1日断食(24〜36時間の断食)で痩せる?

1日断食(24〜36時間の断食)で痩せる?
読了目安 6〜8分最終更新日 2026.11.06
答え効く

痩せます。ただし根拠の大半は、断食日に少し食べる方式です。

根拠

RCT56件をまとめたネットワークメタ解析で、断食日に少しだけ食べる隔日断食は、ふだんの食事より体重が平均5.18kg多く減りました [1]。RCT47件・3363人の別の解析でも、隔日断食の体重は平均3.42kg減でした [2]。1日断食そのものについて、根拠の確かさは低めです。丸1日なにも食べない断食だけを調べた研究が少ないためです。

この答えの範囲

過体重・肥満の大人が中心の話です。丸1日以上なにも食べない断食だけの研究は少なく、断食日に食べない厳密な隔日断食は、健康で太っていない人の4週間の試験1本だけです。

じゃあ、どうする?

試すなら、断食日にも少し食べる方式が研究の条件に近いです。毎日のカロリー制限と減り方はほぼ同じなので、続けやすいほうを選べば十分です。筋肉の量は、解析によって減る結果と差がない結果があります。食事のたんぱく質は減らさないようにしましょう。持病や服薬のある人は、医師に相談してから始めてください。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。高い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。11 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 99 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量18.820研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 98.8 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 99 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 5 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「高い」で、これを強度の上限にしています。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

1日断食とは

1日断食は、断食日を決めて、その日はほとんど食べない食べ方です。1日おきに断食日を入れる隔日断食や、週に何日か入れる5:2などがあります。研究では、断食日にも少しだけ食べる方式が多く使われています。注意点は、丸1日なにも食べない断食だけを調べた研究が少ないことです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、オーストラリアのディーキン大学などの研究チームが2025年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない方法どうしも含めて、多くの試験の結果をまとめて比べる方法です。

研究の種類断続的断食を比べたRCTのネットワークメタ解析(56件)
対象18歳以上の大人
比べたもの隔日断食などの断続的断食、ふだんの食事
結果断食日に少しだけ食べる隔日断食が、体重を減らす方法として最も効果が大きかった
まとめて分析した結果断食日に少しだけ食べる隔日断食は、ふだんの食事より体重が平均5.18kg多く減りました [1]。

確実性は高いと評価されています。

別のネットワークメタ解析(RCT47件・3363人) でも、隔日断食は体重が平均3.42kg減り、比べた4つの減量法の中で最大でした [2]。週に1日以上を800kcal以下にする食べ方も、何もしない場合より体重が平均4.14kg多く減っています [3]。ただしこれは比べた研究が2件だけです。

この答えが当てはまる範囲

読む前に知っておきたいのは、「1日断食」の研究の中身です。

  • 断食日に少し食べる方式が大半です。上の結果は、この方式の話です [1]。
  • 丸1日の断食を週に何日か入れる方式は、隔日断食より体重の減りが平均1.05kg小さい結果でした [4]。
  • 厳密な隔日断食(strict alternate day fasting)は、健康で太っていない中年の人を4週間調べた試験が1本あるだけです。食べる量は平均37%減り、体脂肪(特にお腹まわり)が減りました [5]。断食の時間の長さは、要旨からは確かめられていません。人数が少なく期間も短いため、ここでは背景の説明にとどめます。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

何もしない場合と比べた結果は、向きが違います。同じコクランのレビューは、何もしない場合や順番待ちの人との比べでは、断続的断食の差は「ほとんど無い可能性が高い」と判断しています(6件・427人、確実性は中程度)[6]。

毎日少しずつ食べる量を減らすカロリー制限と比べると、差はほぼありません。コクランのレビュー (RCT21件・1430人) では、断続的断食とふつうの食事指導で、体重の減った割合の差は平均-0.33%でした [6]。RCT167件のネットワークメタ解析も、減らすカロリーが同じなら、断続的断食の多くは毎日の制限と同じくらい減ると結論しています [7]。隔日断食だけは毎日の制限より平均1.29kg多く減りましたが、差は小さいものです [4]。

毎日のカロリー制限と比べた試験肥満の大人100人の1年間のRCT

隔日断食と毎日のカロリー制限は、6か月で体重がどちらも6.8%減り、差はありませんでした [8]。

なぜ体重が減る?

