グルコサミンなどのサプリで膝の痛みは和らぐ?

グルコサミンなどのサプリで膝の痛みは和らぐ?
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.06
答え効く

和らぎます。ただし差は小さいです。

根拠

グルコサミンは、大規模な試験10件・3803人の解析で、痛みが10cmの目盛りで0.4cm減りました [1]。意味のある差の目安0.9cmには届かず、2026年のアンブレラレビューでも目安以下でした [2]。差は小さく、意味のある差の目安に届きません。コンドロイチンは、偏りの少ない試験に絞ると効果がはっきりしません [3]。クルクミンは、メタ解析がどれも痛みが減ると報告しています [4]。根拠の確かさは低めです。含まれる研究の質が低く、小さな試験が多いためです。

この答えの範囲

膝の変形性関節症など、膝の痛みが続く人の話です。軟骨のすり減りを防ぐかどうかは調べていません。

じゃあ、どうする?

飲むなら、痛みが目に見えて減るほどの差ではない前提で試しましょう。三つの成分の中では、クルクミンはメタ解析の向きがそろっています。痛みが続くときは、サプリより先に整形外科で相談を。薬を飲んでいる人や甲殻類アレルギーの人は、医師か薬剤師に確認してください。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。14 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。一部で結果が異なる
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量1920研究件数と参加人数
一致度17.825結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 91.8 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 5 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を B から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

グルコサミン・コンドロイチン・クルクミンとは

グルコサミンとコンドロイチンは、軟骨に含まれる成分で、膝の関節の悩み向けのサプリによく使われます。グルコサミンは甲殻類の殻から作られるものが多いのが特徴です。クルクミンは、ウコン(ターメリック)の黄色い色素で、痛みを和らげるとされています。注意点は、成分ごとに研究の強さが大きく違うことです。この節の説明は成分の一般的な紹介で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

よく言われていることは本当?

  • グルコサミンで膝の痛みが和らぐ効きますが、差は小さいです。 意味のある差の目安に届かないという評価が中心です [1] [2]。
  • コンドロイチンで膝の痛みが和らぐ(グルコサミンと一緒に飲むとよい)効くとするメタ解析もありますが、偏りの少ない試験に絞ると効果ははっきりしません [3]。 一緒に飲む組み合わせは、25試験のメタ解析(組み合わせの試験は3件)で痛みも機能も改善しませんでした [5]。ただし、8試験のメタ解析では、WOMAC(膝の痛みなどを点数にする質問票)の合計点だけ良くなった結果もあり、確かではありません [6]。
  • ウコン・クルクミンで関節の痛みが和らぐ効きます。 メタ解析はどれも同じ向きですが、小さな試験が多く、根拠の確かさは低めです [4] [7]。
  • サプリより痛み止めのほうが効くクルクミンでは当てはまりません。 メタ解析で、痛み止めと同じくらいの効果でした [8] [7]。グルコサミンやコンドロイチンと痛み止めの比較は、ここでは調べていません。

グルコサミンは、少し減るが差は小さい

答えの中心は、スイスのベルン大学などの研究チームが2010年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない治療同士も含めて、複数の試験の結果をまとめて比べる方法です。200人を超える大規模な試験だけが集められました。

研究の種類大規模なランダム化試験のネットワークメタ解析
対象股関節・膝の変形性関節症の人(10件・3803人)
比べたものグルコサミン、コンドロイチン、プラセボ(偽薬)
結果グルコサミンの痛みは、プラセボより0.4cm小さかった(10cmの目盛り)
大規模な試験をまとめた結果グルコサミンの痛みは、プラセボより0.4cm小さいにとどまりました。

著者が決めた意味のある差0.9cmには届かず、「関節の痛みを減らさない」と結論しています [1]。

同じ解析で、企業から独立した試験は、企業が資金を出した試験より効果が小さくなっていました。2026年に中国の華山病院などの研究チームが発表したアンブレラレビュー(系統的レビューをさらにまとめ直した研究)も、目盛りで測る痛みはプラセボより小さく減ったものの、効果の大きさは意味のある差の目安以下でした [2]。含まれたレビューの多くは質が低いか非常に低いものでした。

差は小さく、意味のある差の目安に届かない、というのが全体の読み方です。ただ、まったく変わらないわけではありません。17試験のメタ解析では、グルコサミン硫酸塩が痛みをプラセボより小さく減らし、企業が関わらない試験では効果がさらに小さくなりました [9]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

