[1]くり返し見るほど好きになる効果の再検討:回数と好感度のメタ解析
- 発表年
- 2017年
- 研究機関
- アメリカ・デイトン大学
- 掲載誌
- Psychological bulletin
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究81件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
81本の論文をまとめると、くり返し見るほど好感度は上がるが、増えすぎると下がる逆U字の形だった。

くり返し接するほど、好感度は高まります。増えすぎると下がります。
中心は、顔・図形・言葉などを見せた実験です。
会う回数は、増やすほど良いわけではありません。回数だけを詰め込まず、自然に会える範囲で重ねるのが無難です。相手のことを一度に知りすぎる場面では、好意が下がる結果もあります。苦手意識が強い相手には、無理に回数を増やさないのが無難です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 24 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 18.8 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 62.8 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 63 点です。 判定に使った研究は、その他のヒトの研究 2 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
単純接触効果は、何度も目にしたり耳にしたりしたものを、だんだん好ましく感じる心理の傾向です。ザイオンス効果とも呼ばれます。顔・図形・言葉・音など、いろいろな対象で調べられてきました。注意点は、研究の多くが「人と会う」場面ではなく、実験で刺激を見せる形だということです。
答えの中心は、アメリカのデイトン大学などの研究チームが2017年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じテーマの研究の結果を集めて、まとめて分析する方法です。論文81本から、268の推定が集められました。
| 研究の種類 | くり返し見せたときの好感度を調べた実験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 顔・図形・言葉などを見せた実験(論文81本・268の推定) |
| 比べたもの | 見た回数が少ない場合と多い場合 |
| 結果 | 回数が増えるほど好感度が上がり、増えすぎると下がる「逆U字」の形 |
逆U字は目で見る刺激で見られ、音の刺激では見られませんでした。
1回の提示が10秒より短いときと1分より長いときに、逆U字が見られました。ただし、要旨には「何回で下がり始めるか」という回数の数字がありません。世間で言われる「回数の上限」は、この研究からは確かめられません。
2022年のオンライン実験では、同じ顔写真をくり返し見せても、若い人・高齢の人のどちらでも好感度は上がりませんでした [3]。「効果なし」を支持する結果です。
くり返し見せても、どちらの年代でも好感度は上がりませんでした。
2016年の実験では、同じ顔でも毎回ちがう場面とセットで見せると好感度は上がらず、同じ場面とセットのときだけ上がりました [4]。見る回数だけでなく、見え方の条件で結果が変わります。
初対面の同性どうしが話す時間を変えた2011年の実験では、たくさん話した人ほど、おたがいへの好意が強くなりました [2]。好意が高まった理由として、相手が自分に応えてくれると感じること、会話中の居心地と満足、相手を知っている感覚の3つが見つかっています。ただし、この種類の研究は1本で、研究はまだ少ない段階です。
相手の情報が増えるほど、平均すると好意が下がった実験があります [5]。自分と違う点が一度見つかると、そのあとの情報も「違う」証拠に見えやすくなるためでした。方法を少し変えた追試でも、同じ結果が出ています [6]。一方、同じ方法をくり返した別の研究では、情報が増えても好意は下がりませんでした [7]。結果は割れていて、実験の研究3本だけです。
クモが強く苦手な人では、クモの写真をくり返し見せると、新しい写真のほうが好まれ、効果が逆になりました [8]。苦手なものでは、くり返しが逆に働く例です。
意見が対立していた研究者どうしがまとめた2015年の総説は、関係を「相手を知っているだけ」「表面的な接触」「おたがいに深く関わる」の3段階に分け、なじみが好意を高めるか下げるかは、関係の段階と中身によって変わると整理しています [9]。
研究の中心は、顔・図形・言葉などの刺激を見せる実験です。人と会う回数を調べた研究は少なく、職場や恋愛での最適な回数は分かっていません。たとえば2011年の会話の実験は、初対面の同性どうしが対象でした [2]。不安を感じやすい人や不安が強いときほど、くり返し見たものを好きになる効果が小さかった研究もあります [10]。
「何回会えば好かれる」という数字は、研究では確かめられていません。
くり返し接するほど好感度は高まる傾向がありますが、増えすぎると下がります。
人と会う回数の研究は少なく、顔・図形・言葉などの実験が中心です。
会うときは、回数を詰め込みすぎず、自然に重ねましょう。
研究では確かめられていません。メタ解析で分かったのは、増えすぎると好感度が下がる逆U字の形があることまでで、具体的な回数の数字は示されていません [[28263645]]。
研究では確かめられていません。逆U字は、顔・図形・言葉などを見せた実験で見られたものです。人と会う頻度を調べた研究ではありません。
条件によります。苦手なものでは、くり返し見ると逆に避けたくなった実験があります [[26898811]]。相手の情報が増えると好意が下がる結果も、下がらない結果もあります [[17201545]] [[24295380]]。
81本の論文をまとめると、くり返し見るほど好感度は上がるが、増えすぎると下がる逆U字の形だった。
初対面の同性どうしが話す時間を変えた実験で、たくさん話した人ほど、おたがいに好意が強かった。
同じ顔写真をくり返し見せても、若い人・高齢の人のどちらでも好感度は上がらなかった。
毎回ちがう場面で顔を見せると好感度は上がらず、同じ場面のときだけ上がった。
相手の情報が増えるほど、平均すると好意が下がった。
方法を少し変えた追試でも、相手の情報が多いほど好意が下がる結果がもう一度出た。
同じ方法をくり返した研究では、相手の情報が増えても好意は下がらなかった。
クモが強く苦手な人では、くり返し見たクモの写真より、新しい写真のほうが好まれた。
なじみが好意を高めるか下げるかは、関係の段階と中身によって変わると整理した総説。
不安を感じやすい人・不安が強いときほど、くり返し見たものを好きになる効果が小さかった。
刺激を見せる回数を増やすと好感度が上がった。ただし、まわりより多く見たかどうかが効いていた。
判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。