[1]心の対比と実行意図が目標の達成に与える効果のメタ解析
- 発表年
- 2021年
- 研究機関
- 中国・東北師範大学
- 掲載誌
- Frontiers in psychology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 15,907人
- 結果の向き
- 良い方向
21件の研究・15,907人をまとめ、目標の達成に小〜中程度の差を報告した。

決めたことの実行と関連しています。運動の研究では、やる気と自信がある人に向くと報告されています。
気持ちはあるのに動けない人の話です。目標の達成は関連の話で、勉強は小さな試験が中心です。
やる気が出るのを待たず、「夕食の後に、自分の机で、問題集を1ページ解く」のように、時間・場所・行動を1文で決めて、目につく所に書いておきましょう。そもそも気が進まない目標なら、先に「なぜやるか」を見直すほうが先です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 24 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 20 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 79 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 79 点です。 判定に使った研究は、観察研究 4 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
実行意図(if-thenプランニング)は、「もし◯◯の場面になったら、△△をする」と、時間・場所・行動を先に決めておく方法です。心理学で使われてきた手法で、運動や勉強、服薬の続けやすさなどが調べられています。決めるのは「なぜやるか」ではなく「いつやるか」です。注意点は、やる気そのものを増やす方法ではないことです。
答えの中心は、中国の東北師範大学などの研究チームが2021年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果を統計でまとめる方法です。願いと障害を思い浮かべてから if-then の計画を立てる方法(MCII)を調べた21件の研究がまとめられました。
| 研究の種類 | 目標の達成への効果を調べたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 目標の達成を調べた研究の参加者(21件・15,907人) |
| 比べたもの | 願いと障害を思い浮かべて if-then の計画を立てる方法と、そうでない場合 |
| 結果 | 目標の達成に小〜中程度の差(g = 0.336) |
実験者と対面でやりとりする形(g = 0.465)のほうが、書面だけの形(g = 0.277)より差が大きくなりました。
出版バイアス(良い結果の研究ほど発表されやすい偏り)があり、実際の差は報告よりもう少し小さいと考えられます。それでも、向きは研究どうしでそろっています。
運動では、一般の人を対象にしたランダム化試験41件・5,439人を集めたレビューがあり、そのうち35件をメタ解析しています。計画を立てた人は、立てなかった人より運動量が多くなりました(SMD = 0.35)[2]。行動計画を使ったとき、対面で行ったとき、追跡中に計画を思い出させたときに、効果が大きくなりました。
勉強では、小さな試験が3本あります。研修医34人の試験では、WOOP(願い・結果・障害・計画の順に考える方法)を使ったグループの目標の勉強時間が、中央値4.3時間でした。目標を決めただけのグループは1.5時間でした [4]。大学生58人の試験でも、4週間後の勉強時間を増やす目標の達成度が高くなりました [5]。勉強は、参加者が少人数の試験が中心で、メタ解析はありません。
ここが、いちばん読者の疑問に近い点です。運動の24件の系統的レビューでは、実行意図は、もともと運動したい気持ちがあり、自分はできるという自信が強い人に向く、とまとめられています [3]。
研究が示しているのは、「気持ちがあるのに動けない」状態を、段取りで埋める働きです。気持ちがまったく無い人に効くかどうかは、確かめられていません。
結果の向きは、対象を変えても同じでした。
目標の達成に小〜中程度の差がありました(g = 0.31)[6]。
目標の達成に大きな差がありました(d+ = 0.99)。とび抜けて大きい効果の1件を除いた結果です [7]。
効果を調べた研究の多くは、実験者と対面でやりとりする形でした。書面だけだと、差は小さくなっていました [1]。計画は、一つの場面と一つの行動を結びつけるものなので、その場でできない行動を決めても役に立ちません。目標の達成の結果は、まとめた研究が無作為化されていたかを要旨から確かめられないため、因果までは言えません。持病の治療や服薬に関わる計画を立てるときは、医師や薬剤師に確認してください。
「毎日2時間勉強する」より、「帰宅して夕食を食べたら、机で問題集を開く」のように、場面と行動を具体的に決めましょう。
「いつ・どこで・どうするか」を決めることは、決めたことの実行と関連しています。運動では実行が増えます。
向くのは、気持ちはあるのに動けない人です。やる気がまったく無い人への効果は、確かめられていません。
今日やりたいことを1つ選び、時間・場所・行動を1文にして書き出してみましょう。集中できないときの方法は勉強に集中できないときに効く方法は?も参考になります。
運動のメタ解析では、追跡中に計画を思い出させた場合に効果が大きくなりました [[35742582]]。決めた文を目につく所に貼り、守れなかった日は、時間か場所を現実に合う形に直しましょう。
研究で使われた形は、時間・場所・行動を具体的に決める文です。例として、「朝食の後にリビングで、英単語を10個見る」のようにします。この例の細かい文面そのものを比べた研究はありません。
子どものメタ解析では目標の達成に小〜中程度の差がありました [[41784001]]。高齢者では、決めた行動を思い出して実行する力に、中〜大程度の差が報告されています [[25639373]]。
気持ちがまったく無い人への効果は、研究では確かめられていません。その場合は、実行意図の前に、その目標を本当にやりたいかを見直すほうが先です。
21件の研究・15,907人をまとめ、目標の達成に小〜中程度の差を報告した。
RCT 41件・5,439人で、計画を立てた人の運動量が多かった。
24件の研究で、もともと運動したい気持ちと自信が強い人に効きやすかった。
研修医34人の試験で、目標の勉強時間が中央値4.3時間対1.5時間だった。
大学生58人の試験で、勉強の目標の達成度が高かった。
子ども12,957人のメタ解析で、目標の達成に小〜中程度の差を報告した。
心の不調がある人1,636人の実験で、目標の達成に大きな差を報告した。
健康な若い大人で、決めた行動を思い出して実行する力が中程度に高まった。
判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。