難消化性デキストリンで痩せる?

難消化性デキストリンで痩せる?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.04
答え効かない

内臓脂肪は減りますが、体重は減ってもわずかで、痩せるほどではありません。

根拠

内臓脂肪: 健康な大人やメタボの人が12週間とった比較試験で、内臓脂肪の面積や腹囲がプラセボより減りました [1] [2]。根拠の確かさは低めです。効いた試験はいずれも筆頭著者がメーカー所属で、減り幅も小さいためです。体重: 3件・275人のメタ解析で平均0.81kgの差でしたが [3]、その後のイギリスの試験や食事制限中の試験では差がありませんでした [4] [5]。

この答えの範囲

健康な大人から、太り気味・メタボの大人までの話です。血糖や便通への効果は、この記事では扱っていません。

じゃあ、どうする?

体重を落としたいなら、これだけに頼らず食事と運動を軸にしてください。おなかまわりが気になる人が試すなら、研究で使われた1回5〜9gの量が目安です [1] [2]。おなかがゆるくなる人もいるので、少量から始めましょう。持病や服薬がある人は医師や薬剤師に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。8 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。一部で結果が異なる
判定の内訳を見る(スコア 81 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量10.120研究件数と参加人数
一致度15.625結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 80.7 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 81 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・RCT のメタ解析 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

難消化性デキストリンとは

難消化性デキストリンは、でんぷんから作る水溶性の食物繊維です。水に溶けやすく、飲み物や食事に混ぜて使われます。食後の血糖や脂肪の吸収をおだやかにするとされ、粉末、飲料、お茶などの形があります。注意点は、とりすぎるとおなかの症状が出ることです。ここは一般的な説明で、この記事の研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

体重への効果

答えの中心は、北里大学などの研究チームが2017年に発表したメタ解析です [3]。メタ解析とは、複数の試験の結果を統計でまとめ直す方法です。太り気味・肥満の大人を対象にした比較試験が3件集められました。3件ともアジアの国の試験です。

研究の種類比較試験のメタ解析
対象太り気味・肥満の大人(3件・275人)
比べたもの難消化性デキストリンを8〜12週間とる人と、プラセボの人
結果体重が平均0.81kg、BMIが0.39少ない
まとめて分析した結果体重は、プラセボより平均0.81kg減りました [3]。

差は統計的にははっきりしていますが、痩せたと実感できる大きさではありません。

「減る」という向きはそろっていますが、8〜12週間とり続けても差は1kgに届きません。「まったく変わらない」でも「痩せる」でもなく、「わずかに減る」と読むのが正確です。

体脂肪・内臓脂肪では

内臓脂肪やおなかまわりでは、減ったという試験があります。

  • 日本の健康な大人140人が、5g入りの飲料を毎食時に12週間飲んだ試験で、内臓脂肪の面積が105.33cm²から101.15cm²に減り、プラセボとの差もはっきりしていました [1]
  • メタボリックシンドロームの30人が、9g入りのお茶を毎食時に12週間飲んだ試験で、腹囲と内臓脂肪の面積がプラセボより減りました [2]
  • 太り気味の中国人男性が、17gを入れた果汁を毎日2回、12週間飲んだ試験(各群60人)で、体脂肪率が0.3%、体重が1.5kg、プラセボより減りました(体重の結果は上のメタ解析に含まれるとみられます) [6]

根拠の確かさは低めです。この3本は、どれも筆頭著者が難消化性デキストリンのメーカーに所属しています。参加者も30〜140人と少なく、減り幅は小さいものでした。

よく言われていることは本当?

  • 難消化性デキストリンで痩せるほぼウソです。 体重の差は、平均0.81kgにとどまります [3]。その後の試験では、体重の差がないものもありました [4] [5]。
  • 内臓脂肪を減らす効きます。 ただし上の3本のとおり、減り幅は小さく、メーカー所属の研究者による試験が中心です [1] [2]。
  • 満腹感が続き、食べすぎを防ぐ研究が足りません。 食物繊維の試験をまとめたレビューでは、続けてとると食欲の評価が良くなり、一度とっただけでは差がありませんでした [7]。イギリスの試験では、食べた量は変わりませんでした [4]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

体重の差が見られなかった試験が、メタ解析のあとに続いています。対象や条件の違いが理由と考えられます。

  • イギリスの試験は、正常体重20人と太り気味16人が、1日14gを28日間とりました。体格や食べた量は、プラセボと変わりませんでした [4]
  • デンマークの試験は、毎日500kcalを減らす食事をしながら、イヌリンと難消化性デキストリンを12週間とりました。体重の減り方に差はなく、体の脂肪の量にも差はありませんでした [5]
食事制限中の試験太り気味・肥満の116人(最後まで続けたのは86人)

