[1]パンあり・なしの低カロリー食を比べた減量の試験
- 発表年
- 2012年
- 研究機関
- スペイン・ラ・パス大学病院
- 掲載誌
- Clinical nutrition (Edinburgh, Scotland)
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 122人
- 結果の向き
- 差なし
太り気味・肥満の女性122人で、パンの有無による減量の差を16週調べた。

ほぼウソです。パンを入れても抜いても、減量の結果は変わりません。
大人の話です。減量の試験は女性だけです。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 30 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 11.4 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 76.4 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 76 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
パンは、小麦粉を主な原料に、イーストなどで発酵させて焼いた主食です。食べすぎると太るとされ、食パン・菓子パン・惣菜パンのほか、全粒粉パンやライ麦パンなど種類があります。白い小麦粉で作る白いパンと、全粒粉やライ麦を使うパンで、原料の精製の度合いが違うのが特徴です。注意点は、小麦アレルギーの人は避ける必要があること、菓子パンなどは商品によって砂糖や脂質の量が大きく違うことです。
答えの中心は、スペインのラ・パス大学病院などの研究チームが2012年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、くじ引きで人を2つの群に分け、結果を比べる方法です。パンの有無だけを変えて、減量への影響を調べています。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験(16週間) |
|---|---|
| 対象 | 太り気味・肥満の女性122人(BMI25以上40未満) |
| 比べたもの | パンありの低カロリー食と、パンなしの低カロリー食 |
| 結果 | 体の計測値や血液検査の改善に、群の間で差はなかった |
途中でやめた人は、パンを抜いた群で多くなっていました(21.3%対6.6%)。
ノルウェーのベルゲン大学などの研究チームが2025年に発表した研究でも、中年の男女1764人を20年追い、開始時のパン全体の量は、その後の体重の変化と関連がありませんでした [2]。
白いパンに絞ると、結果は分かれます。同じ研究で、白いパンを多く食べていた人ほど体重が増えていました(開始時に1日1g多いごとに、20年間で0.017kg)[2]。スペインの大学卒業者9267人を平均5年追った研究では、白いパンを1日2個分以上食べる人は、週1個分以下の人より、過体重・肥満になるリスクが1.40倍(オッズ比)でした [5]。一方、年間の体重の増え方とは関連がありませんでした。
どちらも観察研究です。白いパンを多く食べる人は、ほかの食事や生活も違う可能性があり、「白いパンを多く食べる人に、体重が増えやすい傾向がある」という関連の話です。
研究の対象は、それぞれ違います。減量の試験は女性だけで、16週間でした [1]。20年の追跡は、開始時に平均47.4歳の男女で、体重は平均2.1kg増えていました [2]。年齢や生活の違う人に、そのまま当てはまるとは限りません。
小麦アレルギーなど、パンを避ける必要がある人は、医師に確認してください。持病で食事制限を受けている人や、薬を飲んでいる人は、医師・管理栄養士に相談しましょう。
白いパンとの関連は観察研究の結果で、量や食べ方の違いも含まれています。
パンを食べるだけで太る、という結果は出ていません。
気になるのは白いパンを多く食べ続けることで、その場合も関連は弱いものです。
パンを避けるより、食事全体の量を見て、続けやすい形で食べましょう。
パンとご飯を直接比べて体重を調べた研究は、集めた中にありませんでした。研究では確かめられていません。主食の違いは [玄米や雑穀米は白米より痩せやすい?](/evidence/brown-rice-weight-loss) も参考になります。
パンを入れても抜いても、体の計測値の改善に差はありませんでした。違いが出たのは続けやすさで、途中でやめた人はパンを抜いた群のほうが多くなりました [[22209501]]。
朝食だけに絞って体重を調べた研究は、見つかっていません。
太り気味・肥満の女性122人で、パンの有無による減量の差を16週調べた。
中年の男女1764人を20年追い、パンの量と体重の変化の関係を調べた。
太り気味・肥満の成人242人で、ライ麦と精製小麦の食品を12週間比べた。
太り気味・肥満の成人255人で、体重の減り方に差はなかった。
スペインの大学卒業者9267人を平均5年追い、パンと体重の関係を調べた。
前向きの観察研究43報告をまとめ、食品群と肥満のリスクの関係を調べた。
RCT101件・8527人で、低GIの食事と体重の関係を調べた。
太り気味の成人のRCT10件で、低GI食と高GI食を比べた。
長期の試験14件で、低GIと高GIの食事を比べた。
世界の食品のGIを集め、パンもごはんもGIに幅があることを示した。
健康な12人で、同じカロリーの主食を食べ比べ、満腹感を調べた。
38の食品を白いパンと比べ、食後の満腹感を調べた。
RCT19件・成人1698人で、全粒穀物と体重・体脂肪の関係を調べた。
RCT32件で、全粒穀物の食品と精製穀物の食品の食後の食欲を比べた。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。