[1]高齢者の身体機能を高める漸進的筋力トレーニング
- 発表年
- 2009年
- 研究機関
- アメリカ・インディアナ大学インディアナポリス校
- 掲載誌
- The Cochrane database of systematic reviews
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 3,059人
- 結果の向き
- 良い方向
高齢者3059人(試験73件)で、筋トレをした人は筋力が大きく上がった(標準化平均差0.84)。

はい、上がります。80歳以上でも、筋トレで筋力は上がります。
筋トレを指導のもとで続けた60歳以上の研究の話です。筋力が上がることと、筋肉の量が増えることは別で、サルコペニアの人の筋肉量は増えませんでした。
筋トレは何歳から始めても、筋力を上げる手段になります。研究の多くは週に数回、少しずつ負荷を上げる方法でした [1]。持病のある人や、サルコペニアと言われた人は、始める前に医師や理学療法士に相談してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 19.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 99.2 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 99 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 5 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
筋トレは、重りやマシン・ゴムバンド・自分の体重で筋肉に負荷をかける運動です。筋力や筋肉の量を保つ・高める方法とされています。高齢者向けには、少しずつ負荷を上げていく「漸増的な筋トレ」が研究でよく使われます。サルコペニアは、加齢で筋肉が減り、力が落ちた状態のことです。
答えの中心は、アメリカのインディアナ大学インディアナポリス校などの研究チームが2009年に発表したコクランレビューです [1]。コクランレビューとは、決めた手順で比較試験を集め、結果をまとめる方法です。高齢者の筋トレを運動しない群などと比べた試験が集められました。
| 研究の種類 | 筋トレの比較試験のコクランレビュー |
|---|---|
| 対象 | 高齢者(筋力は73件・3059人) |
| 比べたもの | 筋トレをした人と、しなかった人 |
| 結果 | 筋力が大きく上がった(標準化平均差0.84) |
標準化平均差は、研究ごとの測り方をそろえた差で、数値が大きいほど差が大きいことを表します。
2025年の分析でも同じ向きです。地域で暮らす平均70歳(63〜87歳)の高齢者4754人・102件で、マシン(1.34)、フリーウエイト(1.15)、ゴムバンド(0.93)、複数の組み合わせ(0.88)、自重(0.71)のどれでも筋力が上がりました [2]。マシンが最も大きな差でしたが、自宅でできる自重やゴムバンドでも上がっています。
75歳以上の22件を集めた分析では、筋力が上がりました(効果量0.97)。80歳以上だけの分析でも上がっています(1.28)[3]。65歳以上の14件でも、脚の筋力が上がりました(標準化平均差1.1)[4]。60〜74歳の65人を24週間追った試験では、1回45分・週3回の筋トレで、腕と脚の筋力が運動しない群より上がりました [5]。
筋力が上がることと、筋肉の量が増えることは、別の結果として出ています。サルコペニアの高齢者では、筋力と歩く速さは上がる一方、筋肉量は増えませんでした [8]。なぜ筋力だけが上がるのかは、今回の研究では確かめられていません。
手足の筋肉量は、筋トレでも有意には増えませんでした。
研究の多くは、指導者のもとで少しずつ負荷を上げる筋トレでした。60歳以上の151試験の分析では、週あたりの量が少なめでも、中くらい・多めでも、脚の筋力を伸ばすのに効果的でした [6]。サルコペニアの人や持病のある人は、運動の内容が合うか、医師や理学療法士に確認してください。
関節や心臓に不安がある人は、自己判断で強い負荷から始めないでください。
高齢になっても、筋トレで筋力は上がります。
筋肉量が増えるかは対象者で分かれ、サルコペニアの人では増えませんでした。
不安があれば医療者に相談しながら、自重やゴムバンドなど続けやすい方法から始めましょう。
80歳以上だけの分析でも、筋トレで筋力が上がりました [[32740889]]。何歳なら遅いという境目は、研究では示されていません。
自重の筋トレでも筋力は上がりました(0.71)。マシン(1.34)より差は小さめです [[40452461]]。
健康な高齢者では、除脂肪量も脚の筋肉の太さも増えました [[39405023]]。サルコペニアの人では、筋力は上がっても筋肉量は増えませんでした [[34763651]]。
高齢者3059人(試験73件)で、筋トレをした人は筋力が大きく上がった(標準化平均差0.84)。
地域で暮らす高齢者4754人(試験102件)で、どの筋トレでも筋力が上がった。
75歳以上の高齢者の研究22件で、筋トレにより筋力が上がった。
65歳以上の高齢者のランダム化比較試験14件で、筋トレにより脚の筋力が上がった。
60〜74歳の65人の試験で、24週間の筋トレにより腕と脚の筋力が上がった。
60歳以上の151試験・6306人の分析で、除脂肪量と脚の筋肉の太さが増えた。
サルコペニアの高齢者951人(24件)では、筋トレで手足の筋肉量は増えなかった。
サルコペニアの高齢者561人(14件)では、筋トレで筋肉量に差がなかった。
サルコペニアの高齢女性518人(12件)で、膝を伸ばす筋力が上がった。
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