クレアチンを飲むと太る(体重が増える)?

クレアチンを飲むと太る(体重が増える)?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え注意が必要

注意が必要です。体重は平均で約0.9kg増えますが、脂肪ではありません。

根拠

「注意が必要」は体に悪いという意味ではなく、体重が少し増えるという意味です。ランダム化比較試験143件のまとめで、クレアチンをとると体重が平均0.86kg増えました。増えた分の中心は脂肪以外の重さ(除脂肪量)の0.82kg増でした [1]。筋トレをしている人の研究63件・1489人のまとめでも、脂肪の量に差はありませんでした [2]。

この答えの範囲

健康な大人と、筋トレをしている人の話です。

じゃあ、どうする?

体重の増え方は、1kg前後の増加が目安です。体重が増えても脂肪が増えたわけではないので、数字だけで慌てないことが大切です。体重を測るなら、飲む前の数値と同じ条件で比べましょう。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。高い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。12 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 93 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量17.920研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 92.9 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 93 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

クレアチンとは

クレアチンは、筋肉でエネルギーをつくるときに使われる成分です。肉や魚にも含まれ、サプリとして筋トレをする人によく使われています。筋力や除脂肪量を増やすとされ、粉末やカプセルなどがあります。最初の数日だけ多めにとる方法(ローディング)と、毎日少量を続ける方法があるのが特徴です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

詳しい効果は筋トレでクレアチンを摂ると何が良いのか?で扱っています。

答えの中心は、アフヴァーズ・ジュンディーシャープール医科大学(イラン)などの研究チームが2024年に発表した、ランダム化比較試験(くじ引きで分けて比べる試験)のメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて計算し直す方法です。

研究の種類ランダム化比較試験143件のメタ解析
対象体の組成を調べた試験の参加者(量や筋トレの有無は問わない)
比べたものクレアチンをとった群と、とらなかった群
結果体重が平均0.86kg増え、除脂肪量が0.82kg増えた
まとめて分析した結果クレアチンをとると、体重は平均0.86kg増え、そのほとんどは脂肪以外の重さ(除脂肪量)でした。 [1]

体脂肪率は平均0.28%下がりましたが、著者は小さな変化としています。

筋トレをしている人だけを集めた研究63件・1489人のまとめでも、体重の増加はわずか(効果の大きさ0.12)で、主に除脂肪量の増加でした [2]。「太る」というより、「重さが少し増える」が研究の答えです。

増えた分は何?

増えたのは主に脂肪以外の重さ(除脂肪量)で、水分も含まれます。体重のうち脂肪の量は、筋トレをしている人の研究で差がありませんでした [2]。50歳未満の研究12件・266人のまとめでも、脂肪の量は-0.18kgで差がありませんでした [3]。

水分は増える試験が多く、体重が増えた主な理由の一つと考えられます。

  • サッカー選手13人が体重1kgあたり1日0.3gを7日間とると、体の水分が2.3L、体重が1.0kg増えました [4]
  • 女子大学生のダンサー13人(クレアチン群7人)が42日間とると、クレアチン群で体の水分と除脂肪量が増えました [5]
  • 男性25人の試験(筋トレをしたのは18人)では、クレアチン群の体重が9週間で2kg増えましたが、体の水分の割合は変わらず、著者は水分をため込んだためではないと結論しています [6]

つまり、水分が増えるという結果と、水分の割合は変わらないという結果が並んでいます。どちらも、脂肪が増えたという結果ではありません。

よく言われていることは本当?

  • 飲むと体重が増える本当です。 平均で0.86kg増えました [1]。
  • 増えるのは脂肪ではなく水分半分本当です。 水分は増える試験が多い一方、水分の割合は変わらなかった試験もあります [6]。脂肪は増えていません [2]。
  • 脂肪は増えない本当です。 筋トレをしている人の研究63件で脂肪の量に差がありませんでした [2]。
  • 続けると筋肉量が増えて体重が増える条件によります。 除脂肪量は増えますが、これには水分も含まれます [1]。
  • クレアチンで痩せる根拠は弱いです。 体脂肪率は平均0.28%下がりましたが、脂肪の量そのものは多くのメタ解析で差がありませんでした [1] [3]。ただし、50歳未満で筋トレをしている人の研究12件のまとめでは、脂肪の量が平均0.73kg少ないという結果もあります [7]。
  • 顔がむくむ・顔が太って見える研究が見つかりません。 顔を測った研究はありません。むくみに近いものとして、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者175人が1日10gを長くとった試験で、2か月後に手足のむくみが多く見られました。著者は水分の貯留によるものだろうとしています [8]。病気の患者さんの試験で、健康な人の顔には当てはめられません。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

体重が増えない試験もあります。1日約2.3gの少ない量を6週間とった20人の試験では、体重・体脂肪・体の水分に変化がありませんでした [9]。運動習慣のある女性30人が5日間多めにとった試験では、体の水分は増えましたが、体重はプラセボと差がありませんでした [10]。

少ない量を使った試験健康な男女20人(6週間)

体重・脂肪・体の水分のどれにも変化がありませんでした。

飲み方でも差が出ます。古いメタ解析では、最初に多めにとる飲み方のほうが、維持量だけの飲み方より体重・除脂肪量の変化が大きいという結果でした [11]。

02注意点

研究の量は、体重1kgあたり1日0.3gを7日間 [4]、最初の5日間は1日20g、その後は1日10gを28日間 [12]、1日約2.3gを6週間 [9]など、試験ごとに違います。量と期間で、体重の増え方は変わります。持病がある人、腎臓の病気がある人、服薬中の人は、医師や薬剤師に相談してください。

体重が増えても、脂肪が増えたとは限らない

増えた分の中心は脂肪以外の重さです。体重計の数字だけで判断しないでください。

03まとめ

クレアチンをとると体重は平均約0.9kg増えますが、脂肪は増えません。
増えた分は主に脂肪以外の重さと水分で、量や飲み方で変わります。
体重計の数字は、飲み始める前と同じ条件で比べましょう。

04よくある質問

Q飲むのをやめると、体重は戻りますか?

