ガセリ菌で内臓脂肪は減る?

ガセリ菌で内臓脂肪は減る?
読了目安 3〜5分最終更新日 2026.11.06
答え効く

減ります。12週間とると、CTで測った内臓脂肪の面積が減りました。

根拠

肥満傾向・肥満の成人を対象にした12週間の比較試験3本(計387人)が、そろってガセリ菌で内臓脂肪の面積が減ったと報告しています [1] [2] [3]。日本の2試験では、始める前より4.6〜8.5%減り、ガセリ菌なしの群では有意に減りませんでした(群どうしの差の数値は要旨にないため、始める前との比較です)。3本とも、乳業メーカーか受託試験機関の研究者による試験です。

この答えの範囲

BMIが24〜35程度の成人が、12週間とった結果です。使われたのはSBT2055株とBNR17株で、ほかの株の結果ではありません。やせている人や、12週間より長く続けた結果は、調べられていません。

じゃあ、どうする?

内臓脂肪が気になる人は、試す価値があります。やめると4週間で効果が弱まったので、続けることが前提です。食事や運動の見直しの代わりにはなりません。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。高い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。7 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 76 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3440いちばん信頼できる研究の種類
研究の量10.520研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ610最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 75.5 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 76 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

ガセリ菌とは

ガセリ菌は、乳酸菌の一種です。ヨーグルトなどの発酵乳やカプセルのサプリに使われ、おなかの調子を整えるほか、内臓脂肪を減らすとされています。同じガセリ菌でも株(菌の系統)が複数あり、試験ごとに使われた株は同じではありません(日本の2試験はSBT2055株、韓国の試験はBNR17株)。注意点は、効果が株によって違うとされていることです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、肥満傾向の成人を対象にしたランダム化比較試験3本です。ランダム化比較試験とは、くじ引きで2つの群に分け、結果を比べる方法です。日本で2013年に発表された210人の試験が、いちばん人数の多い研究です [1]。

研究の種類ランダム化比較試験3本(日本2本・韓国1本)
対象肥満傾向・肥満の成人(計387人)
比べたものガセリ菌入りの発酵乳・カプセルと、ガセリ菌なしの発酵乳・プラセボ(偽薬)
結果12週間で、CTで測った内臓脂肪の面積が減った
試験の結果日本の210人の試験では、内臓脂肪の面積が始める前より平均8.5%と8.2%減りました [1]。

日本の87人の試験では平均4.6%減り、ガセリ菌なしの群では有意に減りませんでした [2]。

韓国の90人の試験では、多い量のカプセルをとった群が、プラセボの群より内臓脂肪の面積が21.6 cm²少なくなりました [3]。日本の2試験は、ガセリ菌なしの群との直接の差を示す数値が要旨にありません。そのため、「始める前からの変化」で読んでください。

3本とも、乳業メーカーか受託試験機関の研究者による試験です。企業が関わる試験は、結果が良く出やすい面があります。この点は、結果を読むときに頭に置いてください。

よく言われていることは本当?

  • ガセリ菌は内臓脂肪を減らす効きます。 上の3本のランダム化比較試験が、12週間で内臓脂肪の面積が減ったと報告しています [1] [2] [3]。
  • 続けて食べると腹囲・体重・BMIが減る腹囲には効きます。 日本の87人の試験では、ガセリ菌入りの群の体重が平均1.1 kg、腹囲が平均1.7 cm、始める前より減りました [2]。減り方は小さいです。
  • 食べるのをやめると効果が薄れる本当です。 210人の試験では、発酵乳をやめて4週間たつと効果は弱まりました [1]。
  • 脂肪の吸収を抑えて便に出す研究が足りません。 健康な日本人が発酵乳を7日間とると、便に出る脂肪が増えました。ただし、しくみの手がかりにとどまります [4]。
  • 腸内環境を整える・便通をよくするこの記事で調べた範囲では、内臓脂肪とは別の話として確かめられていません。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

ガセリ菌に限らず、乳酸菌全体で見ると、効果は菌株によって大きく違います。太り気味の成人を対象にした乳酸菌の試験14件を集めた系統的レビューでは、9件は体重や体脂肪が減り、3件は効果なし、2件は体重が増えました [5]。「乳酸菌なら何でも効く」とは言えない、という結果です。