食事を減らしている人では、体重の減り方も体の組成も、プラセボと差がありませんでした。

なお、同じ食物繊維の仲間全体の結果は 食物繊維で体重は減る? にまとめています。

02注意点

研究で使われた量は、1回5gから、多い試験で毎日45gまでと幅があります。健康な男性48人が30gか45gを4〜5週間とった試験では、体重は変わらず、おなかの調子への影響を主に調べています [8]。一方、イヌリンと合わせてとった食事制限中の試験では、おなかの症状がプラセボより多く出ました [5]。持病がある人、服薬中の人、おなかが弱い人は、医師や薬剤師に確認してから始めてください。

おなかの症状が出たら量を減らす

はじめは少量にして、体の反応を見ながら増やしましょう。

03まとめ

難消化性デキストリンは、内臓脂肪やおなかまわりには効きますが、体重はほとんど変わりません。
当てはまるのは健康な大人から太り気味・メタボの大人で、減り幅は小さく、メーカー所属の研究者による試験が中心です。
体重を落としたいなら、食事と運動を軸に、飲み物に足す補助として考えましょう。

04よくある質問

Q1日にどのくらいとればいい?

研究では、1回5〜9gを毎食時にとった試験で内臓脂肪が減りました [[33132344]] [[23419401]]。ただし最適な量は、研究から決められていません。

Qいつ飲むのがいい?

研究では、飲む時間帯を比べていません。内臓脂肪が減った試験は、どれも毎食時にとっています [[33132344]] [[23419401]]。

Qイヌリンとどちらが痩せる?

両者を直接比べた研究は見つかっていません。イヌリンと組み合わせた試験でも、食事制限中の体重に差はありませんでした [[31605197]]。

Q飲み続けると太りますか?

研究では、体重が増えたという結果は見つかっていません。体重の差がなかった試験が中心です [[34170392]] [[16482066]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(8本)

[1]難消化性デキストリン入り飲料による内臓脂肪の減少効果と安全性の試験

発表年
2020年
研究機関
企業の研究部門
掲載誌
Journal of nutritional science and vitaminology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
140人
結果の向き
良い方向

健康な大人140人で、12週間で内臓脂肪の面積が105.33cm²から101.15cm²に減った。

[2]メタボリックシンドロームの人が難消化性デキストリンを続けてとった効果

発表年
2012年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
Journal of nutritional science and vitaminology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

メタボリックシンドロームの30人で、12週間で腹囲と内臓脂肪の面積がプラセボより減った。

[3]太りぎみの大人の減量に対する難消化性デキストリンのメタ解析

発表年
2017年
研究機関
日本・北里大学
掲載誌
Journal of pharmaceutical health care and sciences
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
275人
結果の向き
良い方向

太り気味の大人275人(RCT3件)で、体重がプラセボより平均0.81kg、BMIが0.39減った。

[4]難消化性デキストリンが満腹感や血糖に与える影響の試験

発表年
2021年
研究機関
イギリス・レディング大学
掲載誌
European journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

イギリスの正常体重20人と太り気味16人で、28日間とっても体格や食べた量はプラセボと変わらなかった。

[5]食事制限中の減量に対するイヌリンと難消化性デキストリンの効果

発表年
2020年
研究機関
デンマーク・コペンハーゲン大学
掲載誌
European journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
116人
結果の向き
差なし

ダイエット中の太り気味の116人で、12週間とっても体重の減り方はプラセボと差がなかった。

[6]太りぎみの男性の体重・体組成・食欲に対する食物繊維の効果

発表年
2011年
研究機関
フランス・企業の研究部門
掲載誌
International journal of food sciences and nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

太り気味の中国人男性で、12週間で体脂肪率がプラセボより0.3%、体重が1.5kg減った。

[7]取り出した食物繊維が食欲と食べる量に与える影響のレビュー

発表年
2023年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
Appetite
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

食物繊維の試験をまとめたレビューで、続けてとると食欲の評価が良くなったが、一度では差がなかった。

[8]健康な男性が難消化性デキストリンを長くとったときのおなかの耐性

発表年
2006年
研究機関
オランダ・オランダ応用科学研究機構
掲載誌
European journal of clinical nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
48人
結果の向き
差なし

健康な男性が30gか45gを4〜5週間とって、体重は変わらなかった。

ほかに参考にした論文(8本)

判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。