[1]フルスクワットは浅いスクワットより筋力と運動成績を伸ばし、痛みも少ない
- 発表年
- 2020年
- 研究機関
- スペイン・ムルシア大学
- 掲載誌
- European journal of sport science
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 53人
- 結果の向き
- 良い方向
筋トレ経験のある男性53人で、10週間のフルスクワットは最大挙上重量とジャンプなどの成績を最もよく伸ばした。

脚の筋力とジャンプ力が伸びます。ウォールスクワットは血圧も下げます。
運動習慣のある健康な成人の話です。中学生の女子の自重スクワットでは筋力に差がありませんでした [5]。
脚を強くしたいなら、スクワットは試す価値があります。血圧が気になる人は、ウォールスクワットが研究の条件に近い方法です。膝や腰に痛みがある人、血圧が高くて薬を飲んでいる人は、始める前に医師に相談してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 34 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 9.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 16.5 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 65.8 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
スクワットは、足を肩幅に開いて膝を曲げ、しゃがんで立ち上がる運動です。太もも・お尻の大きな筋肉を使うとされ、自重で行う方法、バーベルを担ぐ方法、壁に背中をつけて止まる「ウォールスクワット」などがあります。注意点は、深さやフォームで負担が変わること、膝や腰に痛みがある人は無理をしないことです。
答えの中心は、スペインのムルシア大学などの研究チームが2020年に発表したランダム化比較試験です [1]。参加者を無作為に分けて結果を比べる方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験(小規模) |
|---|---|
| 対象 | 筋トレ経験のある男性53人 |
| 比べたもの | フル・パラレル・ハーフのスクワットを10週間行う群と、トレーニングをやめた対照群 |
| 結果 | フルスクワットで最大挙上重量が増え、ジャンプ・ダッシュなどの成績も最もよく伸びた |
トレーニングをやめた対照群は、すべての測定で下がりました。浅いハーフスクワットは成績が伸びず、痛みとこわばりが増えました。
運動習慣のある女性27人の試験でも、軽い負荷(最大挙上重量の40〜60%)のフルスクワットの群は、対照群より最大挙上重量の推定値やジャンプなどの伸びが大きくなりました。中くらいの負荷(65〜80%)の群が対照群を上回ったのは一部の項目でした [2]。ただし、どちらも小さな試験です。メタ解析(複数の研究をまとめた分析)で「スクワットをしない群」と比べた結果は見つかりませんでした。
中学生の年代の女子52人が、自重スクワットを毎日100回、8週間続けた試験では、膝を伸ばす力・太ももの筋肉の厚み・除脂肪量の伸びが、しない群と差がありませんでした [5]。自重だけの軽い負荷や、成長期の体では、同じ結果になるとは限りません。
膝を伸ばす力・筋肉の厚み・除脂肪量の伸びは、しない群と同じでした。
ウォールスクワットは、膝を曲げた姿勢で止まる運動です。血圧のランダム化比較試験が5件(177人)あり、どれも上の血圧(収縮期血圧)が下がりました。下の血圧は、試験によって下がったものと対照群と差がなかったものがあります。
この5件のうち4件は、同じ英国の研究グループの試験です。試験の規模も小さいため、ほかの研究者による確認が待たれます。
止まった姿勢で力を出し続ける運動(アイソメトリック運動)全体を分析した、40件の研究のメタ解析では、上の血圧が6.72 mmHg下がりました [9]。これはハンドグリップなども含む数字で、ウォールスクワットだけの値ではありません。
しない群と比べて体脂肪率が下がったのは、先ほどの中学生の年代の女子52人の試験の1件だけです。スクワットの群は下がり、しない群は上がりました [5]。大人で、しない群と比べた試験は見つかりませんでした。運動習慣のない若い女性13人の試験では、バーベルスクワットの群だけ体脂肪率が28.66%から24.96%に下がりました。ただしこれは自重の群との比較で、しない群との比較ではありません [10]。
