[1]ニキビの血中亜鉛と、亜鉛治療の効果を調べたメタ解析
- 発表年
- 2020年
- 研究機関
- アメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校
- 掲載誌
- Dermatologic therapy
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- —
- 結果の向き
- 良い方向
亜鉛を使った人は、赤く炎症したブツブツの数が有意に改善した。副作用は比較相手と差がなかった。

赤いニキビが減ることと関連しています。ただし抗菌薬の飲み薬より改善した人は少なく、効果は控えめです。
赤く炎症したニキビを、亜鉛の治療(飲む・塗るの両方を含む)で調べた研究の話です。
試すなら、皮膚科の飲み薬や塗り薬と相談しながらが安心です。亜鉛は抗菌薬の飲み薬より改善した人が少ない結果でした [3]。飲むときは吐き気などの胃腸の症状に気をつけ、続けるか迷ったら医師や薬剤師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 24 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 57 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 57 点です。 判定に使った研究は、観察研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
亜鉛は、体に欠かせないミネラルの一つです。肉や魚介、種実などの食品に含まれ、サプリメントとしても売られています。ニキビや肌荒れに良いとされ、菌や炎症を抑える作用、皮脂を減らす作用が考えられています [4]。飲むもの(研究では硫酸亜鉛やグルコン酸亜鉛)と、塗り薬や化粧品に配合されるもの(酸化亜鉛など)があります。注意点は、摂り過ぎると害になること、飲むと吐き気などの胃腸の症状が出やすいことです。
答えの中心は、アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校などの研究チームが2020年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて、全体としてどんな違いがあるかを調べる方法です。
| 研究の種類 | 亜鉛の治療を調べた研究を集めたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | ニキビ(尋常性ざ瘡)のある人 |
| 比べたもの | 亜鉛を使った人 / 使わなかった人 |
| 結果 | 赤く炎症したブツブツ(炎症性丘疹)の平均の数が有意に改善 |
副作用の起こりやすさは、比較した相手と有意な差がありませんでした。
まとめた数値は要旨に示されていないため、「どれくらい減るか」は読み取れません。同じ2020年のアメリカのカリフォルニア大学デービス校などによる系統的レビューでは、ニキビを調べた14件のうち10件で亜鉛が役に立ったと判断されました [2]。著者は、予備的な根拠にとどまり、より大きな研究が必要だとまとめています。
フランスのナント大学病院などによる332人の試験では、亜鉛と抗菌薬のミノサイクリンを3か月飲み比べました [3]。
大きく改善した人は亜鉛で31.2%、ミノサイクリンで63.4%でした [3]。
亜鉛だけを飲んだ古い試験でも、結果が割れています。
同じ硫酸亜鉛でも、効いたニキビの種類が試験で食い違っています。量や期間が試験ごとに違い、参加者も数十人の試験が中心だからです。
また、ニキビに飲むサプリのランダム化比較試験42件(3346人)を整理した2023年のレビューでは、質が中程度以上の研究で効果の可能性が示された成分に、亜鉛は挙がっていません [13]。
副作用は吐き気などの胃腸の症状です。メタ解析では、副作用の起こりやすさに比較した相手との有意な差はありませんでしたが [1]、軽症〜中等症のニキビの52人に硫酸亜鉛かプラセボを12週間飲んでもらった試験では、亜鉛のグループの50%に吐き気・嘔吐・下痢があり、21%は吐き気のためにやめました [11]。量は研究ごとに大きく違い、332人の試験は亜鉛として30 mgを3か月 [3]、別の試験は毎日135 mgでした [9]。厚生労働省の統合医療情報サイトは、亜鉛を摂り過ぎると害になると注意しており、アメリカの資料では50 mg以上を数週間続けると銅の吸収を妨げるとされています。持病や服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
研究で使われた量は、そのまま日常のサプリの目安にはなりません。
赤いニキビが減ることは、亜鉛を使うことと関連しています。根拠の確かさは低めです。
白ニキビ、ニキビ跡、肌荒れ全般は確かめられておらず、効果は抗菌薬の飲み薬より小さい結果です。
皮膚科で相談しながら試し、飲むなら胃腸の症状に気をつけましょう。
飲まなくても良くなることはあります。プラセボと比べた二重盲検試験では、どちらのグループもニキビが減り、統計的な差は見られませんでした [[70931]]。
塗る亜鉛だけの効果は、コクラン・レビューでも効果は確認されていません [[33034949]]。亜鉛の治療を調べたメタ解析 [[32860489]] は飲む亜鉛と塗る亜鉛の両方を含み、塗る場合だけの結果は要旨から読み取れません。
研究では4週間 [[137693]]、12週間 [[153730]]、3か月 [[11586012]] で評価されています。何週間で変わるかは、研究から言えません。
炎症のあるニキビでは、亜鉛はミノサイクリンより効果が劣る結果でした [[11586012]]。37人の小さな試験では、テトラサイクリン系の抗菌薬と差がありませんでした [[145237]]。
亜鉛を使った人は、赤く炎症したブツブツの数が有意に改善した。副作用は比較相手と差がなかった。
ニキビの14件のうち10件で亜鉛が役に立ったと判断。著者は予備的な根拠とした。
332人で、大きく改善した人は亜鉛31.2%、ミノサイクリン63.4%だった。
亜鉛には菌や炎症を抑える作用があり、皮脂を減らす可能性があるとまとめられた。
ニキビの100人は、ない100人より血中の亜鉛が有意に低かった。
赤血球中の亜鉛は、ニキビの人と健康な人で有意な差がなかった。
健康な男性10人で、亜鉛を飲んだグループは皮脂の出る量の変化がプラセボと有意に違った。
試験49件(3880人)で、塗る亜鉛の効果ははっきりしないとされた。
亜鉛を毎日135 mg飲むと、4週間後に赤いブツブツなどが有意に減った。
ニキビの54人で、硫酸亜鉛を飲んだグループはプラセボより、わずかだが統計的に有意に良くなった
52人で、亜鉛のグループの50%に吐き気・嘔吐・下痢があった。
亜鉛20人とプラセボ19人で、どちらも減ったが有意な差はなかった。
試験42件(3346人)で、効果の可能性が示された成分に亜鉛は挙がらず、胃腸の副作用が報告された。
判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。