[1]ビタミンのサプリが湿疹に効くかをまとめた解析
- 発表年
- 2019年
- 研究機関
- 中国・重慶医科大学
- 掲載誌
- Evidence-based complementary and alternative medicine : eCAM
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 456人
- 結果の向き
- 良い方向
ビタミンD・E・B12の試験8件・456人を統合。ビタミンEは湿疹の点数が平均5.72点低かった。

アトピーの重さが下がります。日焼けは、ビタミンEだけでは防げず、Cと一緒なら赤くなりにくくなります。
アトピーは、診断を受けた人の湿疹の重さの話です。コクランのレビューは、サプリ全般に説得力のある証拠は無いとしています。
アトピーがある人は、サプリを足す前に皮膚科で相談しましょう。日焼け対策では、ビタミンCと一緒に飲む試験で効果が見られています。ただし使われた量はサプリでも多めなので、飲む前に医師や薬剤師に確認してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 32 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 3.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 3 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 63.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 63 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ビタミンEは、脂に溶ける性質のビタミンで、細胞を酸化から守る抗酸化の働きがあるとされています。ナッツや植物油などの食品に含まれ、サプリでも売られています。肌の老化を防ぐ、血行を良くするとも言われますが、飲んだ場合を人で確かめた研究は限られています。この記事は、塗る場合ではなく飲む場合の話です。
答えの中心は、中国の重慶医科大学などの研究チームが2019年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の比較試験の結果を統合して数値で整理する方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 湿疹(アトピー性皮膚炎)の患者。ビタミンD・E・B12の試験8件・456人 |
| 比べたもの | ビタミンのサプリと対照 |
| 結果 | ビタミンEは、湿疹の重さの点数が平均5.72点低かった |
信頼区間は-11.41から-0.03で、差はかろうじて有意です [1]。
個別の試験でも、同じ向きの結果が出ています。アトピーの患者45人を4グループに分けた試験では、ビタミンE 600 IUを60日間飲んだグループで点数が35.7%下がりました [4]。96人が天然型のビタミンE 400 IUを8か月飲んだ試験では、ビタミンE群50人のうち23人が大きく改善し、プラセボ群は46人中1人でした。ただし評価は本人の質問票です [5]。
なお、アトピーの人は、そうでない人より血液中のビタミンEの値が低いという関連も、20件の研究のメタ解析で報告されています [6]。これは飲んだ効果ではなく、値の違いを見た研究です。
セレンとビタミンE 600 IUを12週間飲んだ試験では、湿疹の重さにプラセボとの差がありませんでした [7]。コクランのレビューは、11件・596人を調べ、湿疹にサプリが効くという説得力のある証拠は無いと結論しています [8]。ビタミンEは、それぞれ単独の試験でしか調べられていません。アトピーの結果は、差がぎりぎりで、評価が割れていると読むのが正確です。
セレンだけのグループ、プラセボと、湿疹の重さに差はありませんでした。
日焼けの赤みは、赤くなるのに必要な紫外線の量で測られます。量が増えれば、赤くなりにくいことを意味します。
同じ方向の結果は、45人が1週間飲んだ別の試験でも出ていますが、プラセボ群の無い試験です [10]。併用の試験は小規模で、使われた量もサプリとしては多めです。根拠の確かさは低めです。研究の数が少なく、期間の短い試験が中心のためです。
研究で使われた量は、日焼けの試験でビタミンE 2 gなど、食事でとる量よりかなり多いものがあります。安全性は、この記事で紹介した研究からは言えません。アトピーで皮膚科にかかっている人、持病や服薬のある人、妊娠中の人は、サプリを始める前に医師や薬剤師に確認してください。
日焼けの試験は、赤みが出る紫外線の量を測ったもので、日常の紫外線対策の効果を確かめたものではありません。
ビタミンEを飲むと、アトピーの湿疹の重さは下がります。日焼けはCと一緒に飲む試験で効いています。
しわ・潤い・くすみ・シミは、ビタミンE単独の研究が見つかっていません。
アトピーなら皮膚科に相談し、日焼けはビタミンE単独に頼らないようにしましょう。
この記事の研究は、飲んだ場合だけを調べています。塗った場合の効果は、ここでは確かめていません。
飲むことで日焼け止めの代わりになると確かめた研究はありません。日焼け止めの効果は[日焼け止めでシミ・シワは防げる?](/evidence/sunscreen-photoaging)で扱っています。
ビタミンE単独で調べた人の試験が見つかっていないため、研究では確かめられていません。
ビタミンC単独の話は[ビタミンCを飲むとシミは薄くなる?](/evidence/oral-vitamin-c-pigmentation)で扱っています。ビタミンEとの組み合わせでシミを調べた試験は、ここでは見つかっていません。
ビタミンD・E・B12の試験8件・456人を統合。ビタミンEは湿疹の点数が平均5.72点低かった。
400 IUを6か月飲んでも、紫外線への反応はプラセボと差がなかった。
CとEを8日飲んだ人は80から96.5 mJ/cm2に上がり、プラセボは68.5に下がった。
アトピーの患者45人で、ビタミンE 600 IUを60日飲むと点数が35.7%下がった。
96人が8か月飲み、ビタミンE群50人のうち23人が大きく改善した。
20件の研究を統合。アトピーの人は血液中のビタミンEの値が低かった。
60人が12週間飲んでも、湿疹の重さはプラセボと差がなかった。
11件・596人を調べ、サプリが湿疹に効く説得力のある証拠は無いと結論した。
ビタミンE 2 gを50日飲んでも変化はなく、Cと一緒だと103から183 mJ/cm2に増えた。
45人が1週間飲んだ試験。プラセボ群は無い。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。