[1]分子量の違うヒアルロン酸クリームが目元のシワと水分量に与える効果
- 発表年
- 2011年
- 研究機関
- ドイツ・ミュンヘン大学
- 掲載誌
- Journal of drugs in dermatology : JDD
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 76人
- 結果の向き
- 良い方向
目元にシワのある女性76人。60日間塗ると、水分量はどの分子量でも基剤だけより高かった。

効きます。塗った直後は潤いますが、美容液のあとにクリームを重ねないと、持続時間は短めです。
塗る化粧品の話です。注射や飲むヒアルロン酸は調べていません。持続を調べた試験は塗った当日だけの測定です。試験は小規模で、メタ解析(研究をまとめた分析)はまだありません。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 34 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 16 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 70 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 70 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ヒアルロン酸は、人の皮膚や関節にもともとある、水分を保つ成分です。化粧品では保湿の効果があるとされ、化粧水・美容液・クリームなどに配合されます。粒の大きさ(分子量)で高分子や低分子(ナノ化)などの種類があり、低分子は肌になじみやすいとされています。医療用の注射とは別のもので、注意点は、肌に合わないと感じたら使用をやめることです。
答えの中心は、ドイツのミュンヘン大学などの研究チームが2011年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、くじ引きのように参加者を分け、塗るものだけを変えて結果を比べる方法です。目元のシワがある30〜60歳の女性76人が、片方の目の周りにヒアルロン酸入りのクリーム、もう片方に基剤だけのクリームを、毎日朝晩60日間塗りました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験(左右で塗り分け) |
|---|---|
| 対象 | 目元のシワがある30〜60歳の女性76人 |
| 比べたもの | ヒアルロン酸0.1%のクリーム / 基剤だけのクリーム |
| 結果 | 肌の水分量が基剤だけより有意に高まった |
分子量とは、成分の粒の大きさの目安です。
同じ人の左右で比べているので、肌質の違いの影響を受けにくい設計です。インドネシア・ジャカルタにあるインドネシア大学などの研究チームによる2024年の試験でも、乾燥肌の60〜80歳の36人のすねに4週間塗り分けたところ、低分子ヒアルロン酸の部位の角層(肌の一番外側)の水分量は56.37、基剤だけの部位は49.01でした [2]。
塗った潤いの「持続」を調べたのが、2026年の試験です [3]。123人を、洗顔料だけ(比べる基準)・ヒアルロン酸の美容液だけ・保湿クリームだけ・美容液のあとにクリームを重ねる、の4群に分け、塗ってから30分後と8時間後に測りました。洗顔料だけの群と比べた水分量の差は、次のとおりです。
30分後の20.0%よりは小さくなりますが、差は残っていました。
塗る前の自分の値からの増え方で比べる別の解析では、クリームだけの群も8時間後に洗顔料だけの群を上回りました。それでも重ね塗りの群のほうがクリームだけの群より大きく、美容液だけの群は上回りませんでした [3]。美容液だけでは潤いが短く、クリームを重ねると長持ちする、という読み方になります。
著者らは、ヒアルロン酸のように水分を抱える成分は、蒸発を抑える成分を組み合わせないと潤いが長持ちしない、という以前の報告と合う結果だと考察しています [3]。そのしくみ自体を確かめた試験ではありません。
使った人の感じ方も聞いています。塗った直後に肌が潤って見えると答えた人は、重ね塗りの群が美容液だけ・クリームだけの群より多く、その日の終わりの感じ方は群の間で差がありませんでした [3]。
この試験は化粧品会社の社員による研究で、資金も同社が出しています。塗った当日だけの測定で、数週間使い続けた効果は調べていません。
研究で使われた量や期間は、試験ごとに違います。2011年の試験は、0.1%のクリームを毎日朝晩、60日間でした [1]。この濃度や期間は研究の条件であり、市販品にそのまま当てはまる目安ではありません。
副作用は、2024年の36人の試験では「なし」とされ [2]、2026年の123人の試験でも有害事象の報告はありませんでした [3]。ただし小規模で短期間の試験が中心なので、長く使ったときの安全性までは分かっていません。対象も中高年の女性や乾燥肌の高齢者が中心です。敏感肌の人や、皮膚の治療中の人は、使う前に医師や薬剤師に確認してください。
ほかの年代や肌質に、同じ結果が出るとは限りません。
ヒアルロン酸は、塗ると肌の水分量を高め、シワも浅くします。
ただし美容液だけでは潤いが短く、8時間後も高いままだったのは、あとにクリームを重ねた群だけでした。
まず美容液のあとにクリームを重ねて、保湿として使って様子を見ましょう。
試験で効果を測ったのは、60日、4週間、8週間使ったあとです [[22052267]] [[38829483]] [[35587723]]。「数日で」シワが薄くなるかを確かめた試験は見つかりませんでした。
そうとは言えません。76人の試験では、水分量はどの分子量でも高まりましたが、シワが浅くなったのは50 kDaと130 kDaの群だけでした [[22052267]]。
このページは塗る化粧品だけを調べています。飲む場合や注射については、研究では確かめていません。
目元にシワのある女性76人。60日間塗ると、水分量はどの分子量でも基剤だけより高かった。
乾燥肌の高齢者36人。4週間塗ると、低分子の部位は水分量の値が56.37対49.01と高かった。
123人を4群に分けた試験。8時間後に洗顔料だけの群より水分量が高かったのは、重ね塗りの群だけだった。
2 kDaのローションを8週間塗った群は、基剤だけの群よりシワが浅かった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。