ピラティスは週何回・どのくらいで効果が出る?

ピラティスは週何回・どのくらいで効果が出る?
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.06
答え効く

慢性腰痛では、週1〜3回・8〜12週間ほどで痛みが減ります。

根拠

慢性腰痛の人を対象にしたメタ解析やコクランレビューが、ピラティスで痛みと生活の不自由さが減ると報告しています [1] [2]。ピラティスの中では、週2〜3回・各回50分・8〜12週間のプログラムが最も効果的な条件でした [3]。根拠の確かさは低めです。研究の作りに弱さがあるためです。

この答えの範囲

3か月以上続く腰痛のある成人の話です。健康な人で頻度や期間を比べた研究は見つかっておらず、体重の変化も太りぎみ・肥満の人に限った結果です。

じゃあ、どうする?

腰痛が気になる人は、週2回を目安に8〜12週間続けて様子を見ましょう。週1回でも、助言だけより痛みは減りました [4]。強度は低めでも、高強度と同じ程度の改善でした [5]。痛みが強い・しびれがあるときは、先に医師に相談してください。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。12 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量2020研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 100 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 5 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

ピラティスとは

ピラティスは、体幹を意識しながら呼吸と合わせてゆっくり動く運動です。床で行うマットと、器具を使うマシンがあります。姿勢や柔軟性、腰の不調の改善が期待されるとされています。研究で多く調べられているのは、慢性腰痛への効果です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

週何回・どのくらいで効果が出る?

頻度と期間をいちばん詳しく調べたのは、慢性腰痛の研究です。答えの中心は、中国民用航空飛行大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [3]。メタ解析とは、似た試験の結果を集めて一つにまとめる方法です。

研究の種類慢性腰痛への体幹トレーニングを比べた、ランダム化比較試験のメタ解析(57件)
対象18〜65歳の慢性腰痛の成人(7705人)
比べたものピラティス、体幹の筋力トレーニング、体幹の安定化トレーニング
結果ピラティスは対照群より痛みを改善した(効果量0.75。3種類の中で最大だが、種類の間に統計的な差はなかった)
まとめて分析した結果3種類の体幹トレーニングはどれも、対照群より痛みを改善しました。数値が最も大きかったのはピラティス(効果量0.75)ですが、3種類の間に統計的な差はありませんでした [3]。

ピラティスでは、週2〜3回・各回50分・8〜12週間が、最も効果的な条件でした。

別の見方でも同じ傾向です。慢性腰痛のランダム化比較試験118件・9710人のネットワークメタ解析では、ピラティスは痛みと生活の不自由さを減らす可能性が最も高い運動で、効果が大きかったのは週1〜2回以上、3〜9週間のプログラムでした [6]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない運動どうしも含めて順位をつける方法です。

試験で回数を直接比べた例もあります。慢性腰痛の296人で、全員に助言をしたうえで、ピラティスを週1回・週2回・週3回に分けました。6週後には、どの回数でも助言だけの群より痛みが減りました。週2回は週1回より、痛みも生活の不自由さもさらに減っていました [4]。

  • 腰痛の改善は、週1回でも出ています
  • 週2回のほうが、週1回より改善が大きい結果でした
  • 強度は、低くても高くても同じ程度でした。週2回・6週間の試験で、改善はほぼ同じで、副作用は低強度のほうが少なくなりました [5]

コクランレビュー(研究の質を厳しく評価する国際的なまとめ)でも、腰痛のある成人で、ピラティスは最小限の介入より短期的な痛みを平均14.05点(100点満点)減らしました。ただし、研究の質は低いと評価されています [2]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

ピラティスが、ほかの運動より腰痛に効くとは言えません。コクランレビューでは、ほかの運動と比べたとき、生活の不自由さに有意な差はありませんでした [2]。自宅での運動と比べた試験でも、ピラティスのほうが痛みは少なかったものの、差は臨床的に意味のある大きさではありませんでした [7]。

差が小さかった試験慢性腰痛の人(週2回・6週間、ピラティスと自宅での運動を比較)

終了時の痛みは少なかったが、臨床的に意味のある差ではなかった。

体重や体は何週間で変わる?

