砂糖(糖類)を減らすと痩せる?

砂糖(糖類)を減らすと痩せる?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

痩せます。砂糖を食事から差し引くと、体重が平均0.96kg減ります。

根拠

169件の試験・10,357人をまとめた2023年のメタ解析で、砂糖を食事から差し引いた試験では体重が平均0.96kg減りました [1]。2012年の解析でも、食べる量を厳しく決めない大人の試験で、糖を減らすと平均0.80kg減っています [2]。根拠の確かさは中程度です。

この答えの範囲

減らした分を、ほかの食べ物で補わない場合の話です。2023年の解析では、同じカロリーで置き換えた試験と自由に補える試験で差が出ていません。2012年の解析は自由に食べる大人の試験で減っており、結果は割れています。

じゃあ、どうする?

砂糖や甘い飲み物を減らしたら、その分のカロリーを別の物で補わないのが、研究の条件に近い形です。まずは毎日飲む甘い飲み物から。ごはんやパンに置き換えるだけでは、体重は変わりません。持病や服薬がある人は、食事を変える前に医師に相談してください。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。5 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 84 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量2020研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 100 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から B に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

糖類とは

糖類は、砂糖や果糖、ぶどう糖など、甘みのある糖の総称です。お菓子や清涼飲料に多く、果物や乳製品にも自然に含まれます。「砂糖を減らす」は、主にお菓子や甘い飲み物など、加えられた砂糖を食事から減らすことを指します。注意点は、減らした分を別の食べ物で補うと、結果が変わることです。ここは研究で確かめたものではなく、一般的な説明です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、カナダのトロント大学などの研究チームが2023年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の試験の結果をまとめて計算し直す方法です。果糖を含む糖(砂糖・甘い飲み物・果物など)を扱った169件の試験・10,357人(期間の中央値12週)が集められ、砂糖の扱い方を4つの型に分けて調べました。

研究の種類管理した食事の試験を集めたメタ解析
対象果糖を含む糖を扱った試験の参加者(169件・10,357人)
比べたもの砂糖を差し引く・加える・同じカロリーで置き換える・自由に食べる
結果差し引くと体重が減り、加えると増え、置き換えと自由に食べる試験では差がない
まとめて分析した結果砂糖を差し引いた試験では、体重が平均0.96kg減りました [1]。

加えた試験では平均0.28kg増え、置き換えの試験と自由に食べる試験では差がありませんでした。

減るのは、砂糖の分のカロリーがそのまま減る場面です。一方で、減らした分をほかの食べ物で補える場面では、2023年の解析で体重の差が出ていません。「砂糖を減らせば誰でも大きく痩せる」とは読めない結果です。

砂糖の扱い方で結果が分かれる

  • 差し引く: 体重が平均0.96kg減る [1]
  • 加える: 体重が平均0.28kg増える [1]
  • 同じカロリーでほかの炭水化物に置き換える: 体重は変わらない(差は0.04kg) [2]
  • 自由に補える: 2023年の解析では差がない [1]

何が違う?なぜ痩せる?

理由は、研究ではカロリーの変化と考えられています。2012年の系統的レビューの著者は、糖を減らしたときの体重の変化はカロリーの変化を通じたものと結論しています [2]。砂糖そのものが特別に太らせるのではなく、砂糖の分のカロリーが減るかどうかで決まる、という読み方です。

砂糖を多くとると食欲が増して、あとで食べ過ぎるという説明もよく見かけます。太り気味の成人で調べた系統的レビューでは、砂糖を多くとっても、その後の食べる量や満腹感は変わりませんでした [3]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

ニュージーランドのオタゴ大学の研究チームが2012年に発表した系統的レビューでは、食べる量を厳しく決めない大人の試験で、糖を減らすと体重が平均0.80kg減りました [2]。2023年のメタ解析では、自由に食べる試験で差が出ておらず、集めた試験や分け方の違いで結果がそろいません。

結果が分かれた解析食べる量を厳しく決めない大人の試験(ランダム化比較試験30件を含む)

糖を減らすと体重が平均0.80kg減り、増やすと平均0.75kg増えました [2]。

甘い飲み物だけを減らすと?

大人のランダム化比較試験16件・1,343人のメタ解析では、甘い飲み物を食事から抜くと体重が平均0.49kg減り、加えると平均0.83kg増えました [4]。一方、甘い飲み物を水に置き換えた3件(429人。太り気味・肥満で、糖尿病がある、またはその恐れがある大人の試験)では、体重の差は見られませんでした [5]。

よく言われていることは本当?

