黒烏龍茶を飲むと痩せる?

黒烏龍茶を飲むと痩せる?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

烏龍茶とカテキン強化の烏龍茶で、体重と体脂肪が減りました。

根拠

コレステロールがやや高い60人が、カテキンを強化した烏龍茶を12週間飲んだ二重盲検の試験で、体重・体脂肪・BMIが減りました。減った量は論文の要約に書かれていません [1]。太り気味〜肥満の102人が烏龍茶を6週間飲んだ試験でも、高度肥満の人の70%で体重が1 kg以上減りました。ただし、こちらは飲まない人と比べていません [2]。

この答えの範囲

体重の試験は2本で、飲んだのはカテキン強化の烏龍茶と烏龍茶です。

じゃあ、どうする?

食事や運動に加える一杯として試すのが、研究に近い使い方です。脂肪の吸収を抑える効果は結果が割れているので、脂っこい食事の帳尻合わせには当てにしないでください [3] [4]。カフェインに敏感な人、妊娠中の人、持病や服薬がある人は、医師・薬剤師に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。10 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 70 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量8.720研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ610最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 69.7 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 70 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・その他のヒトの研究 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

黒烏龍茶(烏龍茶ポリフェノール)とは

黒烏龍茶は、烏龍茶に含まれる重合ポリフェノール(お茶を発酵させる過程でできる、ポリフェノールがつながった成分)を多くした飲料です。烏龍茶は茶葉を途中まで発酵させた半発酵茶で、食事の脂肪の吸収を抑え、体脂肪を減らすとされています。特定保健用食品(トクホ)として売られているものもあります。注意点は、カフェインを含むことで、妊娠中の人やカフェインに敏感な人は量に気をつけることです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

体重を調べた試験は2本だけ

答えの中心は、台湾の中山医学大学などの研究チームが2018年に発表した二重盲検の比較試験です [1]。二重盲検とは、飲む人にも調べる人にも、どの飲み物か分からないようにして比べる方法です。

研究の種類二重盲検の比較試験
対象コレステロールがやや高い成人60人
比べたものカテキン強化の烏龍茶 / カテキン強化の緑茶 / プラセボ1日300 mLを2本、12週間
結果烏龍茶の群で体重・体脂肪・BMIが減ったと報告
試験の結果烏龍茶の群で、体重・体脂肪・BMIが有意に減ったと報告されました [1]。

減った量は要旨に書かれていないため、何kg減ったかは分かりません。

2009年には、中国の瀋陽薬科大学などの研究チームが、食べすぎで太り気味〜肥満になった102人を調べました。烏龍茶を1日8 g、6週間飲んだところ、高度肥満の人の70%で体重が1 kg以上減りました [2]。70%は減った人の割合で、平均の減量幅ではありません。

何が違う?

研究で飲まれたのは、市販の黒烏龍茶とは別の飲み物です。

  • カテキンを強化した烏龍茶: 体重の試験(60人)で使われました [1]。
  • ふつうの烏龍茶(茶葉を1日8 g): 体重の試験(102人)で使われました [2]。
  • 烏龍茶の重合ポリフェノールを150 mgまで加えた飲み物: 脂肪の吸収を調べた試験だけです。体重は調べられていません [4]。

黒烏龍茶と同じ飲み物ではないので、結果をそのまま当てはめることはできません。

よく言われていることは本当?