しない群との比較ではありませんが、種目や深さを比べた試験があります。
スクワットとヒップスラストを比べたメタ解析では、スクワットは垂直跳びの高さをより伸ばしました。立ち幅跳び・短いダッシュ・方向転換には、どちらもはっきりした効果がありませんでした [13]。ダッシュについては、スクワットの重量が伸びた研究ほどダッシュも速くなっていた、という関連を示した別のメタ解析もあります [14]。
高齢者16人が自宅で12週間、スクワットを続けると、30秒の椅子立ち上がりの回数は始める前より増えました。膝を伸ばす力と太ももの筋肉の厚みは変わりませんでした。しない群はない試験です [15]。骨粗しょう症などのある閉経後の女性では、8人の群で腰の骨と太ももの付け根の骨のミネラル量が増えましたが、1群8人の小さな試験です [16]。
研究の条件は、運動の経験や年齢でかなり違います。筋トレ経験のある男性は10週間、血圧の試験の多くは週3回で4週間から一年間でした。ウォールスクワットでは、薬を飲んでいない高血圧の人の試験で、途中でやめる人が34%出た報告もあります [17]。深くしゃがむ方法で痛みとこわばりが増えたのは浅いスクワットの群で、フォームや深さは無理のない範囲で調整してください。膝や腰に痛みがある人、血圧の薬を飲んでいる人、持病がある人は、医師や理学療法士に確認してください。
血圧が高い人は、息を止めずに行い、始める前に医師に相談してください。
スクワットは、脚の筋力とジャンプ力を伸ばします。ウォールスクワットは血圧も下げました。
体脂肪や見た目、姿勢は、大人での確かな研究がまだありません。
週の回数は筋トレは週何回がいい?も参考に、無理のない回数から始めましょう。
試験の期間は、血圧で4週間から一年間、筋力で6週間から12週間でした。何日目から変わるかは、研究では確かめられていません。
運動習慣のない若い女性13人の試験では、自重の種目もバーベルスクワットも、膝の筋力と筋肉の厚みを増やしました [[37598268]]。ただし、中学生の年代の女子の自重スクワットでは差がありませんでした [[27336797]]。
別の運動です。血圧を下げた試験はウォールスクワットで、ふつうのスクワットで血圧を測った、しない群との長期の比較は見つかりませんでした。
高血圧の中年23人で、スクワットを含む自重の筋トレを1回行うと、運動後45分の上の血圧が7 mmHg低くなりました [[32779534]]。その場の一時的な変化です。
筋トレ経験のある男性53人で、10週間のフルスクワットは最大挙上重量とジャンプなどの成績を最もよく伸ばした。
運動習慣のある女性27人で、フルスクワットの群は対照群より最大挙上重量の推定値やジャンプなどの伸びが大きかった。
薬を飲んでいない高血圧の成人77人で、ウォールスクワット群は上の血圧が平均12.9 mmHg下がった。
運動不足の30人で、きつめの強さのウォールスクワットが病院で測る上の血圧を平均15.2 mmHg下げた。
中学生の年代の女子52人で、自重スクワットは筋力に差がなかったが、体脂肪率はしない群が上がり実施群は下がった。
血圧が正常な男性28人で、4週間のウォールスクワットにより上の血圧が平均4 mmHg、下の血圧が平均3 mmHg下がった。
血圧がやや高めの男性24人で、一年間のウォールスクワットにより、対照群より上の血圧が平均8.5 mmHg下がった。
運動不足の18人が4週間続け、上の血圧が5.9〜7.7 mmHg、下の血圧が4.4 mmHg下がった。
アイソメトリック運動の40件のメタ解析で、上の血圧が6.72 mmHg、下の血圧が2.72 mmHg下がった。
若い女性13人で、どちらも膝の筋力と筋肉の厚みを増やし差はなく、体脂肪率はバーベルの群だけ下がった。
筋トレをしていない若い女性63人で、スミスマシンのスクワットはスクワットの重量と太ももの外側の筋肉をより伸ばした。
男子学生17人で、深いスクワットは浅いスクワットより太ももの前の筋肉が太くなり、ジャンプの伸びも大きかった。
スクワットは垂直跳びの高さをより伸ばしたが、立ち幅跳び・短いダッシュ・方向転換にははっきりした効果がなかった。
15件・510人のメタ解析で、スクワットの重量が伸びた研究ほどダッシュも速くなっていた。
高齢者16人が12週間続け、椅子立ち上がりの回数は増えたが、膝を伸ばす力と筋肉の厚みは変わらなかった。
12週間の重いスクワットの群は最大挙上重量が154%増え、腰と太ももの付け根の骨のミネラル量も増えた。
薬を飲んでいない軽い高血圧の41人で、ウォールスクワットを6か月続ける試験。途中でやめた人は34%だった。
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