乳酸菌全体のレビュー太り気味の成人を対象にした試験14件のまとめ

効果は菌株によって違う、とまとめています。

いろいろな菌のプロバイオティクスをまとめたメタ解析では、肥満の人の内臓脂肪が減っています。8件・412人の解析 [6] や、5件の解析で平均6.30 cm²減った結果 [7] があります。ただし、どちらもガセリ菌だけの結果ではありません。

02注意点

日本の試験では、毎日200 gの発酵乳を12週間とっていました [1]。対象は、内臓脂肪が多めの成人です。今回読んだ試験の要旨には、副作用の記載がありません。持病がある人、乳製品でおなかの調子を崩しやすい人、服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。

続けることが前提です

発酵乳をやめて4週間たつと効果は弱まったので、数週間だけの利用では長続きしません。

03まとめ

ガセリ菌は、肥満傾向の成人の内臓脂肪を減らします。
効果は、12週間とった人の結果で、やめると弱まります。
食事や運動の見直しと並べて、続けられる形で取り入れましょう。

04よくある質問

Qガセリ菌なら、どのヨーグルトでも同じですか?

同じとは言えません。ガセリ菌にも株の違いがあり、乳酸菌全体では効果が菌株によって違うとまとめられています [[28792488]]。この記事の試験は、特定の株を使ったものです。

Qどのくらいで内臓脂肪は減りますか?

試験では、12週間でCTによる内臓脂肪の面積が減りました [[23614897]]。それより短い期間の結果は、確かめられていません。

Qやせている人にも効きますか?

研究では確かめられていません。試験の対象は、BMI 24〜35程度の肥満傾向・肥満の成人です。

Q試験はどこが行ったものですか?

メーカーや受託機関の関係者が行ったものでした。第三者だけで行った同じ内容の試験は、この記事の調査では見つかっていません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(7本)

[1]ガセリ菌入り発酵乳が成人の腹部の脂肪に与える影響を調べたランダム化比較試験

発表年
2013年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
The British journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
210人
結果の向き
良い方向

内臓脂肪の多い日本人の成人210人が12週間とり、内臓脂肪の面積が始める前より減り、ガセリ菌なしの群では有意に減らなかった。

[2]肥満傾向の成人でガセリ菌が腹部の脂肪に与える影響を調べたランダム化比較試験

発表年
2010年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
European journal of clinical nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
87人
結果の向き
良い方向

肥満傾向の成人87人が12週間とり、内臓脂肪の面積が平均4.6%減った。

[3]肥満の成人でガセリ菌のカプセルが内臓脂肪と腹囲に与える影響を調べた二重盲検試験

発表年
2018年
研究機関
韓国・企業の研究部門
掲載誌
Journal of medicinal food
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
90人
結果の向き
良い方向

肥満の成人90人で、多い量の群は内臓脂肪の面積がプラセボより21.6 cm²少なかった。

[4]ガセリ菌が脂肪の放出を抑え、健康な日本人の便への脂肪排出を増やす

発表年
2015年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
Lipids in health and disease
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

健康な日本人が発酵乳を7日間とると、便に出る脂肪が増えた。

[5]太り気味の人の体重と体脂肪に対する乳酸菌の効果の系統的レビュー

発表年
2017年
研究機関
ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学
掲載誌
International journal of obesity (2005)
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究14件を統合
結果の向き
結果が割れている

乳酸菌の試験14件のうち、9件は体重や体脂肪が減り、3件は効果なし、2件は体重が増えた。

[6]肥満の人の体重と内臓脂肪に対するプロバイオティクスのメタ解析

発表年
2025年
研究機関
中国・Guo Mほかの研究チーム
掲載誌
Scientific reports
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
412人
結果の向き
良い方向

肥満の人のランダム化比較試験8件・412人で、内臓脂肪の減り方が対照より大きかった。

[7]肥満・糖尿病・脂肪肝に関わる指標に対する細菌プロバイオティクスのメタ解析

発表年
2019年
研究機関
フランス・企業の研究部門
掲載誌
BMJ open
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
6,826人
結果の向き
良い方向

太り気味の人では、内臓脂肪が平均6.30 cm²減った(5件)。

ほかに参考にした論文(1本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。