ビタミンEを飲むと肌に良い?

ビタミンEを飲むと肌に良い?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効かない

アトピーの重さが下がります。日焼けは、ビタミンEだけでは防げず、Cと一緒なら赤くなりにくくなります。

根拠

湿疹の患者を対象にしたビタミン補充の試験をまとめた解析で、ビタミンEを飲んだ人は湿疹の重さの点数が対照より平均5.72点低くなりました [1]。日焼けは、ビタミンEだけを6か月飲んでも赤みが防げませんでしたが [2]、ビタミンCと一緒に飲むと、赤くなるのに必要な紫外線の量が増えました [3]。根拠の確かさは低めです。研究の数が少なく、アトピーの差もぎりぎりのためです。

この答えの範囲

アトピーは、診断を受けた人の湿疹の重さの話です。コクランのレビューは、サプリ全般に説得力のある証拠は無いとしています。

じゃあ、どうする?

アトピーがある人は、サプリを足す前に皮膚科で相談しましょう。日焼け対策では、ビタミンCと一緒に飲む試験で効果が見られています。ただし使われた量はサプリでも多めなので、飲む前に医師や薬剤師に確認してください。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。10 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 63 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3240いちばん信頼できる研究の種類
研究の量3.220研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ310最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 63.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 63 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

ビタミンEとは

ビタミンEは、脂に溶ける性質のビタミンで、細胞を酸化から守る抗酸化の働きがあるとされています。ナッツや植物油などの食品に含まれ、サプリでも売られています。肌の老化を防ぐ、血行を良くするとも言われますが、飲んだ場合を人で確かめた研究は限られています。この記事は、塗る場合ではなく飲む場合の話です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

よく言われていることは本当?

  • 紫外線から肌を守り、日焼けしにくくなるビタミンEだけでは効きません。 1日400 IUを6か月飲んでも、紫外線への反応はプラセボと差がありませんでした [2]。
  • ビタミンCと一緒にとると抗酸化の働きが高まる日焼けの赤みには効きます。 8日間の試験で、赤くなるのに必要な紫外線の量が増えました [3]。根拠の確かさは低めです。
  • 肌荒れ・アトピーなど肌の炎症を抑えるアトピーの湿疹の重さには効きます。 ただし差はぎりぎりです [1]。
  • 血行を良くして、くすみを改善する研究が見つかっていません。 飲んで肌の血色を測った比較試験がありませんでした。
  • シミ・そばかすを防ぐ研究が見つかっていません。 ビタミンE単独の試験は無く、ビタミンCなどとの配合でしか調べられていません。
  • シワ・ハリを防ぐ研究が見つかっていません。 ビタミンE単独の人の試験は無く、混合サプリの試験では効果を分けられません。
  • 肌の潤い・乾燥対策になる研究が見つかっていません。 ほかの成分と合わせた試験だけで、ビタミンEの効果は分けられません。

アトピーの重さは下がる

答えの中心は、中国の重慶医科大学などの研究チームが2019年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の比較試験の結果を統合して数値で整理する方法です。

研究の種類ランダム化比較試験のメタ解析
対象湿疹(アトピー性皮膚炎)の患者。ビタミンD・E・B12の試験8件・456人
比べたものビタミンのサプリと対照
結果ビタミンEは、湿疹の重さの点数が平均5.72点低かった
まとめて分析した結果ビタミンEを飲んだ人は、湿疹の重さの点数(SCORAD または EASI)が対照より平均5.72点低くなりました。

信頼区間は-11.41から-0.03で、差はかろうじて有意です [1]。

個別の試験でも、同じ向きの結果が出ています。アトピーの患者45人を4グループに分けた試験では、ビタミンE 600 IUを60日間飲んだグループで点数が35.7%下がりました [4]。96人が天然型のビタミンE 400 IUを8か月飲んだ試験では、ビタミンE群50人のうち23人が大きく改善し、プラセボ群は46人中1人でした。ただし評価は本人の質問票です [5]。

なお、アトピーの人は、そうでない人より血液中のビタミンEの値が低いという関連も、20件の研究のメタ解析で報告されています [6]。これは飲んだ効果ではなく、値の違いを見た研究です。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

セレンとビタミンE 600 IUを12週間飲んだ試験では、湿疹の重さにプラセボとの差がありませんでした [7]。コクランのレビューは、11件・596人を調べ、湿疹にサプリが効くという説得力のある証拠は無いと結論しています [8]。ビタミンEは、それぞれ単独の試験でしか調べられていません。アトピーの結果は、差がぎりぎりで、評価が割れていると読むのが正確です。

差がなかった試験アトピーの大人60人(セレンとビタミンE 600 IUを12週間)

セレンだけのグループ、プラセボと、湿疹の重さに差はありませんでした。

日焼けには、ビタミンE単独は効かない

日焼けの赤みは、赤くなるのに必要な紫外線の量で測られます。量が増えれば、赤くなりにくいことを意味します。

  • ビタミンE単独: 健康な大人が400 IUを毎日6か月飲んでも、紫外線への反応や日焼けした細胞の数はプラセボと差がありませんでした [2]。ビタミンE 2 gを50日間飲んだ試験でも、有意な変化はありませんでした [9]。
  • ビタミンCと一緒: ビタミンE 2 gとビタミンC 3 gを50日間飲んだグループは、赤くなる紫外線の量が103から183 mJ/cm2に増えました。一方のビタミンだけのグループでは変化がありませんでした [9]。
  • ビタミンC 2 gとE 1000 IUを8日間飲んだ人は、中央値が80から96.5 mJ/cm2に上がり、プラセボの人は68.5に下がりました [3]。