痛みには差がなかったという解析もあります。30試験のメタ解析では、グルコサミンがプラセボより良かったのはこわばりだけでした [10]。尺度の選び方で結果が変わるため、「効く」と「効かない」の両方の報告が出ています [11]。

差がなかった試験膝の変形性関節症の人 1583人(24週間)

グルコサミン、コンドロイチン、その組み合わせは、膝の痛みを全体としては減らしませんでした [12]。

コンドロイチンは、試験の質で結果が変わる

コクランレビュー(ランダム化試験のRCT43件)では、6か月未満の試験でコンドロイチンの痛みの点数がプラセボより10%低くなりました [3]。ただし、割り付けの隠し方が適切な試験・大きな試験・製薬会社の資金が入っていない試験に絞ると、効果ははっきりしなくなりました。18試験のメタ解析でも、偏りの少ない試験で小さな効果があったのは、医薬品グレードの特定の製剤だけでした [13]。一般のサプリに同じ結果が当てはまるとは言えません。

クルクミンは、向きはそろうが試験が小さい

2175人(23研究)のネットワークメタ解析で、クルクミンは痛みの目盛りをプラセボより1.63点下げました [4]。膝の変形性関節症の17試験の解析でも、ふつうのクルクミン製剤はWOMACの痛みの点数を3.17点下げています。吸収を高めた製剤では30%減り、臨床的に意味のある差の目安に届きました [14]。ただし、根拠の確かさは低めです。1009人(RCT11件)のメタ解析で、多くは100人未満の小さな試験だったためです [7]。

02注意点

研究の期間はさまざまです。クルクミンのメタ解析では、著者が12週間より長く飲むことを勧めています [8]。副作用は、プラセボと同じくらいという報告です [8]。グルコサミンは甲殻類由来が多いため、甲殻類アレルギーのある人は原料を確認してください。持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、始める前に医師か薬剤師に相談してください。

痛みが続くときは、先に受診を

膝の痛みには、サプリでは対応できない原因もあります。

03まとめ

グルコサミンなどのサプリで膝の痛みは和らぎますが、差は小さく、意味のある差の目安に届きません。
コンドロイチンは試験の質を絞るとはっきりせず、クルクミンは向きがそろうものの小さな試験が中心です。
続ける前に、痛みの原因を整形外科で確かめてください。運動と栄養の組み合わせは フレイルは運動と栄養をあわせると予防しやすい? も参考になります。

04よくある質問

Qグルコサミンとコンドロイチンは一緒に飲んだほうがいいですか?

一緒に飲むほうが良いという結果は、はっきりしていません。1583人の大規模試験では、組み合わせも痛みを全体として減らしませんでした [[16495392]]。

Q軟骨のすり減りは防げますか?

このページでは調べていません。研究では確かめられていないため、別の疑問として扱います。

Qどのくらい飲むと痛みが変わりますか?

グルコサミンは、1500mgを一度に飲むより、何回かに分けて飲む試験のほうが効果が大きい、というメタ解析があります [[30566740]]。それでも差は小さく、期間や量の目安は研究から言い切れません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(15本)

[1]股関節・膝の変形性関節症に対するグルコサミン・コンドロイチンのネットワークメタ解析

発表年
2010年
研究機関
スイス・ベルン大学
掲載誌
BMJ (Clinical research ed.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,803人
結果の向き
良い方向

大規模試験10件・3803人で、グルコサミンの痛みはプラセボより0.4cm小さく、意味のある差0.9cmに届かなかった。

[2]膝の変形性関節症に対するグルコサミン: アンブレラレビュー

発表年
2026年
研究機関
中国・華山病院
掲載誌
Frontiers in nutrition
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

系統的レビューをまとめ直し、痛みの効果は意味のある差の目安以下だった。

[3]変形性関節症に対するコンドロイチン

発表年
2015年
研究機関
アメリカ・バーミンガム退役軍人医療センター
掲載誌
The Cochrane database of systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究43件を統合
結果の向き
良い方向

RCT43件で、6か月未満の試験では痛みが10%低かったが、質の高い試験に絞ると効果ははっきりしなかった。

[4]膝の変形性関節症へのクルクミンの効果と安全性:ネットワークメタ解析

発表年
2024年
研究機関
中国・広州中医薬大学
掲載誌
Journal of ethnopharmacology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
2,175人
結果の向き
良い方向

2175人(23研究)で、クルクミンは痛みの目盛りを1.63点下げた。

[5]Evaluation of efficacy and safety of glucosamine sulfate, chondroitin sulfate, and their combination regimen in the management of knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis.