断食日に食べる量が減るためと考えられています。厳密な隔日断食の試験では、断食日以外も含めた食べる量が平均37%減っていました [5]。毎日の制限と差が小さいことも、この見方と合います。

筋肉(除脂肪量)はどうなる?

筋肉などの除脂肪量は、解析によって結果が分かれます。RCT47件の解析で、短期間の断食は除脂肪量が減りました [2]。28件の試験のまとめでは、毎日のカロリー制限より平均0.20kg多く減っていますが、差は小さいです [9]。一方、隔日断食のRCT8件・728人の解析では差がありませんでした [10]。

長く続けられる?

続ける人は少なめです。先の1年間の試験で、途中でやめた人は隔日断食が38%と最も多く、毎日のカロリー制限は29%でした [8]。また、12週を過ぎると断続的断食ではリバウンドが見られた、とするネットワークメタ解析もあります [7]。

よく言われていることは本当?

  • 1日断食で痩せる効きます。 断食日に少し食べる隔日断食の結果ですが、体重は減ります [1]。
  • 糖を使い切ると脂肪が燃えて体脂肪が減る体脂肪は減ります。 隔日断食のRCT8件・728人の解析で、体脂肪が平均1.27kg減りました [10]。「糖を使い切る」しくみそのものは調べられていません。
  • 血糖値が下がるほぼウソです。 RCT99件のネットワークメタ解析など複数の解析で、血糖値やHbA1cは、ふだんの食事や毎日の制限と差がありませんでした [4] [11]。インスリンの効きの指標(HOMA-IR)は解析で分かれ、隔日断食だけで見ると毎日の制限より改善が大きい解析もあります [9]。
  • 16時間断食よりよく痩せる本当です。 ただし差はわずかです。隔日断食は食べる時間を決める食べ方より平均1.69kg多く減りましたが、著者は「わずかな差」としています [4]。16時間断食は「16時間断食は痩せる?」で扱っています。
  • ふつうに食事を減らすより痩せやすいほぼウソです。 上のとおり、毎日の制限と差はほぼありません [6]。
  • 筋肉が落ちる半分本当です。 減る結果もありますが差は小さく、隔日断食に絞ると差がない解析もあります [9] [10]。
  • 消化器官を休ませる・デトックスになる研究が見つかっていません。
  • オートファジーが働いて若返る研究が足りません。 1日断食でオートファジーと健康の結果を調べた試験は見つかっていません。

02注意点

研究の多くは、過体重・肥満の大人を、数週間から1年ほど追ったものです。たとえば、厳密な隔日断食の試験は、健康で太っていない中年の人を4週間だけ調べています [5]。断食日の空腹感や、断食をやめた後に食べすぎることなどは、この記事の研究では確かめていません。糖尿病などの持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中・授乳中の人、食事で悩みがある人は、始める前に医師や管理栄養士に相談してください。

自己流で丸1日の断食を長く続けない

体調が悪くなったら中止し、医師に相談してください。

03まとめ

1日断食を取り入れると、ふだんの食事より体重は減ります。
毎日のカロリー制限と差はほぼなく、筋肉への影響は解析で分かれるので、続けやすい方法を選びましょう。
始めるなら、たんぱく質を減らさず、持病や服薬のある人は先に医師へ相談を。

04よくある質問

Q丸1日の断食(36時間など)で痩せますか?

断食日に食べない厳密な隔日断食を、健康で太っていない中年の人で4週間調べた試験が1本あり、体脂肪が減りました [[31471173]]。断食の長さは要旨から確かめられず、研究も1本だけなので、ほかの人にも同じとは言えません。

Q毎日のカロリー制限と、どちらが痩せますか?

ほぼ同じです。コクランのレビューでは、体重の減った割合の差は平均-0.33%でした [[41692034]]。続けやすいほうを選んでください。

Q1日断食をやめる人は多いですか?

1年間の試験で、途中でやめた人は隔日断食が38%と、毎日のカロリー制限の29%より多くなりました [[28459931]]。

Q空腹の時間が長いほど脂肪が燃えますか?