同じ方向の結果は、45人が1週間飲んだ別の試験でも出ていますが、プラセボ群の無い試験です [10]。併用の試験は小規模で、使われた量もサプリとしては多めです。根拠の確かさは低めです。研究の数が少なく、期間の短い試験が中心のためです。

02注意点

研究で使われた量は、日焼けの試験でビタミンE 2 gなど、食事でとる量よりかなり多いものがあります。安全性は、この記事で紹介した研究からは言えません。アトピーで皮膚科にかかっている人、持病や服薬のある人、妊娠中の人は、サプリを始める前に医師や薬剤師に確認してください。

飲むことが、日焼け止めの代わりになるわけではありません

日焼けの試験は、赤みが出る紫外線の量を測ったもので、日常の紫外線対策の効果を確かめたものではありません。

03まとめ

ビタミンEを飲むと、アトピーの湿疹の重さは下がります。日焼けはCと一緒に飲む試験で効いています。
しわ・潤い・くすみ・シミは、ビタミンE単独の研究が見つかっていません。
アトピーなら皮膚科に相談し、日焼けはビタミンE単独に頼らないようにしましょう。

04よくある質問

Q塗るビタミンEと、飲むビタミンEは同じ効果ですか?

この記事の研究は、飲んだ場合だけを調べています。塗った場合の効果は、ここでは確かめていません。

QビタミンEを飲めば、日焼け止めはいらないですか?

飲むことで日焼け止めの代わりになると確かめた研究はありません。日焼け止めの効果は[日焼け止めでシミ・シワは防げる?](/evidence/sunscreen-photoaging)で扱っています。

Qシワやくすみには効きますか?

ビタミンE単独で調べた人の試験が見つかっていないため、研究では確かめられていません。

QビタミンCも一緒に飲むとシミは薄くなりますか?

ビタミンC単独の話は[ビタミンCを飲むとシミは薄くなる?](/evidence/oral-vitamin-c-pigmentation)で扱っています。ビタミンEとの組み合わせでシミを調べた試験は、ここでは見つかっていません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(10本)

[1]ビタミンのサプリが湿疹に効くかをまとめた解析

発表年
2019年
研究機関
中国・重慶医科大学
掲載誌
Evidence-based complementary and alternative medicine : eCAM
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
456人
結果の向き
良い方向

ビタミンD・E・B12の試験8件・456人を統合。ビタミンEは湿疹の点数が平均5.72点低かった。

[2]ビタミンEを飲んだ日焼け防止効果を調べた試験

発表年
1994年
研究機関
アメリカ・タフツ大学
掲載誌
Archives of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

400 IUを6か月飲んでも、紫外線への反応はプラセボと差がなかった。

[3]ビタミンCとEの併用で日焼けを防げるかの試験

発表年
1998年
研究機関
ドイツ・ミュンヘン大学
掲載誌
Journal of the American Academy of Dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

CとEを8日飲んだ人は80から96.5 mJ/cm2に上がり、プラセボは68.5に下がった。

[4]アトピーにビタミンEとDを飲んだ比較試験

発表年
2011年
研究機関
イラン・テヘラン医科大学
掲載誌
The Journal of dermatological treatment
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

アトピーの患者45人で、ビタミンE 600 IUを60日飲むと点数が35.7%下がった。

[5]アトピーに天然型ビタミンEを飲んだ試験

発表年
2002年
研究機関
イタリア・シエナ大学
掲載誌
International journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

96人が8か月飲み、ビタミンE群50人のうち23人が大きく改善した。

[6]皮膚の慢性炎症の病気と血中ビタミンEを比べた解析

発表年
2021年
研究機関
中国・大連医科大学
掲載誌
PloS one
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

20件の研究を統合。アトピーの人は血液中のビタミンEの値が低かった。

[7]アトピーにセレンとビタミンEを飲んだ試験

発表年
1989年
研究機関
ロイヤル・サウス・ハンツ病院
掲載誌
Acta dermato-venereologica
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

60人が12週間飲んでも、湿疹の重さはプラセボと差がなかった。

[8]アトピー性湿疹に使う食品サプリを調べたコクランのレビュー

発表年
2012年
研究機関
イギリス・ノッティンガム大学
掲載誌
The Cochrane database of systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
差なし

11件・596人を調べ、サプリが湿疹に効く説得力のある証拠は無いと結論した。

[9]ビタミンEとCが紫外線による肌の炎症に与える影響を調べた試験

発表年
1998年
研究機関
ドイツ・ゲーテ大学
掲載誌
Free radical biology & medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

ビタミンE 2 gを50日飲んでも変化はなく、Cと一緒だと103から183 mJ/cm2に増えた。

[10]ビタミンEとCで日焼けの起こりやすさを調べた試験

発表年
2002年
研究機関
メキシコ社会保険庁
掲載誌
Acta dermato-venereologica
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

45人が1週間飲んだ試験。プラセボ群は無い。

ほかに参考にした論文(2本)

判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。