体重は、太りぎみ・肥満の人に限った結果です。ランダム化比較試験11件・393人のメタ解析で、ピラティスはほかの運動や何もしない場合と比べて、体重を平均2.40kg減らしました。期間が長い研究ほど、体重とBMIの減り方がはっきりしていました [8]。

一方、健康な成人のマットピラティスでは、BMI・体脂肪率・除脂肪量・腹囲は、ほかの運動や運動しない場合と差がありませんでした [9]。

柔軟性や体幹では、健康な中年の男女50人が週2回・1回60分を12週間続けた試験で、腹筋の持久力と太ももの裏の柔軟性が対照群より伸びました。姿勢とバランスには差がありませんでした [10]。60歳以上の人では、バランスが運動しない群より改善しました(効果量0.36、39件のメタ解析。研究の質は低い)[11]。

よく言われていることは本当?

  • 週2〜3回通うのが効果的慢性腰痛では本当です。 週2〜3回・各回50分・8〜12週間が最も効果的な条件でした [3]。健康な人で回数を比べた研究は見つかっていません。
  • 通った回数が増えるほど、気分・見た目・体の順に変わる研究では確かめられていません。 通った回数ごとの変化を直接調べた研究は見つかりませんでした。
  • 腰痛が楽になる慢性腰痛では効きます [1]。 根拠の確かさは低めです。
  • 姿勢が良くなる成人では改善した研究がありますが、研究の質は非常に低い〜低いとされています [12]。 健康な中年の試験では差がありませんでした [10]。
  • 体が柔らかくなる60歳以上では改善しました。 根拠の確かさは低めです [11]。
  • やせる太りぎみ・肥満の人では体重が減りました [8]。 健康な人のマットピラティスでは差がありませんでした [9]。

02注意点

研究で使われた量は、週1〜3回・6〜12週間ほどの教室やプログラムです。たとえば、慢性腰痛の296人の試験は、6週後に痛みを測っています [4]。3か月以上の長期の結果は、集めた研究からは分かりません。痛みが急に強くなる、足にしびれが出るなどの症状があるときは、続ける前に医師に相談してください。持病がある人や妊娠中の人も、医師や専門家に確認してから始めましょう。

続ける前に、痛みの状態を確かめる

3か月以上続く腰痛の人の結果です。急な痛みやしびれがあるときは、運動の前に受診してください。

03まとめ

ピラティスは、慢性腰痛では週1〜3回・8〜12週間ほどの運動で痛みを減らします。
体重の変化は太りぎみ・肥満の人の結果で、健康な人の頻度や期間を比べた研究はありません。
週2回を目安に始め、数週間単位で痛みの変化を確かめてください。

04よくある質問

Q週1回でも意味はありますか?

慢性腰痛の人では、週1回でも助言だけの群より6週後の痛みが減りました。週2回は週1回よりさらに改善が大きい結果でした [[29525763]]。

Q何回目から効果を実感できますか?

研究では確かめられていません。多くの試験は、数週間から3か月ほどの期間のあとで痛みなどを測っています [[41178988]]。

Q毎日やると、もっと効きますか?

毎日行った場合を調べた研究は、今回集めた中にはありません。研究で使われたのは、週1〜3回ほどでした [[35722759]]。

Qきつい強度で行ったほうがいいですか?