  • 砂糖を減らすと体重が減る効きます。 砂糖を差し引いた試験で、体重が平均0.96kg減りました。根拠の確かさは中程度です [1]
  • 甘い飲み物をやめるのが手軽な減量の一歩効きます。 大人の試験で体重が平均0.49kg減りました [4]。糖尿病がある、またはその恐れがある太り気味の大人を対象にした、水に置き換えた3件では差がありませんでした [5]
  • 太るかどうかは糖質か糖類かではなく、総カロリーで決まるほぼ本当です。 同じカロリーで置き換えても体重は変わりませんでした [2]
  • 砂糖をとると血糖値が急に上がり、すぐお腹がすいてさらに食べてしまう研究では確かめられていません。 砂糖を多くとっても、その後の食べる量や満腹感は変わりませんでした [3]
  • 果物の糖は別で、問題は加工食品に足された砂糖食品ごとに違います。 置き換えの試験では、果物では体重が減り、甘味料として加える砂糖や甘い飲み物を含む食品では増えました [1]

02注意点

対象は一般の成人です。子どもの試験では、砂糖を減らす助言が守られにくく、体重の差は出ませんでした [2]。2023年の解析の期間は、中央値で12週です [1]。それより長く続けたときの体重は、この結果からは言えません。糖尿病などの持病がある人、服薬中の人、極端に食事を減らしたい人は、医師や管理栄養士に相談してください。

減らした分の行き先を考える

砂糖を減らしても、同じ量のカロリーをほかの物で補うと、体重は変わりません。

03まとめ

砂糖を食事から差し引くと、体重は平均0.96kg減ります。
減らした分を、ほかの糖質や食べ物で補わないことが条件です。
まず毎日飲む甘い飲み物から見直して、体重の変化を見てみましょう。

04よくある質問

Q0.96kgは大きな変化ですか?

平均では1kgに届かない変化で、中央値12週の試験の結果です [[36842451]]。大きな減量というより、食事全体を見直すときの一歩と読むのが正確です。

Q砂糖を人工甘味料に置き換えれば痩せますか?

糖尿病がある、またはその恐れがある太り気味の大人の解析では、甘い飲み物をカロリーゼロの甘味飲料に置き換えると、体重が平均1.06kg減りました [[35285920]]。一般の成人全体に当てはまるかは、この記事の研究では確かめられていません。

Q甘い物が欲しくなるのは、砂糖のせいですか?

砂糖を多くとっても、その後の食べる量や満腹感は変わらないという結果があります [[30489234]]。疲れとの関係は[疲れると甘い物が欲しくなるのはなぜ?](/evidence/tired-sweet-craving)で扱っています。

05参照した論文

判定に使った主な論文(5本)

[1]果糖を含む糖の主な食品源と体の脂肪: 管理した食事試験のメタ解析

発表年
2023年
研究機関
カナダ・トロント大学
掲載誌
The American journal of clinical nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
10,357人
結果の向き
良い方向

169件の試験・10,357人で、砂糖を差し引くと体重が平均0.96kg減った。

[2]食事中の糖と体重: ランダム化比較試験とコホート研究の系統的レビュー

発表年
2012年
研究機関
ニュージーランド・オタゴ大学
掲載誌
BMJ (Clinical research ed.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究30件を統合
結果の向き
良い方向

食べる量を厳しく決めない大人の試験で、糖を減らすと体重が平均0.80kg減った。

[3]砂糖を多くとると太り気味の成人の食欲は変わるか: 系統的レビュー

発表年
2019年
研究機関
オーストラリア・ウーロンゴン大学
掲載誌
The British journal of nutrition
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
差なし

砂糖を多くとっても、その後の食べる量や満腹感は変わらなかった。

[4]甘い飲み物と子ども・大人の体重増加: 系統的レビューとメタ解析

発表年
2023年
研究機関
カナダ・トロント大学
掲載誌
The American journal of clinical nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,343人
結果の向き
良い方向

大人の試験16件・1,343人で、甘い飲み物を抜くと体重が平均0.49kg減った。

[5]甘い飲み物の代わりに低カロリー甘味飲料を選ぶと: 系統的レビュー

発表年
2022年
研究機関
カナダ・トロント大学
掲載誌
JAMA network open
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
429人
結果の向き
差なし

甘い飲み物を水に置き換えた3件・429人では、体重に差は見られなかった。

ほかに参考にした論文(8本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。