研究では確かめられていません。この記事で使った研究は、飲んでいる間の変化を調べたものです。

Q顔がむくむことはありますか?

顔のむくみを測った研究は見つかっておらず、分かっていません。むくみについては、病気の患者さんの試験で手足のむくみが多かった報告があるだけです [[15795816]]。

Q女性が飲んでも体重は増えますか?

運動習慣のある女性30人が5日間多めにとった試験では、体の水分は増えましたが、体重はプラセボと差がありませんでした [[36678300]]。女性や中高年への効果は[クレアチンは女性や中高年にも効く?](/evidence/creatine-women-older)で扱っています。

05参照した論文

判定に使った主な論文(12本)

[1]クレアチンと体組成の変化を調べたランダム化比較試験のメタ解析

発表年
2024年
研究機関
イラン・アフヴァーズ・ジュンディーシャープール医科大学
掲載誌
Journal of the International Society of Sports Nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究143件を統合
結果の向き
悪い方向

RCT143件のまとめで、体重が平均0.86kg増え、除脂肪量が0.82kg増えた。

[2]筋トレにクレアチンを足した効果を調べた、筋力・除脂肪量のメタ解析

発表年
2026年
研究機関
中国・首都体育大学
掲載誌
Journal of the International Society of Sports Nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,489人
結果の向き
悪い方向

研究63件・1489人のまとめで、体重はわずかに増え、脂肪の量には差がなかった。

[3]50歳未満の筋トレとクレアチンが脂肪の量に与える影響のメタ解析

発表年
2023年
研究機関
カナダ・レジャイナ大学
掲載誌
Nutrients
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
266人
結果の向き
差なし

研究12件・266人のまとめで、脂肪の量そのものには差がなかった。

[4]クレアチンの摂取で、サッカー選手の体の総水分が増える(重水による測定)

発表年
2016年
研究機関
ブラジル・ロンドリーナ州立大学
掲載誌
International journal of sports medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
13人
結果の向き
悪い方向

サッカー選手13人で、体の水分が2.3L、体重が1.0kg増えた。

[5]クレアチンが女子大学生ダンサーの体の水分と除脂肪量に与える影響

発表年
2023年
研究機関
アメリカ・アイダホ大学
掲載誌
Journal of the International Society of Sports Nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
悪い方向

クレアチンを42日間とった群は、体の水分と除脂肪量が増えた。

[6]トレーニングとクレアチン摂取が、筋力と体重に与える影響

発表年
1999年
研究機関
ベルギー・ブリュッセル自由大学
掲載誌
European journal of applied physiology and occupational physiology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
25人
結果の向き
悪い方向

男性25人の試験で、体重は増えたが水分の割合は変わらなかった。

[7]筋トレ中のクレアチンと体組成の変化(メタ解析)

発表年
2024年
研究機関
オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学
掲載誌
Journal of strength and conditioning research
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究12件を統合
結果の向き
良い方向

50歳未満の研究12件のまとめで、脂肪の量が平均0.73kg少なかった。

[8]クレアチンを長期間とった試験での副作用の報告

発表年
2005年
研究機関
オランダ・ユトレヒト大学医療センター
掲載誌
International journal of sports medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
175人
結果の向き
悪い方向

ALS患者175人の試験で、2か月後に手足のむくみが多く見られた。

[9]少量のクレアチンと疲れにくさ

発表年
2011年
研究機関
アメリカ・ブルームズバーグ大学
掲載誌
Nutrition (Burbank, Los Angeles County, Calif.)
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
20人
結果の向き
差なし

20人の6週間の試験で、体重・体脂肪・体の水分に変化がなかった。

[10]月経周期とクレアチンによる体内の水分の分布の変化を調べた試験

発表年
2023年
研究機関
アメリカ・ノースカロライナ大学チャペルヒル校
掲載誌
Nutrients
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
30人
結果の向き
差なし

女性30人の試験で、体の水分は増えたが体重は差がなかった。

[11]クレアチンが体組成と運動能力に与える影響のメタ解析

発表年
2003年
研究機関
アメリカ・オールドドミニオン大学
掲載誌
International journal of sport nutrition and exercise metabolism
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
悪い方向

最初に多めにとる飲み方のほうが、維持量だけより変化が大きかった。

[12]クレアチン摂取と筋トレがエネルギー消費に与える影響の比較

発表年
2001年
研究機関
アメリカ・スキッドモア大学
掲載誌
Metabolism: clinical and experimental
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
30人
結果の向き
悪い方向

男性30人の28日間の試験で、クレアチン群は体の水分と体重が増えた。

ほかに参考にした論文(15本)

判定「注意が必要」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。