[1]ピラティスは筋持久力・柔軟性・バランス・姿勢を改善するか
- 発表年
- 2010年
- 研究機関
- アメリカ・ガスタバス・アドルファス大学
- 掲載誌
- Journal of strength and conditioning research
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 50人
- 結果の向き
- 良い方向
ふだん活動的な中年の男女が週2回60分のピラティスを12週間続けると、腹筋の持久力が高まった。

鍛えられます。体幹の持久力が、運動しない人より伸びます。
週2〜3回のマットピラティスを6〜12週間続けた、健康な大人の話です。腰痛のある人や高齢者は結果が別です。体幹の深い筋肉の働きが高まったのは、ピラティスの動作中だけという試験もあります。
運動習慣がない人が体幹の持久力を伸ばしたいなら、ピラティスは選択肢になります。ほかの運動より優れるわけではないので、続けやすい運動を選ぶのが現実的です。体幹の別の鍛え方は プランクにはどんな効果がある? も参考になります。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 12.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 16.7 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 79 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 79 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 6 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ピラティスは、呼吸を意識しながら、お腹や背中の深い筋肉を使ってゆっくり動くエクササイズです。マットの上で行うものと、専用の器具を使うものがあります。体幹やインナーマッスルに働きかけるとされ、姿勢の改善や腰痛の軽減もうたわれますが、これは研究で確かめた内容ではありません。注意点は、教室や指導者によって内容が違うことです。
答えの中心は、アメリカのガスタバス・アドルファス大学などの研究チームが2010年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、参加者をくじ引きのように分けて結果を比べる方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験 |
|---|---|
| 対象 | ふだん活動的な中年の男女 |
| 比べたもの | 器具を使わないマットピラティス(週2回・1回60分・12週間)と、運動しないグループ |
| 結果 | ピラティスのグループで腹筋の持久力が有意に高まった。姿勢とバランスは差がなかった |
同じ向きの結果が、年齢や期間の違う試験でも報告されています。
同じ向きの結果は、ほかの試験にもあります。
体幹のテストは「どれだけ長く姿勢を保てるか」「何回できるか」を測る持久力が中心です。体幹の最大の力を測ったものではありません。
ピラティスとほかの運動を比べた試験では、差が出ていません。運動習慣のない20〜45歳の女性43人で、ピラティスとダンスなどを組み合わせた運動を週2日・60分、8週間比べたところ、プランクの持続時間を含むすべての項目で差はありませんでした。どちらも運動前よりは伸びています [4]。ピラティスと他の運動を比べたRCTのまとめも、筋力・バランス・柔軟性に差はないとしています。ただし確実性は非常に低い〜低いとされています [5]。
プランクの持続時間を含め、グループ間の差はありませんでした。
深い筋肉の働きを超音波で測った試験もあります。腰痛のないジム会員34人を、ピラティスと筋トレに分けて比べました。腹横筋(お腹の深い筋肉)の働きが高まったのは、ピラティスの動きをしているときだけでした。座る・立つ姿勢では変わらず、内腹斜筋の厚さは筋トレのグループのほうが大きくなりました [6]。
60歳以上では結果が割れています。バランスや筋力が中くらい改善したというメタ解析がある一方で [10]、筋力・持久力を高める目的ではまだ勧められないとするメタ解析もあります [11]。慢性腰痛の人のRCT8件のレビューでは、ピラティスは同じ量のほかの運動に劣らず、運動しない場合などよりは、筋肉の厚さで見た体幹の筋力を高めることがありました [12]。
紹介した試験は、週2〜3回・6〜12週間という条件でした。たとえば中年の男女の試験では、週2回・60分を12週間続けています [1]。小さな試験が中心で、人数が22人の予備的な試験もあります [13]。持病や痛みがある人、妊娠中の人、運動に不安がある人は、始める前に医師や理学療法士に相談してください。
腰痛のある人や高齢者は結果が別なので、症状があるときは専門家に確認してください。
ピラティスは、運動しない人と比べて体幹の持久力を伸ばします。
ほかの運動と差がなかった試験もあるので、体幹だけを理由に選ぶ必要はありません。
教室の雰囲気や通いやすさで選び、まず週2回を目安に数週間続けてみましょう。
はい。紹介した試験の多くは、器具を使わないマットピラティスでした。週2回・1回60分を12週間続けた試験で、腹筋の持久力が高まっています [[20145572]]。
上回るとは言えません。ダンスなどを組み合わせた運動と比べた試験では、プランクの持続時間を含めて差がありませんでした [[39593466]]。
試験では6週間のオンライン教室で、体幹の筋持久力テストが向上しています [[34716884]]。何週間で何が変わるかは、人によって違います。
必ずとは言えません。腹横筋の働きが高まったのは、ピラティスの動きをしているときだけという試験があります [[21075038]]。
ふだん活動的な中年の男女が週2回60分のピラティスを12週間続けると、腹筋の持久力が高まった。
18〜25歳の健康な33人が6週間続けると、体幹の筋持久力テストがすべて向上した。
健康な女子大学生が週2回のマットピラティスを8週間続けると、腹筋の持久力が高まった。
運動習慣のない20〜45歳の女性43人で、ピラティスと別の運動の間に差はなかった。
ピラティスとほかの運動を比べたRCTのまとめで、筋力に差はなかった。
腰痛のないジム会員34人で、腹横筋の働きが高まったのはピラティスの動作中だけだった。
慢性腰痛の1108人(RCT19件)で、ピラティスをした人は対照より痛みの尺度が下がった。
最小限の対応より痛みが100点満点で平均14.05点下がったが、根拠の質は低かった。
姿勢の問題のある人を中心に、改善に役立つとされたが、さらに研究が必要とされた。
60歳以上でバランス・筋力・柔軟性が中くらい改善し、転倒のリスクも下がった。
60歳以上で、筋力・持久力を高める目的ではまだ勧められないとまとめられた。
慢性腰痛の人のRCT8件で、筋肉の厚さで見た体幹の筋力を高めることがあった。
ダンサー22人の予備的な試験で、12週間のピラティスにより腹筋の筋力・持久力が改善した。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。