縄跳びで体力はつく?

縄跳びで体力はつく?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

つきます。長く動ける体力と、ジャンプ力などの筋力が上がります。

根拠

健康な1,021人(研究21件)のメタ解析で、縄跳びのトレーニングは運動しない場合などより、心肺持久力や筋力、ジャンプ、ダッシュが改善しました [1]。若い大人59人の試験でも、8週間後の最大酸素摂取量は運動しない組より高くなりました [2]。体脂肪が減るかは、研究によって結果が割れています [3]。

この答えの範囲

研究の多くは18歳未満が対象で、大人の試験は少ししかありません。

じゃあ、どうする?

体力づくりの手段として、試す価値があります。研究では週2〜3回、8〜12週ほど続けた例が中心です [3]。ひざや足首に痛みがある人は、医師に相談してから始めましょう。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。6 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 84 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量16.620研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 91.6 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 2 本。 この上限により、強度を A から B に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

縄跳びで言う「体力」とは

体力は、長く動き続ける力(心肺持久力)、筋力、ジャンプやダッシュの瞬発力、バランスなどをまとめた言葉です。縄跳びは、全身で跳び続ける有酸素運動で、道具が安く、場所も取りません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、オーストラリアのジェームズ・クック大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た研究の結果をまとめて計算し直す方法です。健康な人を対象にした縄跳びの研究21件が集められました。

研究の種類縄跳びのトレーニングを調べた研究のメタ解析
対象健康な人(1,021人・研究21件)
比べたもの縄跳びのトレーニングと、運動しない場合や別の運動
結果心肺持久力や安静時の心拍数などが小〜中程度改善
まとめて分析した結果縄跳びのトレーニングで、長く動き続ける体力は運動しない場合や別の運動をした場合より改善しました。

最大筋力、ジャンプ、ダッシュも改善しましたが、筋持久力には有意な効果がありませんでした [1]。

注意したいのは、対象の年齢です。21件のうち18件は、参加者の平均年齢が18歳未満でした。期間は6〜40週です [1]。

大人の研究は少ない

大人を対象にしたランダム化比較試験(RCT)は、今回の抽出では1本だけでした。タイのチュラロンコン大学の研究チームが2025年に発表した、平均21.7歳の健康な大人59人の試験です [2]。

最大酸素摂取量は、体が使える酸素の最大量で、長く動き続ける力の指標です。

  • 高強度インターバル(強い運動と軽い休みの繰り返し)の縄跳びを週3回の組: 最大酸素摂取量 48.4(mL/kg/分)
  • 30分続ける縄跳びを週5回の組: 47.2
  • 運動しない組: 39.9

期間は8週間で、縄跳びの2つの組はどちらも運動しない組より高くなりました [2]。ただし、これは1本の小さな試験です。中高年や運動習慣のない大人については、研究が見つかっていません。

子どもでの結果

中国のハルビン体育大学の研究チームによる2023年のメタ解析は、10〜12歳の1,048人(RCT15件)を対象にしました。縄跳びはふだんの体育より、男子では速さ・筋力・筋持久力・敏しょう性、女子では協調性とバランスが改善しました [3]。効果が出やすかったのは、毎回40分を超える、週2回、8〜12週の縄跳びでした。

体脂肪は結果が割れている

体脂肪については、研究の結果が一致していません。根拠の確かさは低めです。結果のばらつきが大きいためです。

  • 健康な1,021人のメタ解析では、BMIと体脂肪量が改善しました [1]
  • 10〜12歳のメタ解析では、体格の指標にふだんの体育との差がありませんでした [3]
  • 若い大人59人の試験では、8週間で体組成は運動しない組と変わりませんでした [2]
  • 大学生96人(12週間)の試験では、著者は縄跳びの組で体組成が運動しない組より改善したとまとめています [4]
差がなかった試験平均21.7歳の健康な大人59人(8週間)

体組成は運動しない組とも、始める前とも変わりませんでした。

一方、太りぎみの10〜13歳(各組40人)の試験では、体育の授業に12週間インターバル縄跳びを取り入れた組で、体重・BMI・体脂肪率が有意に改善しました [5]。体脂肪が減るかは、対象と期間で変わるようです。

よく言われていることは本当?

