドン大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

眉毛が薄い30人で、左右の眉に塗り分けると、どちらも密度と太さが増え、濃度の間に差はなかった。

[8]ミノキシジルとビマトプロストの比較試験

発表年
2023年
研究機関
エジプト・アズハル大学
掲載誌
Archives of dermatological research
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

眉毛が薄い60人で、3つの塗り薬のどれでも評価が良くなり、3つの間に差はなかった。

[9]脱毛へのプロスタグランジン系塗り薬のメタ解析

発表年
2023年
研究機関
中国・華中科技大学
掲載誌
Frontiers in medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

頭髪・まつ毛・眉毛の脱毛を対象にしたメタ解析で、毛の長さと密度が改善し、副作用に差はなかった。

[10]ビマトプロストのジェルがまつ毛の長さに与える影響の試験

発表年
2010年
研究機関
アメリカ・デューク大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
悪い方向

目の病気のない52人で、まつ毛は伸びたが、目やまぶたの充血などの副作用が多かった。

ほかに参考にした論文(3本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。