[1]疲労を減らすコエンザイムQ10のRCTを集めたメタ解析
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- 台湾・国立陽明交通大学
- 掲載誌
- Frontiers in pharmacology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 1,126人
- 結果の向き
- 良い方向
RCT13件・1126人で、コエンザイムQ10を飲んだ人はプラセボより疲労感のスコアが下がった。

効きます。疲れの軽くなり方は小さめです。
疲れが軽くなる差は小さめです。ほかの成分との配合品ではっきりせず、量が多く期間が長いほど差が大きくなりました。
疲れが気になるなら、試す価値はあります。ただし差は小さめなので、睡眠や食事を整える代わりにはなりません。期間が長いほど差が大きかったため、数日で判断せず続けた結果を見ましょう。コエンザイムQ10だけのサプリを選ぶと、研究の条件に近くなります。疲れが長く続く人や治療中の人は、医師や薬剤師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 15.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 95.3 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 95 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
コエンザイムQ10は、体の細胞の中でエネルギーを作る働きに関わる補酵素です。疲れをやわらげる、年齢による減少を補う、肌や心臓によいなどとされ、サプリとして売られています。酸化型(ユビキノン)と還元型(ユビキノール)があるのが特徴です。注意点は、治療中の人は使い方を医師に確認することです。
答えの中心は、台湾の国立陽明交通大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の試験の結果を数字でまとめて分析する方法です。コエンザイムQ10とプラセボを比べたRCT(くじ引きで分けた比較試験)13件・1126人が集められました。
| 研究の種類 | RCTを集めたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 健康な人と、病気で疲れやすい人 |
| 比べたもの | コエンザイムQ10のサプリと、プラセボ(偽薬) |
| 結果 | 飲んだ人は、プラセボより疲労感のスコアが下がった |
健康な人でも病気のある人でも、同じ向きでした。
Hedges gは、試験ごとの測り方の違いをそろえた差の大きさの指標です。マイナスは疲れの軽減を表します。小〜中くらいの差で、劇的な変化ではありません。
同じメタ解析の中身を分けると、次のとおりです [1]。
疲れを調べた介入研究16件のレビューでは、10件で疲れが有意に軽くなったと報告されています。数値を統合した分析ではありません [2]。
線維筋痛症の89人で、コエンザイムQ10・トリプトファン・マグネシウムの配合サプリは、疲れの改善でプラセボを上回りませんでした [3]。メタ解析が示した「配合品ではっきりしない」と同じ結果です。
疲れの改善で、配合サプリを飲んだ群はプラセボ群を上回りませんでした。
運動への効果は、疲れより結果がそろっていません。65〜75歳の38人が8週間の高強度インターバルトレーニングをしたとき、飲んだ群は椅子からの立ち上がりテストで伸びが大きかった一方、握力・歩く速さ・バランスなどは差がありませんでした [7]。
研究で多いのは、健康な人と、疲れやすい病気のある人です [1]。がんの治療中の疲れを調べた系統的レビューでは、コエンザイムQ10は勧められないとされました [8]。治療中の人は、始める前に主治医へ相談してください。副作用は、メタ解析では、コエンザイムQ10を飲んだ人の中で消化器の不調の報告はごくわずかでした [1]。長く飲んだときの詳しい安全性は、今回集めた研究では確かめていません。持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、医師や薬剤師に確認しましょう。
がんの治療中や服薬中は、自己判断で飲み始めず相談してください。
コエンザイムQ10のサプリは、疲れを軽くします。差は小さめです。
効きやすいのは、コエンザイムQ10だけのサプリを、量を守って長めに続けた場合です。
数日で判断せず、睡眠や食事の見直しと並べて試しましょう。
メタ解析では、量が多いほど、期間が長いほど差が大きくなりました [[36091835]]。何日・何mgで効くという決まった数値は、この分析からは言えません。健康な17人が300mgを8日間飲んだ小さな試験では、自転車こぎで疲れさせたあとの疲労感が軽くなっています [[18272335]]。
メタ解析では、配合品で差がはっきりしませんでした [[36091835]]。研究で効果が確かめられているのは、コエンザイムQ10だけのサプリの結果です。
うつ病の患者で、200mgを8週間飲むと抑うつと疲れが減ったと著者は結論していますが、要旨に疲れの数値はありません [[38684047]]。慢性疲労症候群のレビューでは、コエンザイムQ10とセレンの組み合わせなどで疲れが減った研究はありましたが、研究の欠点が多く確かなことは言えないとされました [[39940333]]。治療は医師に相談してください。
[ビタミンB群で疲れはとれる?](/evidence/vitamin-b-fatigue)でも、研究をまとめています。
RCT13件・1126人で、コエンザイムQ10を飲んだ人はプラセボより疲労感のスコアが下がった。
介入研究16件のうち10件で、コエンザイムQ10で疲れが有意に軽くなったと報告されていた。
線維筋痛症の89人で、配合サプリは疲れの改善でプラセボを上回らなかった。
健康な大人の24研究で、血中濃度は確実に上がったが、運動の成績への効果は小さく安定しなかった。
運動習慣のある男性54人で、還元型を6週間飲んでも限界までこげる時間は変わらなかった。
健康な33人が12週間飲んで、しわと細かい溝が減り、肌がなめらかになった。潤いは変わらなかった。
65〜75歳の38人で、椅子からの立ち上がりは伸びたが、握力や歩く速さは差がなかった。
がんの治療中の疲れについて、コエンザイムQ10は勧められないとされた。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。