  • 心肺機能・持久力が上がる本当です。 メタ解析2本(1本は持久力、もう1本は肺活量や安静時の心拍数の改善)と、若い大人の試験で改善が報告されています [1] [3] [2]。
  • 脂肪燃焼・ダイエットになる研究で結果が割れています。 改善した研究も、差がなかった研究もあります [1] [3]。
  • 脚の筋力やジャンプ力、敏しょう性がつく本当です。 メタ解析2本で改善が報告されています [1] [3]。ジュニアのテニス選手では、準備運動に12週間の縄跳びを足すと、バランスの指標が改善しました [6]。
  • ストレス発散になる縄跳びに限った研究は、今回の検索では見つかっていません。

02注意点

研究の多くは、週2〜3回、8〜12週ほどの縄跳びです。大学生96人の試験では、週2,000回を12週間続けた組で、運動しない組より心拍数が下がりました [4]。ひざ・足首・腰に痛みや持病がある人、運動を久しぶりに始める人は、医師や理学療法士に確認してから始めてください。

大人の研究は少ない

結果の多くは子ども・10代のものです。大人は無理のない回数から始めてください。

03まとめ

縄跳びは、長く動き続ける体力とジャンプ力などの筋力に効きます。
研究の多くは18歳未満で、大人の試験は少なく、体脂肪の結果は割れています。
週2〜3回から始め、体の反応を見ながら続けましょう。

04よくある質問

Q大人でも体力はつきますか?

若い大人59人の試験で、8週間の縄跳びのあと最大酸素摂取量が運動しない組より高くなりました [[39994454]]。ただし大人の研究は少なく、中高年での確かな結果はありません。

Q縄跳びで痩せますか?

研究の結果は割れています。体脂肪が改善したメタ解析もあれば、差がなかった研究もあります [[36121177]] [[37293420]]。体脂肪を減らす目的なら、食事と合わせて考えましょう。

Qどのくらいの頻度で跳べばいいですか?

10〜12歳の研究では、毎回40分を超える、週2回、8〜12週の縄跳びで効果が出やすい結果でした [[37293420]]。大人で最適な頻度は、研究では確かめられていません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(6本)

[1]縄跳びのトレーニングが体力と体格に与える影響のメタ解析

発表年
2022年
研究機関
オーストラリア・ジェームズ・クック大学
掲載誌
Journal of sports sciences
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,021人
結果の向き
良い方向

健康な人1,021人(研究21件)で、心肺持久力や筋力が小〜中程度改善した。

[2]縄跳びのトレーニングが若い大人の体力に与える効果

発表年
2025年
研究機関
タイ・チュラロンコン大学
掲載誌
European journal of clinical nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
59人
結果の向き
良い方向

健康な若い大人59人で、8週間後の最大酸素摂取量が運動しない組より高かった。

[3]10〜12歳の子どもへの縄跳びの効果のメタ解析

発表年
2023年
研究機関
中国・ハルビン体育大学
掲載誌
Journal of sports science & medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,048人
結果の向き
良い方向

10〜12歳の1,048人(RCT15件)で、ふだんの体育より体の働きの指標が改善した。

[4]大学生の縄跳びと体組成・心拍数

発表年
2023年
研究機関
中国・中山大学
掲載誌
Food research international (Ottawa, Ont.)
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
96人
結果の向き
良い方向

大学生96人で、週2,000回の縄跳びを12週間続けると安静時の心拍数が下がった。

[5]太りぎみの子どもへのインターバル縄跳びの効果

発表年
2025年
研究機関
中国・深圳大学
掲載誌
BMC pediatrics
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

太りぎみの10〜13歳で、12週間のインターバル縄跳びにより体重・BMI・体脂肪率が改善した。

[6]ジュニアテニス選手への縄跳びの効果

発表年
2023年
研究機関
中国・重慶幼児師範高等専科学校
掲載誌
Scientific reports
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
16人
結果の向き
良い方向

ジュニアのテニス選手16人で、12週間の縄跳びによりバランスの指標が改善した。

ほかに参考にした論文(7本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。