断食の長さと脂肪の減りを直接比べた研究は、この記事では確かめていません。研究で分かっているのは、食べる量が減ることで体重が減るという点です。

05参照した論文

判定に使った主な論文(12本)

[1]断続的断食と心血管の危険因子: 系統的レビューとネットワークメタ解析

発表年
2025年
研究機関
オーストラリア・ディーキン大学
掲載誌
Current nutrition reports
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究56件を統合
結果の向き
良い方向

56件の研究をまとめ、隔日断食は体重が平均5.18kg多く減った(確実性は高い)。

[2]大人の減量に向けたカロリー制限法の比較: ネットワークメタ解析

発表年
2024年
研究機関
中国・四川大学華西病院
掲載誌
The international journal of behavioral nutrition and physical activity
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,363人
結果の向き
良い方向

RCT47件・3363人で、隔日断食は体重が平均3.42kg減り最大だった。

[3]大人の過体重・肥満に対する断続的断食: 系統的レビュー

発表年
2018年
研究機関
イギリス・グラスゴー大学
掲載誌
JBI database of systematic reviews and implementation reports
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究2件を統合
結果の向き
良い方向

週1日以上を800kcal以下にする食べ方は、体重が平均4.14kg多く減った。

[4]断食法の体重などへの効果: RCTのネットワークメタ解析

発表年
2025年
研究機関
アメリカ・ハーバード大学公衆衛生大学院
掲載誌
BMJ (Clinical research ed.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
6,582人
結果の向き
良い方向

RCT99件・6582人。隔日断食は毎日の制限より体重が平均1.29kg多く減った。

[5]隔日断食は健康で太っていない人の老化の指標を改善する

発表年
2019年
研究機関
オーストリア・グラーツ大学
掲載誌
Cell metabolism
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

厳密な隔日断食を4週間続け、食べる量は平均37%減り、体脂肪が減った。

[6]太り気味・肥満の大人の断食法: コクランレビュー

発表年
2026年
研究機関
アルゼンチン・ブエノスアイレス・イタリア病院大学
掲載誌
The Cochrane database of systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
427人
結果の向き
良い方向

RCT21件・1430人で、ふつうの食事指導との体重の差はほとんど無かった。

[7]断続的断食と毎日のカロリー制限の比較: ネットワークメタ解析

発表年
2026年
研究機関
中国・上海交通大学医学院附属瑞金病院
掲載誌
Nutrition reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
11,998人
結果の向き
差なし

RCT167件で、減らす量が同じなら断続的断食と毎日の制限の体重の減りは同じくらいだった。

[8]隔日断食の減量・維持・心臓保護への効果: 肥満の大人のRCT

発表年
2017年
研究機関
アメリカ・イリノイ大学シカゴ校
掲載誌
JAMA internal medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
100人
結果の向き
差なし

100人の1年間の試験で、隔日断食と毎日の制限の体重の減りは同じ。やめた人は隔日断食が38%。

[9]断続的エネルギー制限と毎日の制限の体組成への影響: RCTのメタ解析

発表年
2024年
研究機関
オランダ・マーストリヒト大学
掲載誌
Advances in nutrition (Bethesda, Md.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究28件を統合
結果の向き
差なし

28件の試験で、毎日の制限より除脂肪量が平均0.20kg多く減った。

[10]隔日断食の肥満と代謝リスクへの効果: 系統的レビューとメタ解析

発表年
2020年
研究機関
韓国・翰林大学聖心病院
掲載誌
Metabolism: clinical and experimental
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
728人
結果の向き
良い方向

RCT8件・728人で、体脂肪が平均1.27kg減り、除脂肪量には差が無かった。

[11]大人の隔日断食の健康への効果: 系統的レビューとメタ解析

発表年
2020年
研究機関
中国・煙台毓璜頂病院
掲載誌
Frontiers in nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
269人
結果の向き
良い方向

RCT7件・269人で、空腹時の血糖値とインスリン抵抗性の指標に差が無かった。

断続的断食と肥満関連の健康指標: メタ解析のアンブレラレビュー

発表年
2021年
研究機関
タイ・チュラロンコン大学
掲載誌
JAMA network open
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究130件を統合
結果の向き
良い方向

メタ解析11本(RCT130件)をまとめ、断食日に少し食べる隔日断食でBMIが下がった。

ほかに参考にした論文(8本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。