[1]カメレオン効果: 知覚と行動のつながりと人付き合い
- 発表年
- 1999年
- 研究機関
- アメリカ・ニューヨーク大学
- 掲載誌
- Journal of personality and social psychology
- 研究の種類
- その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
- 対象
- —
- 結果の向き
- 良い方向
協力者が参加者の姿勢や動きをまねると、やりとりがスムーズになり、好感が高まりました。

まねられた人が、まねた相手を好きになった実験が多くあります。学術論文としては、まだ断定できていません。
初対面の相手と話す大人で確かめた、主に実験室の研究の結果です。
相手の姿勢や話し方に、さりげなく合わせるのは試す価値があります。好感が上がる保証は研究にはないので、期待しすぎず、気づかれるほど強くはまねないのが安全です。まねるより、相手の話をよく聞くほうが確実です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 10 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 13.6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 14.8 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 48.4 点を、エビデンス強度 D の範囲(5〜39 点)に収めて、スコアは 39 点です。 判定に使った研究は、その他のヒトの研究 8 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
相手の姿勢・しぐさ・話し方を、さりげなく真似することです。心理学では「カメレオン効果」とも呼ばれ、まねられた相手は親しみを感じるとされてきました。営業や接客、面接で使えると紹介されることも多い方法です。注意点は、気づかれると逆効果になるとされることです。ここまでは一般に言われている説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、アメリカのニューヨーク大学などの研究チームが1999年に発表した実験です [1]。実験の協力者が参加者の姿勢や動きをまねる条件を作り、やりとりのスムーズさと好感を調べました。
| 研究の種類 | 実験 (協力者が参加者の動きをまねる) |
|---|---|
| 対象 | 初対面の相手と話す大人 (主に大学生) |
| 比べたもの | まねる条件と、まねない条件 |
| 結果 | まねられた人は、やりとりがスムーズになり、相手への好感が高まった |
同じ向きの結果は、2016年・2022年・2023年の実験でも出ています [2] [3] [4]。
好感を調べた研究は8本です。ただし、結果はそろっていません。まとめて分析したメタ解析は、この問いについては見つかっていません。
まねるアバターへの親しみは、まねない場合と変わりませんでした。
結果が割れる理由は、はっきり分かっていません。比べる相手の動き方で結果が変わることが、一因として示されています。
好感より、信頼や親切な行動のほうは、上がる結果が多く出ています。
根拠の確かさは低めです。研究の数が少なく、VR の追試と女性180人の実験では差が出ていないためです。また、動きのタイミングを合わせる「同調」の研究では、実験者の思い込みを十分に防いでいない研究が多く、対策を加えた追試で元の結果が再現されなかったと報告されています [12]。
強くまねられた人は、さりげなくまねられた人より、相手を好まず信頼もしませんでした。オンラインの実験 (180人) では、まねに気づいた人は、どの条件でも好感と信頼が下がりました [4]。まねの効果を事前に知らされた人では、まねられても好感は変わりませんでした [2]。ただし、この点を調べた研究は2件だけです。
研究の多くは、実験の協力者が初対面の参加者とやりとりする場面で行われています。自然な会話で相手に合わせる場面とは違うため、そのまま当てはまるとは限りません。参加者が女性だけの研究もあります [7]。商談や面接でうまく使えるかは、研究では確かめられていません。
気づかれると好感と信頼が下がった実験があるため、さりげなく合わせる範囲にとどめてください。
まねられた人が相手を好きになった実験は多いものの、学術論文としては、まだ断定できていません。
信頼や親切さには上がる結果が多いものの、根拠の確かさは低めです。
合わせるなら、気づかれない程度にさりげなく。
まねに気づいた人は、好感と信頼が下がった実験があります。ただし、調べた研究は2件だけです。
ホテルや法律事務所の実験では、言葉をまねた側の評価が上がりました。面接で使えるかは、研究では確かめられていません。
言葉のまねは法律事務所の実験で、言葉と動きの両方のまねも同じ向きの結果でした [[37824560]]。どちらが強いかは、比べられていません。
協力者が参加者の姿勢や動きをまねると、やりとりがスムーズになり、好感が高まりました。
まねる条件では好かれましたが、まねの効果を事前に知っていた人では変わりませんでした。
実際にまねられた人は好感が高まり、想像しただけでは高まりませんでした。
強くまねられた人は、さりげなくまねられた人より相手を好まず、信頼もしませんでした。
1つ目の研究では親しみが高く、事前登録した2つ目の研究では差がありませんでした。
3つの実験で、まねられた人は人を手伝い、気前よくふるまいました。
女性180人の実験で、1回まねられただけの影響は見られませんでした。
538人の面接の実験で、比べる相手によって好まれ方が変わりました。
手の動きをまねられた30人では、好感の高まりはわずかでした。
弁護士が相談者の言葉をまねると、代理を任せる傾向が高まりました。
店員が客の言葉をまねると、店員の親切さの評価が高まりました。
動きを合わせると親切になるという研究の多くは、実験者の思い込みを防いでいませんでした。
この記事のエビデンス強度は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。