[1]大人の有酸素運動と減量: 運動量と効果の関係をみるメタ解析
- 発表年
- 2024年
- 研究機関
- イギリス・インペリアル・カレッジ・ロンドン
- 掲載誌
- JAMA network open
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 6,880人
- 結果の向き
- 良い方向
太りぎみ・肥満の大人6880人で、有酸素運動を週30分ふやすごとに体重が0.52kg減っていた。

痩せます。有酸素運動を続けると、体重もおなかの脂肪も減ります。
太りぎみ・肥満の大人が中心の話です。ジョギングだけを調べたメタ解析は1本で、主な根拠はジョギングを含む有酸素運動全般です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 19.6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 99.6 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から B に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ジョギングは、会話ができるくらいの速さで走る有酸素運動です。心拍数を上げ続けてエネルギーを使うため、体重や体脂肪を減らす目的で行う人が多くいます。ウォーキングより強く、全力で走るよりは楽な運動です。注意点は、走り始めに筋肉や関節を痛めやすいことです。ここは一般的な説明で、研究で確かめた内容ではありません。
答えの中心は、イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンなどの研究チームが2024年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た条件の研究の結果を集めて、まとめて計算し直す方法です。
| 研究の種類 | 無作為化比較試験を集めたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 太りぎみ・肥満の大人(116件・6880人) |
| 比べたもの | 指導つきの有酸素運動の量(8週間以上) |
| 結果 | 週30分ふやすごとに体重が0.52kg減っていた |
週300分までは、運動時間が長いほど体重が減っていました。
参加者は平均46歳で、61%が女性でした。意味のある減り方には、中くらいの強さ以上で週150分を超える運動が目安とされています。
同じ解析で、週30分ふやすごとに、内臓脂肪の面積が1.60cm2、腹囲が0.56cm減っていました [1]。腹囲だけを集めた2022年のメタ解析でも、有酸素運動を続けた人は運動しない人より腹囲が3.2cm小さくなりました(1686人・25件)[4]。強めの運動(-4.2cm)のほうが、中くらいの強さ(-2.50cm)より腹囲が減っていました。
運動の種類を比べた84件の解析では、強めの有酸素運動とインターバル運動(速く動く時間と休む時間を繰り返す運動)が内臓脂肪を減らすのにいちばん有望で、筋トレがいちばん低い結果でした [5]。
ランニングだけを対象にしたメタ解析は、オランダのVU大学医療センターなどの研究チームが2015年に発表した1本です [2]。運動習慣のない18〜65歳の健康な大人が、1年続けると、運動しない人より体重が3.3kg、体脂肪が2.7%減っていました。内容は平均で週3.7回・週2.3時間・週14.4kmで、続けた期間が長いほど効果が大きい結果でした。
同じ合計時間なら、何回かに分けて運動しても、体重の減り方は一度に続けた場合と同じか、わずかに大きい結果でした。
根拠の確かさは低めです。分けた運動と続けた運動を比べた研究の数が少ないためです。
研究の対象は、平均46歳の太りぎみ・肥満の大人で、指導つきの有酸素運動を8週間以上行った人です [1]。有酸素運動をした人では、しない人より軽い〜中程度の副作用が少しふえ、その多くは筋肉や関節の症状でした [1]。膝や腰に痛みがある人、心臓や血圧の持病がある人、服薬中の人は、始める前に医師に相談してください。
走る時間と距離は少しずつふやし、痛みが続くときは医師に相談してください。
ジョギングなどの有酸素運動は、体重とおなかの脂肪を減らします。
減り方は運動の量に応じて大きくなり、週150分を超える量が目安です。
一度に走れない日は、何回かに分けても大丈夫です。
毎日走る必要があるかは、研究では確かめられていません。1年続けた試験の内容は、平均で週3.7回・週2.3時間でした [[26178328]]。
運動だけでも、量に応じて体重が減ることは分かっています [[39724371]]。運動と食事を直接比べた結果は、この記事では扱っていません。食事から変える方法は、[食物繊維で体重は減る?](/evidence/fiber-weight) で解説しています。
解析の中心は、ジョギングを含む有酸素運動全般です [[39724371]]。スロージョギングとウォーキングを体重で比べたメタ解析は、見つかりませんでした。
1年続けた試験のまとめで、体重は3.3kg減っていました [[26178328]]。減り方は運動の量と期間によって変わります。
太りぎみ・肥満の大人6880人で、有酸素運動を週30分ふやすごとに体重が0.52kg減っていた。
運動習慣のない大人がランニングを1年続けると、体重が3.3kg、体脂肪が2.7%減っていた。
研究5件・211人で、運動を分けて行った人は、続けた人より体重が0.92kg多く減っていた。
太りぎみ・肥満の大人1686人で、有酸素運動を続けた人は腹囲が3.2cm小さくなった。
太りぎみ・肥満の人4836人で、中強度以上の有酸素運動は内臓脂肪を減らすのに有益だった。
研究35件で、運動を分けて行うと長期的に体重がわずかに多く減り、体脂肪・腹囲は差がなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。