痩せる理由として挙げられるのは、脂肪の吸収を抑えることと、消費エネルギーを増やすことの2つです。どちらも体重とは別の、小さな試験で調べられています。

  • 体脂肪が減る・痩せる研究で確かめられています。 ただし上の2本だけで、飲むだけで大きく痩せるとは言えません。
  • 脂肪の吸収を抑える根拠は弱く、結果が割れています。 12人の試験では便に出た脂肪が3日で19.3 gと、プラセボの期間の9.4 gより多くなりました [3]。50人の試験では、烏龍茶に含まれる重合ポリフェノールを150 mgまで飲んでも、食後の中性脂肪にはっきりした差がありませんでした [4]。
  • 代謝を上げる・脂肪を燃やす小さな試験で確かめられています。 男性12人が3日間飲んだ試験で、24時間の消費エネルギーが水より2.9%多くなりました。ただし、カフェインを入れた水でも3.4%増えています [5]。若い日本人女性11人の試験では、飲んだあと120分(約2時間)の消費エネルギーの増え方が烏龍茶で10%、緑茶で4%でした [6]。一方、14日間飲み続けた男性12人の試験では、脂肪の燃焼は約20%増えましたが、24時間の消費エネルギーは変わりませんでした [7]。
  • コレステロールを下げる確かめた試験は1本です。 上の60人の試験で、総コレステロールやLDLが下がったと報告されました。HDL(善玉とされるコレステロール)も下がっています [1]。カテキン強化のお茶で、ふつうの烏龍茶や黒烏龍茶の試験ではありません。観察研究では、長く飲み続けている人ほど総コレステロールが3.22%、LDLが6.69%低いという関連がみられています [8]。
  • 血糖値を下げる・糖尿病を防ぐ結果が割れています。 コーヒーとお茶のRCT 27件・1898人をまとめた解析では、烏龍茶のグループも空腹時血糖が下がりましたが、根拠の質は非常に低いとされました [9]。日本の男性4975人の追跡では、1日2杯以上飲む人は飲まない人より糖尿病になるリスクが1.64倍高いという関連がみられています(1日1杯では差がありませんでした)[10]。
  • 抗酸化で美肌になる烏龍茶と肌を調べた人の試験は見つかっておらず、研究では確かめられていません。

どれも、体重が減る原因だと証明されたわけではありません。

02注意点

体重の試験は2本だけで、1本は飲まない人との比較がありません。例えば2018年の試験では、コレステロールがやや高い成人が、カテキン強化の烏龍茶を1日300 mLを2本、12週間飲みました [1]。この量は研究の条件で、誰にでも合う量ではありません。烏龍茶にはカフェインが含まれます。カフェインに敏感な人、妊娠中の人、持病や服薬がある人は、医師・薬剤師に相談してください。

研究のお茶と市販品は同じではない

黒烏龍茶そのものを体重で調べた試験は見つかっていないため、同じ変化が起きるとは限りません。

03まとめ

烏龍茶やカテキンを強化した烏龍茶を毎日飲んだ試験では、体重と体脂肪が減ったと報告されています。
黒烏龍茶そのものの体重の試験はなく、脂肪の吸収を抑える効果も結果が割れています。
食事や運動に加える一杯として試し、カフェインが気になる人は先に相談しましょう。

04よくある質問

Q黒烏龍茶は食事と一緒に飲むと脂肪を吸収させないのですか?

吸収を抑えると言い切れる段階ではありません。便に出る脂肪が増えた試験と、食後の中性脂肪に差が出なかった試験があり、結果が分かれています。

Qふつうの烏龍茶と黒烏龍茶はどちらが痩せますか?

研究では比べられていません。体重を調べた試験で飲まれたのは、カテキンを強化した烏龍茶と烏龍茶で、黒烏龍茶ではありません。

Q飲むタイミングで効果は変わりますか?

タイミングを変えて体重の変化を比べた試験は見つかっていません。研究では、脂肪を含む食事と一緒に飲む試験 [[37080462]] や、朝食と昼食のときに飲む試験 [[33260552]] が使われました。

Q消費エネルギーが増えるなら痩せるのでは?