発表年
2024年
研究機関
インド・Rabade Aほかの研究チーム
掲載誌
Inflammopharmacology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究25件を統合
結果の向き
差なし

25試験のメタ解析で、グルコサミン硫酸塩とコンドロイチン硫酸塩の組み合わせは痛みも機能も改善しなかった

[6]Efficacy and safety of the combination of glucosamine and chondroitin for knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis.

発表年
2023年
研究機関
中国・Meng Zほかの研究チーム
掲載誌
Archives of orthopaedic and trauma surgery
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,793人
結果の向き
良い方向

グルコサミンとコンドロイチンを一緒に飲む組み合わせ(RCT8件・3793人)では、WOMACの合計点がプラセボより良かったが、目盛りで測る痛み(VAS)には差がなかった

[7]膝の変形性関節症に対するクルクミンとボスウェリアのメタ解析

発表年
2018年
研究機関
アメリカ・タフツ医療センター
掲載誌
Seminars in arthritis and rheumatism
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,009人
結果の向き
良い方向

RCT11件・1009人で痛みが和らいだが、試験の質は低く、多くは小さな試験だった。

[8]ウコンエキスとクルクミンのサプリの変形性関節症への効果と安全性

発表年
2021年
研究機関
中国・北京協和医院
掲載誌
Bioscience reports
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,621人
結果の向き
良い方向

RCT15件・1621人で、痛みはプラセボより下がり、痛み止めとは同じくらいだった。

[9]グルコサミン硫酸塩の関節症の痛みと関節の隙間への効果

発表年
2018年
研究機関
Knapik JJほかの研究チーム
掲載誌
Journal of special operations medicine : a peer reviewed journal for SOF medical professionals
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究17件を統合
結果の向き
良い方向

17試験で痛みを小さく減らし、企業が関わらない試験では効果がより小さかった。

[10]変形性関節症に対するグルコサミン・コンドロイチンの効果と安全性

発表年
2018年
研究機関
中国・宝山区疾病予防管理センター
掲載誌
Journal of orthopaedic surgery and research
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究30件を統合
結果の向き
差なし

30試験で、グルコサミンがプラセボより良かったのはこわばりだけで、痛みには差がなかった。

[11]Effects of glucosamine in patients with osteoarthritis of the knee: a systematic review and meta-analysis.

発表年
2018年
研究機関
日本・Ogata Tほかの研究チーム
掲載誌
Clinical rheumatology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

日本の研究者によるメタ解析で、目盛りで測る痛み(VAS)にわずかに良い効果が見られたが、膝の機能(WOMAC)への効果は小さく有意ではなかった

[12]Glucosamine, chondroitin sulfate, and the two in combination for painful knee osteoarthritis.

発表年
2006年
研究機関
アメリカ・Clegg DOほかの研究チーム
掲載誌
The New England journal of medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
1,583人
結果の向き
差なし

米国の大規模試験GAIT(1583人・24週間)で、グルコサミン、コンドロイチン、その組み合わせは、膝の痛みを全体としては減らさなかった

[13]膝の変形性関節症に対するコンドロイチン硫酸塩のメタ解析

発表年
2019年
研究機関
ベルギー・リエージュ大学
掲載誌
Advances in therapy
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究18件を統合
結果の向き
良い方向

18試験で痛みが減ったが、偏りの少ない試験では特定の製剤だけに小さな効果があった。

[14]ウコン製品が膝の変形性関節症に与える効果:ネットワークメタ解析

発表年
2025年
研究機関
タイ・マヒドン大学
掲載誌
BMC complementary medicine and therapies
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究17件を統合
結果の向き
良い方向

17試験で、ふつうのクルクミン製剤はWOMACの痛みを3.17点下げた。吸収を高めた製剤は30%減った。

膝の変形性関節症の長期の痛みと薬物治療の関連のネットワークメタ解析

発表年
2018年
研究機関
イタリア・パドヴァ大学
掲載誌
JAMA
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

1年以上続けた試験だけを集めた解析で、グルコサミン硫酸塩は膝の痛みの減り方がプラセボより小さく上回った(標準化平均差-0.29)が、著者はどの薬もプラセボとの差の推定は不確かさが大きいとした

ほかに参考にした論文(9本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。