[1]太りぎみ・肥満に対するピラティス メタ解析
- 発表年
- 2021年
- 研究機関
- 中国・広州中医薬大学
- 掲載誌
- Frontiers in physiology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 393人
- 結果の向き
- 良い方向
太り気味〜肥満の大人393人(RCT11件)で、ピラティスの人は体重が平均2.40kg多く減った。

太り気味〜肥満の人の体重には効きます。健康な大人では差が出ていません。
体重の話です。
太り気味〜肥満の人が体重を減らす手段として、続ける価値があります。期間が長い研究ほど差がはっきりしていました [1]。健康な大人は、体重の変化より、続けやすさで選ぶのが現実的です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 14.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 17.9 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 87.2 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ピラティスは、ドイツ出身のジョセフ・ピラティスが考えた、体幹を意識してゆっくり動く運動です。マットの上で行うものと、リフォーマーなどの器具を使うものがあります。姿勢や柔軟性、体の使い方を整えるとされ、スタジオや動画で広く行われています。注意点は、息が上がるような強い運動ではなく、動きが小さいメニューも多いことです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、広州中医薬大学などの研究チームが2021年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、条件の近い研究の結果を集めて、数字でまとめ直す方法です。ここでは、太り気味〜肥満の大人でピラティスを調べたRCT 11件が集められました。
| 研究の種類 | RCTのメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 太り気味〜肥満の大人(11件・393人) |
| 比べたもの | ピラティスと、運動しない場合またはほかの運動 |
| 結果 | 体重は平均2.40kg多く減り、BMIは平均1.17低かった |
期間が長い研究ほど、体重とBMIの差がはっきりしていました。
セルビアのノヴィサド大学などの研究チームが2026年に発表した成人女性のメタ解析(12件・約540人)でも、体重は平均3.99kg減りました [2]。ただし、研究の方法や内容にばらつきがあり、慎重に読む必要があるとされています。
対象が変わると結果が変わります。健康な大人を調べた研究10件のメタ解析では、マットピラティスはふつうの運動や運動しない場合と比べて、BMIを下げる効果に差がありませんでした [3]。高齢者や太り気味〜肥満の人だけに絞った解析でも差はなく、肥満の人を集めた2021年のメタ解析とは結果が食い違っています。体重が減ったという結果は、太り気味〜肥満の人を対象にした研究で見られたもので、健康な大人全般に当てはまるとは言えません。
肥満の女性35人が全員、食事を地中海食に変えたRCTでは、そのうち自宅でのオンラインのピラティスを12週間加えた組のほうが、除脂肪量と骨格筋量が増えました [4]。食事と組み合わせた小さな試験で、ほかの研究とは条件が違います。
食事だけの組より、体脂肪率が下がり、除脂肪量と骨格筋量が増えました。
理由は、今回の研究では確かめられていません。筋肉が増えたことが理由とは言えません。除脂肪量に差が出ていないためです。運動で使うエネルギーが増えた、運動を続けて生活が整ったなど、ほかの要因も考えられますが、どれが原因かを測った研究は見つかっていません。強度別に体重の変化を比べた研究も見つかっていません。
研究の対象は、太り気味〜肥満の大人と成人女性が中心です。2025年のRCTでは、肥満の女性30人と肥満でない女性28人を、それぞれピラティスをする組としない組に分けて8週間続けたところ、肥満の女性ではBMIが増えるのを防げましたが、肥満でない女性では影響がありませんでした [5]。60歳以上の女性109人の12週間のRCTでは、BMIが下がったのはピラティスの組だけでしたが、変化はごく小さいものでした [6]。腰や首に痛みがある人、妊娠中の人、持病がある人は、始める前に医師や理学療法士に相談してください。
体重の変化が小さい人もいるので、数字だけで続けるかを決めないでください。
太り気味〜肥満の人の体重には、ピラティスが効くという結果がメタ解析で出ています。
健康な大人や、腹囲・部分痩せには、同じ結果が当てはまるとは言えません。
まず数か月続けて、体重の変化を記録してみましょう。
健康な大人を調べた研究10件のまとめでは、BMIに差がありませんでした [[32396869]]。体重を減らす目的より、姿勢や体の使い方を整える目的で選ぶほうが、研究の結果に合います。
はっきりした差は確認されていません。太り気味〜肥満の人でも健康な大人でも、腹囲の差は統計的に確かめられませんでした [[33776797]] [[32396869]]。
体重の結果は、運動しない場合とほかの運動をまとめて比べたものです [[33776797]]。ピラティスと特定の運動を一対一で比べた結論は、今回の研究では言えません。
研究では食事を条件にそろえた比べ方は少なく、食事の影響は分けて確かめられていません。食事と組み合わせた小さな試験では、体脂肪率が下がっています [[38542813]]。
太り気味〜肥満の大人393人(RCT11件)で、ピラティスの人は体重が平均2.40kg多く減った。
成人女性約540人(研究12件)で、ピラティスにより体重が平均3.99kg減った。
健康な大人の研究10件で、マットピラティスはBMIを下げる効果に差がなかった。
肥満の女性35人で、地中海食にピラティスを加えた組は食事だけの組より体脂肪率が下がった。
女性58人で、肥満の女性ではピラティスでBMIが増えるのを防げたが、肥満でない女性では影響がなかった。
60歳以上の女性109人で、12週間のピラティスのあとBMIが下がったのはピラティスの組だけだった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。