[1]一般の人のストレス・軽い精神症状・気分に対するビタミンとミネラルの効果のメタ解析
- 発表年
- 2013年
- 研究機関
- イギリス・スウォンジー大学
- 掲載誌
- Psychosomatic medicine
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究8件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
病気のない人のRCT8件で、マルチビタミン・ミネラルを飲むと疲労感がプラセボより小さかった。

疲れは少し減ります。ただし、減り方は小さいです。
病気のない大人が飲むサプリの話です。B群だけの効果を分けた解析はありません。食事から摂る場合や、病気で疲れている人は、この結果に当てはまるとは限りません。
疲れを減らす目的なら試す価値はありますが、大きな変化は期待しすぎないでください。睡眠や食事の見直しとあわせるのが現実的です。疲れが長引くときは、病気が隠れていることもあるので医師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 13.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 13.5 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 81.7 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 4 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ビタミンB群は、食べ物からエネルギーを取り出すときに働く水溶性ビタミンの仲間です。疲れを和らげるとされ、B群だけのサプリや、B群を多く含むマルチビタミンがあります。豚肉や玄米、納豆などの食品にも含まれます。注意点は、サプリを重ねて飲むと摂りすぎになりやすいことです。
答えの中心は、イギリスのスウォンジー大学などの研究チームが2013年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た試験の結果を集めて、数字でまとめ直す方法です。病気のない人を対象に、マルチビタミン・ミネラルを28日間以上飲んだプラセボ対照の試験8件が集められました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験8件のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 病気の診断のない一般の人 |
| 比べたもの | マルチビタミン・ミネラルのサプリとプラセボ(28日間以上) |
| 結果 | 疲労感がプラセボより小さい(標準化平均差0.27) |
高用量のB群を含むサプリのほうが、気分への効果が大きい可能性があると論文は書いています。
読み方には注意があります。このまとめはB群だけのサプリではなく、ミネラルも含むサプリ全般の結果です。0.27という値は、効果が「ある」と言える一方で、大きな差ではありません。
B群そのものを調べた試験は、数が多くありません。
どちらも人数が少なく、運動による疲れを測った試験です。ふだんの生活の疲れにそのまま当てはまるとは言えません。
感染症のあとに疲れが長引く326人に、B1の誘導体を28日間飲んでもらった試験では、全体としてプラセボと疲労感に差がありませんでした [2]。20〜50歳の健康な138人がB群を多く含むマルチビタミンを16週間飲んだ試験でも、検査室で測った気分と疲労の指標に差はありませんでした。自宅で答えた評価では、体の疲れやストレスが少ない時点がありました [5]。
7日目に600mgの女性だけ疲労が少なかったものの、28日目には続いていませんでした。
研究で使われた量や期間はまちまちです。たとえば20〜50歳の健康な138人の試験では、B群を多く含むマルチビタミンを毎日16週間飲んでいました [5]。同じ量が自分に合うとは限りません。サプリはB群以外の成分も含むものが多く、重ねて飲むと摂りすぎになることがあります。持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
貧血や睡眠の問題など、ほかの原因が隠れていることがあります。
ビタミンB群を含むサプリで、疲れは少し減ります。ただし差は小さく、B群だけで調べた研究は多くありません。
病気のない大人が飲む場合の結果で、感染症のあとの疲れなどには差が出ない試験もあります。
試すなら、一定期間飲んで自分の疲れが変わるかを確かめ、変わらなければ睡眠や食事の見直しに回しましょう。
B群だけを調べたまとめの解析はありません。個別の試験では、B1・B2・B6・B12を28日間飲んだ32人で、走り続けられる時間が長くなりました [[37786445]]。人数が少ない試験です。
感染症のあとに疲れが長引く326人の試験では、B1の誘導体を飲んでも全体では差がありませんでした [[10573727]]。疲れが続くときは医師に相談してください。
研究では確かめられていません。ここで紹介した試験は、すべてサプリを飲んだものです。
この記事の研究では、ビタミンC単独は調べていません。ビタミンCの別の話題は [ビタミンCで風邪は防げるって本当?](/evidence/vitamin-c-common-cold) にまとめています。
病気のない人のRCT8件で、マルチビタミン・ミネラルを飲むと疲労感がプラセボより小さかった。
疲れが長引く326人で、スルブチアミンを28日間飲んでも全体では疲労感に差がなかった。
20〜30歳の32人で、B群を28日間飲むと走れる時間が長く、乳酸とアンモニアが低かった。
男性の運動選手16人で、B1を3日間飲むと血中B1が正常な人は運動直後の疲れの訴えが少なかった。
健康な138人で、B群を多く含むマルチビタミンを16週間飲んでも、検査室の指標に差はなかった。
B群を3種類以上飲む試験のメタ解析で、958人分のデータでストレスがプラセボより少し改善した。
口内炎をくり返す58人で、B12を6か月とると最後の1か月に出なかった人が多かった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。