[1]初対面の文字のやり取りで、親密な会話は人とのつながりを強めるか
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- アメリカ・ピッツバーグ大学
- 掲載誌
- Journal of Social and Personal Relationships
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 572人
- 結果の向き
- 良い方向
初対面のペア (合計572人) で、打ち明け合う会話は世間話よりつながりの感覚を強め、対面でも文字でも同じだった。

打ち明けると、好かれやすくなります。打ち明け合う会話で、相手とのつながりが強まります。
主な実験は、お互いに打ち明け合う会話です。測ったのは相手とのつながりや親しさの感覚が中心で、「好き」の度合いそのものではありません。SNS の投稿や情報発信では、効果が小さい・安定しない結果でした。
初対面や知り合ったばかりの人には、世間話だけで終えず、自分の経験や考えを少し話してみましょう。相手が打ち明けてくれたときは、打ち明け返したり気づかいを示したりして応えると、好かれやすい結果が出ています。深い話への不安は、本人の予想ほど相手は気にしていないという実験もあります [4]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 30 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 14.1 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 18.1 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 72.2 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 72 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・その他のヒトの研究 2 本・観察研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
自己開示は、自分の経験・気持ち・考えを、相手に話すことです。仕事の話のような表面的な内容から、悩みや失敗談のような個人的な内容まで幅があります。心理学では、人と人が親しくなる過程の一つとして長く研究されてきました。注意点は、「どこまで話すか」が相手との関係で変わることです。
答えの中心は、アメリカのピッツバーグ大学などの研究チームが2025年に発表した、ランダム化した実験です [1]。ランダム化した実験とは、参加者をくじ引きのように組に分けて結果を比べる方法です。面識のないペア (合計572人) が会話をしました。
| 研究の種類 | 初対面のペアをランダムに分けた実験 |
|---|---|
| 対象 | 面識のないペア (合計572人) |
| 比べたもの | 打ち明け合う親密な会話と世間話、対面とスマホの文字のやり取り |
| 結果 | 打ち明け合った組のほうが、会話のあとに相手とのつながりを強く感じた |
対面でもスマホの文字のやり取りでも、この差は変わりませんでした [1]。
この実験が測ったのは、会話のあとに本人が答えた「つながり・親しさ」の感覚です。会話相手を「好き」と答えた度合いそのものではない点に注意してください。
1994年のメタ解析 (アメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校の研究チーム) は、もっと広く「好意」を調べています。親密なことを打ち明ける人は、あまり打ち明けない人より好かれる傾向がありました。好きな相手にはより多く打ち明け、打ち明けた相手をより好きになるという関係も見られました [2]。要旨には研究数や効果の大きさの数値がなく、結果は研究の方法や開示の種類で変わりました。
アメリカのノースウェスタン大学などの研究チームが2022年に発表した一連の実験では、見知らぬ人同士が深い話をした相手のほうに、浅い話をした相手より強いつながりを感じました。相手は、打ち明け話を本人の予想以上に気にかけていました [4]。
理由は研究でまだ確かめきれていません。しくみとして考えられているのは、打ち明けることに脳の快感に関わるしくみ (オピオイド) が関わる、という点です。面識のない組が打ち明け合う課題で、このしくみを薬で止めると、打ち明ける量が減り、相手と親しくなりたい気持ちも弱くなりました [9]。これはしくみの一つの手がかりで、原因が証明されたわけではありません。
場面が会話から離れると、結果は小さくなったり、そろわなくなったりします。研究者が一般の人向けの情報発信で自分のことを話すと、読み手の親しみや温かい人という印象は小さく上がりましたが、能力の面での信頼は下がりました [10]。複数のオンライン実験 (合計2431人) をまとめた結果です。SNS の投稿を読む実験でも、内容が個人的かどうかの影響は安定しませんでした [11]。
個人的な内容かどうかが、親しさや好感に与える影響は安定しませんでした。
会話で打ち明け合う場面と、一方的に発信する場面は別物と考えるのが正確です。
研究の多くは、会議室や画面の上での、短い初対面の会話です。長い付き合いの人間関係や、職場・家族の中でも同じ結果になるかは、確かめられていません。弱みや悩みを打ち明ける効果は研究が足りず、親しくない相手への発信は印象に大きく響くという報告もあります [7]。人づきあいの悩みが強く、日常に支障が出ているときは、医師や専門の相談窓口に相談してください。
研究の中心は、双方が話す会話です。一方的に話し続けることの効果は、この記事の研究からは言えません。
打ち明けると、相手とのつながりを強く感じてもらえることが、実験とメタ解析でそろっています。
この結果は、お互いに打ち明け合う会話と、つながりの感覚が中心です。
最初は軽い個人的な話から始め、相手が話してくれたら打ち明け返しましょう。
初対面のペアで、打ち明け合う会話のほうが世間話より相手とのつながりを強く感じました [[W4413369492]]。見知らぬ人同士の別の実験でも、深い話をした相手のほうにつながりを感じています [[34591541]]。
初対面のペアの実験では、対面でもスマホの文字のやり取りでも、打ち明け合う会話の効果に差はありませんでした [[W4413369492]]。
SNS の投稿を読む実験では、個人的な内容かどうかの影響は安定しませんでした [[28469289]]。会話とは分けて考えてください。
研究では確かめられていません。この記事の実験は、お互いに打ち明け合う会話での比較で、量の上限や適量は調べていません。
初対面のペア (合計572人) で、打ち明け合う会話は世間話よりつながりの感覚を強め、対面でも文字でも同じだった。
親密なことを打ち明ける人は、あまり打ち明けない人より好かれる傾向があった。
打ち明け返したり褒めたりした人は、話をそらした人より好かれた。
見知らぬ人同士で、深い話をした相手のほうに強いつながりを感じた。相手は打ち明け話を予想以上に気にかけていた。
出会い系サイトの研究86件をまとめた系統的レビューで、打ち明け合うやり取り (自己開示の返報性) などが、実際に会う約束につながりやすい要素として挙げられた
ペアで交互に話す実験で、自分の嫌な経験を打ち明けると、ふつうの経験を話すより共感が高まり、相手への好意を通じてお互いに助け合う行動が増えた
SNS などで一斉に発信する打ち明け話では、ネガティブな内容は明るい内容に比べ、友人より、それほど親しくない知り合いが持つ印象と関係により大きく響いた
会話の実験で、質問、特に相手の話を受けた追加の質問を多くする人ほど好かれた。よく聞いてくれる・分かってくれるという印象が理由だった
初対面の組で打ち明け合う会話をする実験で、脳の快感に関わるしくみ (オピオイド) を薬で止めると、打ち明ける量が減り、相手と親しくなりたい気持ちも弱かった
研究者が自分のことを話すと、親しみは小さく上がり、能力への信頼は下がった。
SNS の投稿の個人的な内容が親しさや好感に与える影響は安定しなかった。
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