[1]子ども・青年のフッ素バーニッシュのコクランレビュー
- 発表年
- 2013年
- 研究機関
- イギリス・ロンドン大学クイーン・メアリー校
- 掲載誌
- The Cochrane database of systematic reviews
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 9,595人
- 結果の向き
- 良い方向
16歳までの子どもで、フッ素バーニッシュを塗ると大人の歯の新しい虫歯が43%少なかった。

防ぎます。子どもの新しい虫歯が、バーニッシュで43%、ゲルで28%少なくなりました。
主に16歳までの子どもの話です。
フッ素入り歯みがき粉は続けたうえで、子どもは受ける価値があります。3歳前後では差が出ない試験もあるので、期待しすぎずに。回数は研究で決められていないため、歯科医院でその子の虫歯のなりやすさに合わせて相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 19.4 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 17.9 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 92.3 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 3 本・観察研究 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
歯医者のフッ素塗布は、歯科医院で歯にフッ素を塗り、虫歯を防ぐ処置です。ふだんの歯みがき粉より濃いフッ素を使い、ニスのように塗るバーニッシュと、ゲルを塗る方法が研究の中心です。注意点は、歯が黒く染まるフッ化ジアンミン銀は別の薬で、ふつうのフッ素塗布とは分けて考えることです。
答えの中心は、イギリスのロンドン大学クイーン・メアリー校などの研究チームが2013年に発表したコクランレビューです [1]。コクランレビューとは、決めた手順で比較試験を集め、結果をまとめる方法です。16歳までの子どもを1年以上追った比較試験22件が集められました。
| 研究の種類 | 比較試験をまとめたコクランレビュー |
|---|---|
| 対象 | 16歳までの子ども(22件・12,455人) |
| 比べたもの | フッ素バーニッシュと、塗らない・偽の塗布 |
| 結果 | 大人の歯の新しい虫歯が43%少ない |
乳歯では37%少なく、フッ素ゲルを調べた2015年のレビューでは28%少なくなりました [2]。
ゲルの結果は試験ごとの差が大きく、「効く」という向きはそろっていますが、減る幅は試験によって違います。根拠の確かさは低めです。
ここが、自治体の資料などで見落とされやすい点です。未就学児を調べた2019年の系統的レビューでは、バーニッシュで新しい虫歯ができる子の割合は0.88倍にとどまり、著者は効果が小さく不確かとまとめています [3]。
未就学児を調べた試験では、差がはっきり出ないものが目立ちます。
高齢者の研究では、歯の根元の虫歯が対象です。2020年の分析では、対照と比べて、5%フッ化ナトリウムバーニッシュ、1.2%フッ素ゲル、フッ化ジアンミン銀が2年後の根元の新しい虫歯を減らしました [11]。ただし、唾液が減るシェーグレン症候群の大人78人を24か月追った試験では、偽のゲルとの明確な差は確認できませんでした [12]。
フッ化ジアンミン銀は、虫歯の進行を抑える薬で、塗った部分が黒く染まるのが特徴です。2024年のコクランレビューでは、高齢者の歯の根元の新しい虫歯が、塗らない・偽の塗布より平均0.79面少なくなりました(3件・439人) [13]。効果はありますが、見た目の変化があるため、ふつうのフッ素塗布とは分けて、歯科医師とよく相談してください。
研究の中心は、1年以上の追跡で、バーニッシュやゲルを年に数回塗る方法です。2〜3歳の子では結果が割れているため、年齢に合った方法を歯科医院で確かめてください。持病や服薬がある人、塗布のあとに気になる症状が出た人は、歯科医師に相談してください。
毎日のフッ素入り歯みがき粉を続けたうえで、上乗せとして考えてください。
歯医者のフッ素塗布は、子どもの虫歯を減らすと研究で言えます。
未就学児は効果が小さく、初期虫歯の再石灰化には上乗せの効果が見られません。
塗る方法や回数は、歯科医院でその子の虫歯のなりやすさに合わせて決めましょう。
なりません。大人の歯の新しい虫歯が、バーニッシュで43%、ゲルで28%少なくなる結果で、ゼロにはなりません [[23846772]] [[26075879]]。
研究では確かめられていません。塗る回数どうしを直接比べた研究は少なく、6歳未満では3か月ごとのフッ化シランと、6か月ごとの5%フッ化ナトリウムバーニッシュが効いた結果があります [[34780874]]。
60歳以上の歯の根元の虫歯には効きます [[36058347]]。働く世代の歯の表面の虫歯は、研究が足りません。
歯みがき粉に洗口液・ゲル・バーニッシュのどれかを足すと、子どもで10%少なくなる程度です [[14973992]]。毎日の歯みがき粉が土台で、塗布は上乗せです。詳しくは[フッ素入り歯みがき粉の記事](/evidence/fluoride-toothpaste-cavities)をどうぞ。
16歳までの子どもで、フッ素バーニッシュを塗ると大人の歯の新しい虫歯が43%少なかった。
16歳までの子どもで、フッ素ゲルを塗ると大人の歯の新しい虫歯が28%少なかった。
未就学児では、バーニッシュで新しい虫歯ができる子の割合は0.88倍にとどまった。
2〜3歳児1,248人を3年間追った。虫歯になった子は34%と39%で統計的な差はなかった。
3歳児の保育園で、虫歯が悪化した子は26.9%と31.6%で、統計的な差はなかった。
6歳未満で比べた8種類のうち、対照より虫歯を防げたのは2種類だけだった。
60歳以上で、歯の根元の虫歯の予防率は5%フッ化ナトリウムバーニッシュで64%だった。
初期虫歯の比較試験9件のうち5件が、フッ素塗布で治まる可能性を示した。
初期虫歯のある学童98人で、すべての歯面では偽のゲルと変わらなかった。
洗口液・ゲル・バーニッシュのどれかを歯みがき粉に足すと、新しい虫歯が10%少なかった。
比較試験9件(4,030人)で、2年後の歯の根元の新しい虫歯が減った。
大人78人を24か月追い、偽のゲルとの明確な差は確認できなかった。
高齢者の歯の根元の新しい虫歯が平均0.79面少なかった(3件・439人)。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。