[1]難消化性デキストリン入り飲料による内臓脂肪の減少効果と安全性の試験
- 発表年
- 2020年
- 研究機関
- 企業の研究部門
- 掲載誌
- Journal of nutritional science and vitaminology
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 140人
- 結果の向き
- 良い方向
健康な大人140人で、12週間で内臓脂肪の面積が105.33cm²から101.15cm²に減った。

内臓脂肪は減りますが、体重は減ってもわずかで、痩せるほどではありません。
健康な大人から、太り気味・メタボの大人までの話です。血糖や便通への効果は、この記事では扱っていません。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10.1 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 15.6 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 80.7 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 81 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
難消化性デキストリンは、でんぷんから作る水溶性の食物繊維です。水に溶けやすく、飲み物や食事に混ぜて使われます。食後の血糖や脂肪の吸収をおだやかにするとされ、粉末、飲料、お茶などの形があります。注意点は、とりすぎるとおなかの症状が出ることです。ここは一般的な説明で、この記事の研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、北里大学などの研究チームが2017年に発表したメタ解析です [3]。メタ解析とは、複数の試験の結果を統計でまとめ直す方法です。太り気味・肥満の大人を対象にした比較試験が3件集められました。3件ともアジアの国の試験です。
| 研究の種類 | 比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 太り気味・肥満の大人(3件・275人) |
| 比べたもの | 難消化性デキストリンを8〜12週間とる人と、プラセボの人 |
| 結果 | 体重が平均0.81kg、BMIが0.39少ない |
差は統計的にははっきりしていますが、痩せたと実感できる大きさではありません。
「減る」という向きはそろっていますが、8〜12週間とり続けても差は1kgに届きません。「まったく変わらない」でも「痩せる」でもなく、「わずかに減る」と読むのが正確です。
内臓脂肪やおなかまわりでは、減ったという試験があります。
根拠の確かさは低めです。この3本は、どれも筆頭著者が難消化性デキストリンのメーカーに所属しています。参加者も30〜140人と少なく、減り幅は小さいものでした。
体重の差が見られなかった試験が、メタ解析のあとに続いています。対象や条件の違いが理由と考えられます。
食事を減らしている人では、体重の減り方も体の組成も、プラセボと差がありませんでした。
なお、同じ食物繊維の仲間全体の結果は 食物繊維で体重は減る? にまとめています。
研究で使われた量は、1回5gから、多い試験で毎日45gまでと幅があります。健康な男性48人が30gか45gを4〜5週間とった試験では、体重は変わらず、おなかの調子への影響を主に調べています [8]。一方、イヌリンと合わせてとった食事制限中の試験では、おなかの症状がプラセボより多く出ました [5]。持病がある人、服薬中の人、おなかが弱い人は、医師や薬剤師に確認してから始めてください。
はじめは少量にして、体の反応を見ながら増やしましょう。
難消化性デキストリンは、内臓脂肪やおなかまわりには効きますが、体重はほとんど変わりません。
当てはまるのは健康な大人から太り気味・メタボの大人で、減り幅は小さく、メーカー所属の研究者による試験が中心です。
体重を落としたいなら、食事と運動を軸に、飲み物に足す補助として考えましょう。
研究では、1回5〜9gを毎食時にとった試験で内臓脂肪が減りました [[33132344]] [[23419401]]。ただし最適な量は、研究から決められていません。
研究では、飲む時間帯を比べていません。内臓脂肪が減った試験は、どれも毎食時にとっています [[33132344]] [[23419401]]。
両者を直接比べた研究は見つかっていません。イヌリンと組み合わせた試験でも、食事制限中の体重に差はありませんでした [[31605197]]。
研究では、体重が増えたという結果は見つかっていません。体重の差がなかった試験が中心です [[34170392]] [[16482066]]。
健康な大人140人で、12週間で内臓脂肪の面積が105.33cm²から101.15cm²に減った。
メタボリックシンドロームの30人で、12週間で腹囲と内臓脂肪の面積がプラセボより減った。
太り気味の大人275人(RCT3件)で、体重がプラセボより平均0.81kg、BMIが0.39減った。
イギリスの正常体重20人と太り気味16人で、28日間とっても体格や食べた量はプラセボと変わらなかった。
ダイエット中の太り気味の116人で、12週間とっても体重の減り方はプラセボと差がなかった。
太り気味の中国人男性で、12週間で体脂肪率がプラセボより0.3%、体重が1.5kg減った。
食物繊維の試験をまとめたレビューで、続けてとると食欲の評価が良くなったが、一度では差がなかった。
健康な男性が30gか45gを4〜5週間とって、体重は変わらなかった。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。