[1]ビタミンCを塗ったときの紫外線による色素沈着のメタ解析
- 発表年
- 2019年
- 研究機関
- De Dormael Rほかの研究チーム
- 掲載誌
- The Journal of clinical and aesthetic dermatology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 741人
- 結果の向き
- 良い方向
健康な人741人のRCT31件で、ビタミンCを塗ると紫外線による色素沈着が量が多いほど少なくなった。

ビタミンCは、紫外線による色素沈着を防ぎます。塗るトラネキサム酸は肝斑に効きません。
ビタミンCは、健康な人に紫外線を当てて人工的に作った色素沈着を測った試験の結果です。
日焼けの色を防ぎたいなら、ビタミンCは試せますが、紫外線対策は日焼け止めなどが基本です。できたシミや肝斑を薄くしたいときは、皮膚科で飲むトラネキサム酸などを相談できます [2]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 9.8 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 19 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 2 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 80.8 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 81 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
美白化粧品は、シミやそばかすを目立たなくすることをうたう化粧品です。ビタミンC、トラネキサム酸、ナイアシンアミドなどの成分が使われ、化粧水・美容液・クリームの形があります。飲むトラネキサム酸は医薬品で、塗るものとは別です。
答えの中心は、インドのN.H.L.市立医科大学などの研究チームが2024年に発表したメタ解析です [2]。メタ解析とは、複数の試験の結果をまとめて計算し直す方法です。肝斑の人を対象にしたRCT28件(飲む・塗る・皮内注射の合計)を集め、トラネキサム酸を、いつもの治療と比べています。
| 研究の種類 | トラネキサム酸のRCT28件のメタ解析(飲む・塗る・皮内注射の合計) |
|---|---|
| 対象 | 肝斑のある人 |
| 比べたもの | 飲む・塗る・皮内注射のトラネキサム酸と、いつもの治療 |
| 結果 | 塗るトラネキサム酸は、12週時点で肝斑の重症度に有意な差なし |
飲むトラネキサム酸は、同じ解析で有意に改善しています。
「効きません」は、塗る薬が悪いという意味ではありません。比べた相手が、いつもの治療やほかの塗り薬だったので、上乗せの差がはっきりしなかったということです。大人の肝斑を調べた別のメタ解析(RCT24件。飲む・塗る・皮内注射の合計)でも、塗る場合はいつもの治療より優れているとは確認できませんでした [3]。
トラネキサム酸の方法を比べたネットワークメタ解析では、塗るトラネキサム酸が使い始めて8週目からプラセボより肝斑の重症度を下げました [5]。一方、基剤だけを塗った側と比べた12週の試験では、色が薄くなる効果に差がなく、赤みが出ました [6]。
基剤だけを塗った側と比べて、色が薄くなる効果に差がありませんでした。
塗るビタミンCは、紫外線による色素沈着を防ぐ働きが中心です。健康な人741人のRCT31件は、紫外線を当てて人工的に作った色素沈着を測った試験で、量が多いほど色素沈着が少なくなりました [1]。もともとあるシミを防ぐ試験ではありません。紫外線で作った色素沈着を薄くする段階では、上乗せの効果は確認できませんでした。
肝斑や光老化の人139人のRCT7件の系統的レビューは、対象が別です。こちらでは、機械で測った色素が薄くなりました。目に見える変化には、長く続ける必要があるとされています [7]。
ナイアシンアミド入りのクリームは、基剤より顔のシミ・色むらを目立たなくしました。ただしRCT5件の試験は4〜8週と短く、多くはほかの美白成分との組み合わせです。2002年には、日本人女性18人の顔の左右で5%ナイアシンアミドと基剤を比べ、4週でシミが有意に薄くなりました [8]。2010年には、4%ナイアシンアミドなどを含む乳液で、101人ずつを8週比べています [9]。根拠の確かさは低めです。研究の数が少なく、期間も短いためです。
研究の多くは、顔の左右や基剤との比較で、期間は4〜12週です。トラネキサム酸のジェルを塗った試験では赤みが出ました [6]。肝斑は、飲む薬やレーザーなどの治療もあります。持病や服薬がある人、シミの種類が分からない人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。
形が変わる・急に広がるシミは、化粧品を試す前に皮膚科で診てもらってください。
塗るビタミンCは紫外線による色素沈着を防ぎ、塗るトラネキサム酸は肝斑に効きません。
ナイアシンアミドは目立たなくしましたが、根拠の確かさは低めです。
紫外線対策は日焼け止めなどが基本で、シミを薄くしたいなら皮膚科で相談しましょう。
消えると示した研究は見つかっていません。ナイアシンアミドは基剤より目立たなくしましたが、ビタミンCは薄くする段階の上乗せがありませんでした。
飲むトラネキサム酸は肝斑の重症度を有意に改善しました。塗る場合は、比べた治療との差がはっきりしませんでした [[38283017]]。
ライン使いと単品使いを比べた研究は、今回の範囲では見つかっていません。
健康な人741人のRCT31件で、ビタミンCを塗ると紫外線による色素沈着が量が多いほど少なくなった。
トラネキサム酸のRCT28件(飲む・塗る・皮内注射の合計)で、塗る場合は12週時点で比べた治療と有意な差がなかった。
大人の肝斑のRCT24件(飲む・塗る・皮内注射の合計)で、塗る場合はいつもの治療より優れているとは確認できなかった。
韓国人女性42人の8週の試験で、基剤のクリームより顔のシミ・色むらが有意に目立たなくなった。
塗るトラネキサム酸は、8週目からプラセボより肝斑の重症度スコアの下がり方が有意に大きかった。
5%トラネキサム酸のジェルを12週塗った側は、基剤だけの側と差がなく、赤みが出た。
肝斑や光老化の人139人のRCT7件で、機械で測った色素が有意に薄くなった。
シミのある18人が顔の左右で比べ、ナイアシンアミド入りのクリームは4週でシミを有意に薄くした。
40〜60歳の女性101人ずつの8週の試験で、顔のシミの面積と色むらが基剤より有意に減った。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。