[1]切った果物と丸ごとの果物の、保存中の品質と栄養の変化
- 発表年
- 2006年
- 研究機関
- スペイン・CEBAS-CSIC(国立研究評議会)
- 掲載誌
- Journal of agricultural and food chemistry
- 研究の種類
- その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
- 対象
- —
- 結果の向き
- 悪い方向
切った果物を5℃で6日保存すると、ビタミンCの減りはマンゴー・イチゴ・スイカで5%以下、カンタロープで25%だった。

半分本当です。冷蔵した切り身なら、数日たってもビタミンCの多くが残ります。しぼった果汁は速く減ります。
どれも食品を測った実験で、人を対象にした試験ではありません。レモンの切り身を時間ごとに測った研究は見つかっておらず、果汁やほかの果物からの読み取りです。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 10 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 5.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 46.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 46 点です。 判定に使った研究は、その他のヒトの研究 5 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ビタミンCは、野菜や果物に含まれる水に溶けるビタミンです。皮膚や血管の材料になるコラーゲンづくりにかかわり、酸化を防ぐ働きがあるとされます。レモンやキウイなどの果物、ブロッコリーなどの野菜に多く含まれます。水や熱、空気に弱く、調理や保存で減りやすいのが特徴です。
答えの中心は、スペインの国立研究評議会(CEBAS-CSIC)などの研究チームが2006年に発表した、切った果物の分析実験です [1]。
| 研究の種類 | 切った果物を冷蔵で保存して成分を測った食品の分析実験 |
|---|---|
| 対象 | パイナップル・マンゴー・カンタロープ(メロンの仲間)・スイカ・イチゴ・キウイ |
| 比べたもの | 5℃で保存した日数 |
| 結果 | 6日後のビタミンCの減りは、マンゴー・イチゴ・スイカで5%以下、パイナップル10%、キウイ12%、カンタロープ25% |
著者は、切った果物は栄養が目立って減る前に見た目が傷むとまとめています [1]。
一方、果汁は速く減ります。トルコのエゲ大学が2020年に発表した実験では、しぼった柑橘4種の果汁を4時間置き、ビタミンCが半分になるまでの時間を予測しました [3]。
タンジェリン(ミカンの仲間)は約138分(約2時間18分)から、オレンジは約366分(約6時間)から、ライムは約540分(約9時間)から半分になる予測です。
しぼったレモン果汁を3週間置くと、100mLあたり38.50mgから約22mgになりました [6]。
これらは食品を測った実験で、人が食べて体のビタミンCがどうなるかを調べた試験ではありません。条件も、果物を5℃で6日、果汁を4時間、レモン果汁を3週間と、実験ごとに違います。レモンの切り身を時間ごとに測った研究は、今回は見つかっていません。ビタミンC以外の成分は、食品で違います。カロテノイド(体内でビタミンAになる成分を含む色素)は、切った果物を5℃で6日置くと、キウイとスイカでは減らず、パイナップルで25%減りました [1]。持病や食事の制限がある人は、医師や管理栄養士に相談してください。
切ったら冷蔵庫に入れ、野菜はゆでずに蒸すか電子レンジを選ぶと、ビタミンCは残りやすい傾向があります。
切った果物のビタミンCは、冷蔵すれば数日は多くが残ります。
果汁は速く減り、野菜はゆでると減るので、置き方と調理のしかたで差が出ます。
切ったら冷蔵庫へ、果汁は早めに、野菜は蒸すか電子レンジを選びましょう。
30分で大きく減るという結果は、研究では確かめられていません。しぼった果汁でも、半分になるのは約105分(約1時間45分)以降の予測です [[32556050]]。
栄養の面では、5℃で6日置いても、6種のうち5種でビタミンCの減りは12%以下でした [[16756358]]。衛生面の日持ちは、この研究では調べられていません。
減りにくい傾向はありますが、減らないとは言えません。ブロッコリーは蒸して22%減り [[17995854]]、ウガンダの葉物野菜では、蒸しても最大99%減りました [[35097106]]。
切った果物を5℃で6日保存すると、ビタミンCの減りはマンゴー・イチゴ・スイカで5%以下、カンタロープで25%だった。
切った果物は、冷蔵すると20℃で置くよりビタミンCの減る速さがはっきり遅かった。
柑橘4種の果汁を4時間置いた実験で、ビタミンCが半分になるまでの予測時間は、グレープフルーツがいちばん短かった。
ブロッコリーはゆでるとビタミンCが34%、蒸すと22%減ったが、電子レンジなどでは90%以上が残った。
紫キャベツは蒸したときにビタミンCがはっきり多く残り、炒める・ゆでるではっきり減った。
レモン果汁のビタミンCは、100mLあたり38.50mgから最初の3週間で約22mgに減り、12週間後は約15mgだった。
果物・野菜の加工と保存でビタミンCが減る主な原因は、温度と酸素だとまとめた総説。
切ったマンゴー4品種を最大12日保存すると、ビタミンCは10℃より5℃のほうがよく残った。
切ったイチゴを5〜20℃で保存した実験で、温度が高いほどビタミンCが減りやすかった。
サツマイモを輪切りや扇形に切って4℃で6日保存しても、ビタミンCの量は丸ごととはっきりした差はなかった。
ブロッコリーの房を2つに切ると、切った直後にビタミンCが35%増え、その後の保存でも変わらなかった。
切ったほうれん草をゆでると、ビタミンCの60%がゆで汁に出た。
葉物野菜を10分ゆでる・蒸すと、ビタミンCは最大99%減った。
冷凍と生のまま冷蔵で比べると、ビタミンCは8品目のうち5品目で差がなく、3品目では冷凍のほうが多かった。
ラズベリーを-20℃で12か月冷凍保存すると、ビタミンCは33〜55%減った。
開封して4℃で置いた市販のオレンジジュースは、還元型ビタミンCが毎日約2%ずつ減った。
判定「悪い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。