増えた分が体重の減少につながるかは、これらの試験からは分かりません。14日間飲み続けた試験では、24時間の消費エネルギーは変わりませんでした [[33260552]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(10本)

[1]カテキン強化の烏龍茶・緑茶が体重とコレステロールに与える影響の比較試験

発表年
2018年
研究機関
台湾・中山医学大学
掲載誌
Food & function
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
60人
結果の向き
良い方向

コレステロールがやや高い60人の試験で、カテキンを強化した烏龍茶を12週間飲むと、体重・体脂肪・BMIが減ったと報告された。

[2]太り気味〜肥満の人が烏龍茶を飲んだときの体重変化

発表年
2009年
研究機関
中国・瀋陽薬科大学
掲載誌
Chinese journal of integrative medicine
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
102人
結果の向き
良い方向

比べる群のない試験で、102人が烏龍茶を6週間飲み、高度肥満の人の70%で体重が1 kg以上減った。

[3]ポリフェノール強化烏龍茶が便に出る脂肪の量に与える影響

発表年
2006年
研究機関
日本・徳島大学
掲載誌
European journal of clinical nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
12人
結果の向き
良い方向

脂っこい食事を続けた12人で、ポリフェノール強化烏龍茶の期間は便に出た脂肪が3日で19.3 gと、プラセボの期間の9.4 gより多かった。

[4]烏龍茶の重合ポリフェノールが食後の中性脂肪に与える影響

発表年
2023年
研究機関
イギリス・バース大学
掲載誌
The American journal of clinical nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
50人
結果の向き
差なし

健康な成人50人で、脂肪40 gと一緒に重合ポリフェノールを150 mgまで飲んでも、食後3時間の中性脂肪にプラセボとはっきりした差はなかった。

[5]烏龍茶とカフェインが24時間の消費エネルギーに与える影響

発表年
2001年
研究機関
アメリカ・アメリカ農務省ベルツビル人類栄養研究センター
掲載誌
The Journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
12人
結果の向き
良い方向

男性12人が濃い烏龍茶を3日間飲むと、24時間の消費エネルギーが水より2.9%多かった。カフェイン入りの水でも3.4%増えた。

[6]烏龍茶と緑茶が飲んだあとの消費エネルギーに与える影響

発表年
2003年
研究機関
日本・徳島大学
掲載誌
The journal of medical investigation : JMI
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
11人
結果の向き
良い方向

若い日本人女性11人で、飲んだあと120分間の消費エネルギーの増え方は烏龍茶で10%、緑茶で4%だった。

[7]烏龍茶を14日間飲んだときの脂肪の燃焼と24時間の代謝

発表年
2020年
研究機関
日本・筑波大学
掲載誌
Nutrients
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
12人
結果の向き
結果が割れている

太っていない男性12人で、烏龍茶を14日間飲むと脂肪の燃焼は約20%増えたが、24時間の消費エネルギーは変わらなかった。

[8]烏龍茶を飲み続けた期間と血中コレステロールの関連

発表年
2014年
研究機関
中国・汕頭大学医学院
掲載誌
The British journal of nutrition
研究の種類
症例対照研究ある病気の人とそうでない人で、過去の生活習慣などを比べる研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

烏龍茶を最も長く飲み続けている人は、総コレステロールが3.22%、LDLが6.69%低いという関連がみられた。

[9]コーヒーとお茶が血糖に与える影響のネットワークメタ解析

発表年
2018年
研究機関
日本・横浜市立大学
掲載誌
Nutrients
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,898人
結果の向き
良い方向

コーヒーとお茶のRCT 27件(1898人)をまとめた解析で、烏龍茶のグループも空腹時血糖が下がったが、根拠の質は非常に低いとされた。

[10]烏龍茶の摂取量と糖尿病のなりやすさを日本の男性で追跡した研究

発表年
2011年
研究機関
日本・京都大学
掲載誌
Diabetic medicine : a journal of the British Diabetic Association
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
4,975人
結果の向き
悪い方向

日本の男性会社員4975人の追跡で、烏龍茶を1日2杯以上飲む人は飲まない人より糖尿病になるリスクが1.64倍高いという関連がみられた(1日1杯では差なし)。

ほかに参考にした論文(6本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。