[1]断続的断食と心血管の危険因子: 系統的レビューとネットワークメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- オーストラリア・ディーキン大学
- 掲載誌
- Current nutrition reports
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究56件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
56件の研究をまとめ、隔日断食は体重が平均5.18kg多く減った(確実性は高い)。

痩せます。ただし根拠の大半は、断食日に少し食べる方式です。
過体重・肥満の大人が中心の話です。丸1日以上なにも食べない断食だけの研究は少なく、断食日に食べない厳密な隔日断食は、健康で太っていない人の4週間の試験1本だけです。
試すなら、断食日にも少し食べる方式が研究の条件に近いです。毎日のカロリー制限と減り方はほぼ同じなので、続けやすいほうを選べば十分です。筋肉の量は、解析によって減る結果と差がない結果があります。食事のたんぱく質は減らさないようにしましょう。持病や服薬のある人は、医師に相談してから始めてください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 18.8 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 98.8 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 99 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 5 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「高い」で、これを強度の上限にしています。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
1日断食は、断食日を決めて、その日はほとんど食べない食べ方です。1日おきに断食日を入れる隔日断食や、週に何日か入れる5:2などがあります。研究では、断食日にも少しだけ食べる方式が多く使われています。注意点は、丸1日なにも食べない断食だけを調べた研究が少ないことです。
答えの中心は、オーストラリアのディーキン大学などの研究チームが2025年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない方法どうしも含めて、多くの試験の結果をまとめて比べる方法です。
| 研究の種類 | 断続的断食を比べたRCTのネットワークメタ解析(56件) |
|---|---|
| 対象 | 18歳以上の大人 |
| 比べたもの | 隔日断食などの断続的断食、ふだんの食事 |
| 結果 | 断食日に少しだけ食べる隔日断食が、体重を減らす方法として最も効果が大きかった |
確実性は高いと評価されています。
別のネットワークメタ解析(RCT47件・3363人) でも、隔日断食は体重が平均3.42kg減り、比べた4つの減量法の中で最大でした [2]。週に1日以上を800kcal以下にする食べ方も、何もしない場合より体重が平均4.14kg多く減っています [3]。ただしこれは比べた研究が2件だけです。
読む前に知っておきたいのは、「1日断食」の研究の中身です。
何もしない場合と比べた結果は、向きが違います。同じコクランのレビューは、何もしない場合や順番待ちの人との比べでは、断続的断食の差は「ほとんど無い可能性が高い」と判断しています(6件・427人、確実性は中程度)[6]。
毎日少しずつ食べる量を減らすカロリー制限と比べると、差はほぼありません。コクランのレビュー (RCT21件・1430人) では、断続的断食とふつうの食事指導で、体重の減った割合の差は平均-0.33%でした [6]。RCT167件のネットワークメタ解析も、減らすカロリーが同じなら、断続的断食の多くは毎日の制限と同じくらい減ると結論しています [7]。隔日断食だけは毎日の制限より平均1.29kg多く減りましたが、差は小さいものです [4]。
隔日断食と毎日のカロリー制限は、6か月で体重がどちらも6.8%減り、差はありませんでした [8]。
断食日に食べる量が減るためと考えられています。厳密な隔日断食の試験では、断食日以外も含めた食べる量が平均37%減っていました [5]。毎日の制限と差が小さいことも、この見方と合います。
筋肉などの除脂肪量は、解析によって結果が分かれます。RCT47件の解析で、短期間の断食は除脂肪量が減りました [2]。28件の試験のまとめでは、毎日のカロリー制限より平均0.20kg多く減っていますが、差は小さいです [9]。一方、隔日断食のRCT8件・728人の解析では差がありませんでした [10]。
続ける人は少なめです。先の1年間の試験で、途中でやめた人は隔日断食が38%と最も多く、毎日のカロリー制限は29%でした [8]。また、12週を過ぎると断続的断食ではリバウンドが見られた、とするネットワークメタ解析もあります [7]。
研究の多くは、過体重・肥満の大人を、数週間から1年ほど追ったものです。たとえば、厳密な隔日断食の試験は、健康で太っていない中年の人を4週間だけ調べています [5]。断食日の空腹感や、断食をやめた後に食べすぎることなどは、この記事の研究では確かめていません。糖尿病などの持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中・授乳中の人、食事で悩みがある人は、始める前に医師や管理栄養士に相談してください。
体調が悪くなったら中止し、医師に相談してください。
1日断食を取り入れると、ふだんの食事より体重は減ります。
毎日のカロリー制限と差はほぼなく、筋肉への影響は解析で分かれるので、続けやすい方法を選びましょう。
始めるなら、たんぱく質を減らさず、持病や服薬のある人は先に医師へ相談を。
断食日に食べない厳密な隔日断食を、健康で太っていない中年の人で4週間調べた試験が1本あり、体脂肪が減りました [[31471173]]。断食の長さは要旨から確かめられず、研究も1本だけなので、ほかの人にも同じとは言えません。
ほぼ同じです。コクランのレビューでは、体重の減った割合の差は平均-0.33%でした [[41692034]]。続けやすいほうを選んでください。
1年間の試験で、途中でやめた人は隔日断食が38%と、毎日のカロリー制限の29%より多くなりました [[28459931]]。
断食の長さと脂肪の減りを直接比べた研究は、この記事では確かめていません。研究で分かっているのは、食べる量が減ることで体重が減るという点です。
56件の研究をまとめ、隔日断食は体重が平均5.18kg多く減った(確実性は高い)。
RCT47件・3363人で、隔日断食は体重が平均3.42kg減り最大だった。
週1日以上を800kcal以下にする食べ方は、体重が平均4.14kg多く減った。
RCT99件・6582人。隔日断食は毎日の制限より体重が平均1.29kg多く減った。
厳密な隔日断食を4週間続け、食べる量は平均37%減り、体脂肪が減った。
RCT21件・1430人で、ふつうの食事指導との体重の差はほとんど無かった。
RCT167件で、減らす量が同じなら断続的断食と毎日の制限の体重の減りは同じくらいだった。
100人の1年間の試験で、隔日断食と毎日の制限の体重の減りは同じ。やめた人は隔日断食が38%。
28件の試験で、毎日の制限より除脂肪量が平均0.20kg多く減った。
RCT8件・728人で、体脂肪が平均1.27kg減り、除脂肪量には差が無かった。
RCT7件・269人で、空腹時の血糖値とインスリン抵抗性の指標に差が無かった。
メタ解析11本(RCT130件)をまとめ、断食日に少し食べる隔日断食でBMIが下がった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。