慢性腰痛の週2回・6週間の試験では、高強度でも低強度でも痛みと生活の不自由さの改善はほぼ同じでした [[40122758]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(13本)

[1]慢性腰痛では運動の種類によって効果に差がある

発表年
2021年
研究機関
カナダ・ダルハウジー大学
掲載誌
Journal of physiotherapy
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
20,969人
結果の向き
良い方向

慢性腰痛の成人で、ピラティスは最小限の治療より痛みと生活の不自由さを中くらい〜臨床的に意味のある大きさで減らした。

[2]腰痛に対するピラティス(コクランレビュー)

発表年
2015年
研究機関
オーストラリア・シドニー大学
掲載誌
The Cochrane database of systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
510人
結果の向き
良い方向

腰痛の成人で、ピラティスは最小限の介入より短期的な痛みを平均14.05点減らした(研究の質は低い)。

[3]ピラティス・体幹安定化・体幹筋トレのメタ解析

発表年
2025年
研究機関
中国・中国民用航空飛行大学
掲載誌
Frontiers in physiology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
7,705人
結果の向き
良い方向

慢性腰痛の成人を対象に、ピラティスは体幹トレーニングの中で痛みを最も改善した(効果量0.75)。

[4]慢性腰痛へのピラティスの回数別の効果(週1・2・3回)

発表年
2018年
研究機関
ブラジル・シダーデ・デ・サンパウロ大学
掲載誌
British journal of sports medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

慢性腰痛の296人で、週1・2・3回のどれも助言だけより痛みが減り、週2回は週1回よりさらに減った。

[5]高強度と低強度のピラティスは慢性腰痛に同じ程度の効果

発表年
2025年
研究機関
ブラジル・セアラー連邦大学
掲載誌
Journal of physiotherapy
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

週2回・6週間で、高強度でも低強度でも痛みと生活の不自由さの改善はほぼ同じだった。

[6]慢性腰痛に最適な運動の比較(ピラティス・筋力・体幹・心身運動)

発表年
2022年
研究機関
Fernández-Rodríguez Rほかの研究チーム
掲載誌
The Journal of orthopaedic and sports physical therapy
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
9,710人
結果の向き
良い方向

慢性腰痛の成人で、ピラティスは痛みと生活の不自由さを減らす可能性が最も高い運動だった。

[7]慢性腰痛でのピラティスと自宅運動の比較

発表年
2024年
研究機関
ブラジル・ブラジリア大学
掲載誌
Clinical rehabilitation
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

週2回・6週間のピラティスは自宅運動より痛みが少なかったが、臨床的に意味のある差ではなかった。

[8]太りぎみ・肥満に対するピラティス メタ解析

発表年
2021年
研究機関
中国・広州中医薬大学
掲載誌
Frontiers in physiology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
393人
結果の向き
良い方向

太りぎみ・肥満の成人で、ピラティスは体重を平均2.40kg減らした。

[9]マットピラティスが体組成に与える影響のメタ解析

発表年
2020年
研究機関
Cavina APSほかの研究チーム
掲載誌
Journal of physical activity & health
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究10件を統合
結果の向き
差なし

健康な成人のマットピラティスは、BMIや体脂肪率などで差がなかった。

[10]ピラティスは筋持久力・柔軟性・バランス・姿勢を改善するか

発表年
2010年
研究機関
アメリカ・ガスタバス・アドルファス大学
掲載誌
Journal of strength and conditioning research
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
50人
結果の向き
結果が割れている

中年の男女で、週2回・12週間で腹筋の持久力などが伸びたが、姿勢とバランスには差がなかった。

[11]ピラティスは高齢者の身体機能を高め転倒リスクを下げる

発表年
2021年
研究機関
スペイン・カスティーリャ・ラ・マンチャ大学
掲載誌
Physiotherapy
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究39件を統合
結果の向き
良い方向

60歳以上でバランスが改善した(効果量0.36、研究の質は低い)。

[12]ピラティスは姿勢のずれを改善するか

発表年
2024年
研究機関
ブラジル・北パラナ州立大学
掲載誌
Musculoskeletal care
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究18件を統合
結果の向き
良い方向

成人の姿勢が改善したが、研究の質は非常に低い〜低い。

腰痛に対するピラティスの効果の系統的レビューとメタ解析

発表年
2024年
研究機関
イタリア・パレルモ大学
掲載誌
Disability and rehabilitation
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究19件を統合
結果の向き
良い方向

腰痛のある人で、ピラティスは運動しない場合より腰痛を和らげた。

ほかに参考にした論文(10本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。