[1]フィナステリドの薄毛への効果と安全性を調べたレビュー
- 発表年
- 2010年
- 研究機関
- アルゼンチン・アレマン病院
- 掲載誌
- Archives of dermatology
- 研究の種類
- システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
- 対象
- 3,927人
- 結果の向き
- 良い方向
12件・3927人のまとめで、長期の髪の本数の増え方がプラセボより平均24.3%大きかった。

10年続けた調査でも効いています。日本人532人で、改善した人は91.5%でした。
男性型の薄毛の成人男性の話です。20〜30歳の42.8%は10年後も改善せず [5]、改善のあとに再び進んだ人もいます。
飲み続けている間は、5年・10年と効果が続く人が多いと分かっています。長期の副作用は日本の調査で6.8%と少ない一方 [6]、性機能の不調が気になるときは処方した医師に早めに相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.5 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 92.5 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、その他のヒトの研究 3 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から B に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
フィナステリドは、男性型の薄毛(AGA)に使われる飲み薬です。薄毛の原因になる男性ホルモンの一種が頭皮でできるのを抑えるとされ、医師の処方が必要な医薬品です。同じ成分のジェネリック薬もあります。注意点は、女性、とくに妊娠中の女性は使えないことと、性機能の不調が報告されていることです。
答えの中心は、アルゼンチンのアレマン病院などの研究チームが2010年に発表した系統的レビューです [1]。系統的レビューとは、決めた手順で研究を集め、結果を整理する方法です。フィナステリドの飲み薬とプラセボを比べた試験12件・3927人がまとめられました。
| 研究の種類 | プラセボと比べた試験の系統的レビュー |
|---|---|
| 対象 | 男性型の薄毛の男性(12件・3927人) |
| 比べたもの | フィナステリドの飲み薬とプラセボ |
| 結果 | 長期では、髪の本数の増え方がプラセボより平均24.3%大きかった |
短期の9.42%より差が広がっていました。
プラセボと比べた試験で最も長いのは5年間のものです。フィナステリドでは髪の改善が続き、プラセボでは薄毛が進みました [7]。同じ試験の写真を分析し直すと、5年間で見た目に分かる薄毛の進行が起こる可能性は、プラセボより93%低くなっていました [8]。
それより長い話は、飲み続けた人を追った調査が中心です。比べる相手がいないため、薬のおかげとまでは言い切れません。
数字は、対象者と判定の基準が研究ごとに違うため、横並びでは比べられません。日本の5年の調査では、903人のうち5年後に評価できたのは801人で、残りは数字に入っていません [2]。
改善した人が9割前後でも、全員ではありません。20〜30歳の42.8%は、10年後も改善しませんでした [5]。日本の5年の調査では、40歳以上で始めた人や薄毛が進んでいた人ほど、効果が小さくなっています [2]。
大学病院2か所のカルテと写真をさかのぼって調べた、比べる相手のいない研究です。
副作用は、長期の調査では少なめです。10年の観察で副作用を訴えた人は6%でした [5]。一方、飲むのをやめた男性で性機能の不調と診断される割合が高かった、という医療保険の記録の分析もあり、注意は必要です [11]。2年以上治療を続けた130人の調査では、ミノキシジルと併用した人に勃起の不調3%、性欲の低下4%、射精量の減少7%がありました [12]。どれもプラセボと比べた調査ではなく、薬が原因かは分かりません。持病や服薬がある人、副作用が気になる人は、医師や薬剤師に確認してください。
気になる症状は、自己判断でやめる前に、処方した医師に伝えてください。
5年・10年の調査で、飲み続けた人の9割前後は髪が改善していました。
20〜30歳でも改善しない人や、改善のあとに再び進む人がいるので、自分の経過は写真で残して確かめましょう。
副作用が気になったら、やめる前に医師へ相談しましょう。
18〜41歳の男性の試験では、頭頂部の髪がプラセボより1年で107本、2年で138本多く、2年目のほうが差が大きくなりました [[9777765]]。何か月で実感できるかは、確かめられていません。
やめた人の髪の経過を調べた研究は見つかっていません。プラセボを飲んだ群では5年間で薄毛が進んでいますが [[11809594]]、やめた人を追ったものではありません。
イタリアの10年の観察では、効果は年数がたっても落ちませんでした [[21910805]]。ただし、韓国の調査では改善のあとに再び進んだ人が、頭頂部10.3%、前頭部16.2%いました [[30536893]]。
12件・3927人のまとめで、長期の髪の本数の増え方がプラセボより平均24.3%大きかった。
5年間で改善した人は99.4%。40歳以上で始めた人や薄毛が進んでいた人ほど効果が小さかった。
5年以上飲んだ126人のうち108人(85.7%)が5年後に改善していた。
10年間飲んだ日本人男性532人で、改善した人が91.5%、進行を防げた人が99.1%だった。
118人を10年観察し、効果は落ちなかった。20〜30歳の42.8%は10年後も改善しなかった。
日本の3つの調査で改善した人は87.1%、99.4%、91.5%。副作用は2.5年で0.7%、10年で6.8%だった。
5年間で、フィナステリドでは髪の改善が続き、プラセボでは薄毛が進んだ。
5年間で見た目に分かる薄毛の進行が起こる可能性が、プラセボより93%低かった。
日本人男性2561人で、髪が増えた人は87.1%で、飲む期間が長いほど効いた人の割合が高かった
1553人の試験で、頭頂部の髪がプラセボより1年で107本、2年で138本多かった。
やめた男性1390人は、胃薬の利用者より性機能の不調と診断される割合が1.62倍だった。
2年以上治療した130人で、併用した人に勃起の不調3%、性欲の低下4%、射精量の減少7%があった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。