[1]膝の変形性関節症へのクルクミンの効果と安全性:ネットワークメタ解析
- 発表年
- 2024年
- 研究機関
- 中国・広州中医薬大学
- 掲載誌
- Journal of ethnopharmacology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 2,175人
- 結果の向き
- 良い方向
変形性膝関節症の人2175人(研究23件)で、痛みの点数がプラセボより平均1.63点低かった。

膝の変形性関節症の痛みと炎症の指標が下がり、効きます。
膝の変形性関節症の話です。関節リウマチでは効果は確認されておらず、同じ結論にはなりません。
膝の痛みで試すなら、痛み止めや運動など今の対処を続けたうえで、効果を見ながら加える形が研究の使われ方に近いです。リウマチの治療薬の代わりにはしないでください。持病や服薬がある人は、医師か薬剤師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 17.6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 22.6 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 95.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 2 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
クルクミンは、ウコン(ターメリック)に含まれる黄色い成分です。炎症をしずめるとされ、サプリでは体に吸収されやすく加工した製剤もあります。注意点は、研究ごとに製剤や量が違うことです。
答えの中心は、広州中医薬大学(中国)などの研究チームが2024年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない治療同士も含めて、複数の試験の結果をまとめて比べる方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験のネットワークメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 変形性膝関節症の人(23件・2175人) |
| 比べたもの | クルクミンとプラセボ、痛み止めとの併用 |
| 結果 | 痛みの点数(VAS)がプラセボより平均1.63点低い |
別のメタ解析でも、WOMACの痛みの点数が平均3.17点低くなりました [9]。
炎症の指標では、1705人の解析でCRPがプラセボより下がり、TNF-αも低下しました [2]。痛みと炎症の指標がそろって下がる向きです。
痛み・動かしやすさ・こわばりは痛み止めと同じくらいで、副作用はクルクミンのほうが少ない結果でした [8]。別の解析でも、痛み止めとの差は見られていません [10]。
関節リウマチでは、差がなかった解析と試験が先に挙がります。
薬を減らしていく間の再発を調べた二重盲検の試験です [5]。
70人の試験では、ウコンエキスを12週間飲むと痛みがプラセボより9.1mm低くなりましたが、関節の腫れ(関節の水)は変わりませんでした [12]。痛みが軽くなっても、関節そのものが変わったとは限りません。持病や服薬がある人、妊娠中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
関節リウマチがある人は、使う前に主治医に確認してください。
膝の変形性関節症では、痛みと炎症の指標が下がります。
ただし根拠の確かさは低めで、関節リウマチでは効果は確認されていません。
今の治療を続けながら、効果を見て判断しましょう。
70人の試験では12週間で痛みが下がりました [[32926799]]。関節の痛みの大人80人の別の試験では、2週間の使用で朝の痛みがプラセボより低い日がありました [[35477159]]。ただし夕方の痛みには差がありませんでした。
研究では確かめられていません。手の関節症の小さな試験では、プラセボとの差が要旨ではっきり示されていません [[41053771]]。
研究には痛み止めとの併用を比べたものもあります [[38036015]]。服薬中は、医師か薬剤師に確認してください。
変形性膝関節症の人2175人(研究23件)で、痛みの点数がプラセボより平均1.63点低かった。
1705人のメタ解析で、CRPがプラセボより下がり、TNF-αも低下した。
方法の質が低く、48項目の根拠のうち37項目は確実性が極めて低かった。
患者314人のメタ解析で、病気の勢い(DAS-28)に統計的にはっきりした差はなかった。
200人で、52週間再発しなかった人の割合はクルクミン群60%・プラセボ群64%で差がなかった。
患者539人で、病気の勢いの点数(DAS28)が対照より平均1.20点低かった。
女性48人が500mgを8週間飲み、痛む関節・腫れた関節の数がプラセボより下がった。
痛み止めと比べて、痛み・動かしやすさ・こわばりは同じくらいで、副作用は少なかった。
ふつうのクルクミン製剤はプラセボより痛みの点数(WOMAC)が平均3.17点低かった。研究の確実性は低い。
クルクミン群724人・対照群714人で、プラセボと比べると痛みと動かしやすさが改善した。
痛み止めと比べた研究をまとめると、痛みの点数に差はなかった。
70人で、12週間飲むと痛みがプラセボより9.1mm低かったが、関節の腫れは変わらなかった。
変形性膝関節症の人で、クルクミンを飲んだ群はプラセボ群より痛みの点数(VAS)とWOMACの点数が下がった
関節の痛みがある大人80人で、朝の痛みは11・13・14日目にプラセボより低かった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。