[1]果糖を含む糖の主な食品源と体の脂肪: 管理した食事試験のメタ解析
- 発表年
- 2023年
- 研究機関
- カナダ・トロント大学
- 掲載誌
- The American journal of clinical nutrition
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 10,357人
- 結果の向き
- 良い方向
169件の試験・10,357人で、砂糖を差し引くと体重が平均0.96kg減った。

痩せます。砂糖を食事から差し引くと、体重が平均0.96kg減ります。
減らした分を、ほかの食べ物で補わない場合の話です。2023年の解析では、同じカロリーで置き換えた試験と自由に補える試験で差が出ていません。2012年の解析は自由に食べる大人の試験で減っており、結果は割れています。
砂糖や甘い飲み物を減らしたら、その分のカロリーを別の物で補わないのが、研究の条件に近い形です。まずは毎日飲む甘い飲み物から。ごはんやパンに置き換えるだけでは、体重は変わりません。持病や服薬がある人は、食事を変える前に医師に相談してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 20 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 100 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から B に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
糖類は、砂糖や果糖、ぶどう糖など、甘みのある糖の総称です。お菓子や清涼飲料に多く、果物や乳製品にも自然に含まれます。「砂糖を減らす」は、主にお菓子や甘い飲み物など、加えられた砂糖を食事から減らすことを指します。注意点は、減らした分を別の食べ物で補うと、結果が変わることです。ここは研究で確かめたものではなく、一般的な説明です。
答えの中心は、カナダのトロント大学などの研究チームが2023年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の試験の結果をまとめて計算し直す方法です。果糖を含む糖(砂糖・甘い飲み物・果物など)を扱った169件の試験・10,357人(期間の中央値12週)が集められ、砂糖の扱い方を4つの型に分けて調べました。
| 研究の種類 | 管理した食事の試験を集めたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 果糖を含む糖を扱った試験の参加者(169件・10,357人) |
| 比べたもの | 砂糖を差し引く・加える・同じカロリーで置き換える・自由に食べる |
| 結果 | 差し引くと体重が減り、加えると増え、置き換えと自由に食べる試験では差がない |
加えた試験では平均0.28kg増え、置き換えの試験と自由に食べる試験では差がありませんでした。
減るのは、砂糖の分のカロリーがそのまま減る場面です。一方で、減らした分をほかの食べ物で補える場面では、2023年の解析で体重の差が出ていません。「砂糖を減らせば誰でも大きく痩せる」とは読めない結果です。
理由は、研究ではカロリーの変化と考えられています。2012年の系統的レビューの著者は、糖を減らしたときの体重の変化はカロリーの変化を通じたものと結論しています [2]。砂糖そのものが特別に太らせるのではなく、砂糖の分のカロリーが減るかどうかで決まる、という読み方です。
砂糖を多くとると食欲が増して、あとで食べ過ぎるという説明もよく見かけます。太り気味の成人で調べた系統的レビューでは、砂糖を多くとっても、その後の食べる量や満腹感は変わりませんでした [3]。
ニュージーランドのオタゴ大学の研究チームが2012年に発表した系統的レビューでは、食べる量を厳しく決めない大人の試験で、糖を減らすと体重が平均0.80kg減りました [2]。2023年のメタ解析では、自由に食べる試験で差が出ておらず、集めた試験や分け方の違いで結果がそろいません。
糖を減らすと体重が平均0.80kg減り、増やすと平均0.75kg増えました [2]。
大人のランダム化比較試験16件・1,343人のメタ解析では、甘い飲み物を食事から抜くと体重が平均0.49kg減り、加えると平均0.83kg増えました [4]。一方、甘い飲み物を水に置き換えた3件(429人。太り気味・肥満で、糖尿病がある、またはその恐れがある大人の試験)では、体重の差は見られませんでした [5]。
対象は一般の成人です。子どもの試験では、砂糖を減らす助言が守られにくく、体重の差は出ませんでした [2]。2023年の解析の期間は、中央値で12週です [1]。それより長く続けたときの体重は、この結果からは言えません。糖尿病などの持病がある人、服薬中の人、極端に食事を減らしたい人は、医師や管理栄養士に相談してください。
砂糖を減らしても、同じ量のカロリーをほかの物で補うと、体重は変わりません。
砂糖を食事から差し引くと、体重は平均0.96kg減ります。
減らした分を、ほかの糖質や食べ物で補わないことが条件です。
まず毎日飲む甘い飲み物から見直して、体重の変化を見てみましょう。
平均では1kgに届かない変化で、中央値12週の試験の結果です [[36842451]]。大きな減量というより、食事全体を見直すときの一歩と読むのが正確です。
糖尿病がある、またはその恐れがある太り気味の大人の解析では、甘い飲み物をカロリーゼロの甘味飲料に置き換えると、体重が平均1.06kg減りました [[35285920]]。一般の成人全体に当てはまるかは、この記事の研究では確かめられていません。
砂糖を多くとっても、その後の食べる量や満腹感は変わらないという結果があります [[30489234]]。疲れとの関係は[疲れると甘い物が欲しくなるのはなぜ?](/evidence/tired-sweet-craving)で扱っています。
169件の試験・10,357人で、砂糖を差し引くと体重が平均0.96kg減った。
食べる量を厳しく決めない大人の試験で、糖を減らすと体重が平均0.80kg減った。
砂糖を多くとっても、その後の食べる量や満腹感は変わらなかった。
大人の試験16件・1,343人で、甘い飲み物を抜くと体重が平均0.49kg減った。
甘い飲み物を水に置き換えた3件・429人では、体重に差は見られなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。