[1]おくるみが赤ちゃんの眠りと目覚めに与える影響の系統的レビュー
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- イギリス・ダーラム大学
- 掲載誌
- Frontiers in pediatrics
- 研究の種類
- システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
- 対象
- 研究6件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
研究6件のレビューで、おくるみをすると静かな眠りの時間が長くなっていた。

おくるみをした赤ちゃんは、静かな眠りが長く、目を覚ます回数が少ないことと関連しています。
1歳未満の健康な赤ちゃんの眠りの話です。寝つくまでの時間を直接測った研究は、今回集めた中にありません。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 24 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 61 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 61 点です。 判定に使った研究は、観察研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
おくるみは、赤ちゃんの体を薄い布でくるむ育児の方法です。包まれて安心し、眠りやすくなるとされています。腕ごと包む巻き方や、足をゆったり出す巻き方などがあります。注意点は、寝返りを始める前にやめることと、うつぶせで寝かせないことです。
眠りの答えの中心は、イギリスのダーラム大学などの研究チームが2022年に発表した系統的レビューです [1]。系統的レビューとは、決めた手順で関連する研究を集め、結果を整理する方法です。2007年以降の研究6件が集められました。
| 研究の種類 | おくるみと眠りを調べた研究6件の系統的レビュー |
|---|---|
| 対象 | 1歳未満の赤ちゃん |
| 比べたもの | おくるみをした場合と、しない場合 |
| 結果 | 静かな眠りの時間が長く、おくるみに慣れていない赤ちゃんでは睡眠の状態の切り替わりが少ない |
おくるみに慣れていない赤ちゃんでは、睡眠の状態の切り替わりも少なくなっていました [1]。
このレビューは数値を統合しておらず、効果の大きさは示されていません。2007年の別の系統的レビューも、おくるみをした赤ちゃんは全体として目を覚ますことが少なく、長く眠っていたとまとめています [2]。根拠の確かさは低めです。研究の数が少なく、結果を数値でまとめていないためです。
ふだんからおくるみをしている赤ちゃんでは、目覚めやすさは変わりませんでした [4]。おくるみに慣れていない赤ちゃんでは、生後3か月の静かな眠りの間に目覚めにくくなっていました。眠りが深くなる良い面に見えますが、研究者は突然死との関係を考えています。
目覚めやすさは、おくるみの有無で変わりませんでした。
睡眠検査室で調べた赤ちゃん85人の試験では、自然に目を覚ます回数が毎時1.39回と、スリーパー (着る寝袋) の2.81回より少なくなっていました [5]。
よく泣く赤ちゃん398人の試験では、生活リズムを整えて刺激を減らす指導に、おくるみを加えても、全体では泣く時間はさらに減りませんでした [6]。ただし月齢で分けると、結果が違います。
実際の泣く時間の差は10分ほどで、大きな差ではありません [6]。
おくるみを含むあやし方をまとめて教えた試験では、泣く時間が短くなった試験 [7] [8] と、差がなかった試験 [9] があります。どれも、おくるみだけの効果は分けられていません。
乳幼児突然死症候群 (SIDS) とおくるみの関係は、寝かせる向きで大きく変わります。観察研究4件のメタ解析では、おくるみ全体のオッズ比は1.58 (95%信頼区間0.97〜2.58) で、統計的にははっきりしませんでした [10]。向き別では次のとおりです。
おくるみをした赤ちゃんの突然死はまれだと報告されています。あおむけに寝かせ、寝返りしそうな様子が見えたらすぐやめることで、リスクを減らせるとされています [3]。生後6か月を超えると約2倍という限られた結果もあります [10]。
研究の対象はどれも1歳未満の赤ちゃんです。突然死のリスクは、うつぶせや横向きで高くなります。寝返りしそうな様子が見えたら、その日からおくるみをやめてください [3]。足を伸ばして閉じた形で巻くのも避けます [2]。持病のある赤ちゃんや、使い方に迷うときは、小児科の医師や助産師に確認してください。
うつぶせや横向きでは突然死との関連が高いため、必ずあおむけで寝かせてください。
おくるみは、静かな眠りが長いことと関連していますが、根拠の確かさは低めです。
泣く時間は、全体では上乗せがなく、生後1〜7週に限って上乗せが見られました。
使うなら、あおむけで、寝返りの兆しが出るまでにしましょう。
寝つくまでの時間を測った研究は、今回集めた中にありません。分かっているのは、静かな眠りが長いことと、目を覚ます回数が少ないことの関連です [[36533224]]。
月齢ごとの区切りを調べた研究はありません。寝返りしそうな様子が見えたら、すぐやめるのが報告されている条件です [[24507866]]。
おすすめできません。おくるみをしたうつぶせは、突然死との関連が12.99倍と最も高くなっていました [[27244847]]。
研究6件のレビューで、おくるみをすると静かな眠りの時間が長くなっていた。
おくるみをした赤ちゃんは全体として目を覚ますことが少なく、長く眠っていた。
あおむけに寝かせ、寝返りしそうならすぐやめることでリスクを減らせるとしていた。
おくるみに慣れていない赤ちゃんは、おくるみで静かな眠りの間に目覚めにくくなっていた。
赤ちゃん85人の睡眠検査で、おくるみをすると自然に目を覚ます回数が少なかった。
よく泣く赤ちゃん398人で、全体ではおくるみを加えても泣く時間は減らなかった。
おくるみ・横抱き・シーという音・揺らすの4つをまとめて母親に教えたところ、夜に起きる回数が減った。おくるみだけの効果は分けられない (上のレビューに含まれる研究)
おくるみ・ホワイトノイズの出る寝かしつけグッズ・冊子を使ったあやし方の指導で、赤ちゃんの合計の睡眠時間が長くなった。おくるみだけの効果は分けられない
おくるみを含むあやし方をビデオで教えても、赤ちゃんの1日の睡眠時間や泣く時間に差はなかった。おくるみだけの効果は分けられない (上のレビューに含まれる研究)
観察研究4件の解析で、うつぶせ・横向きのおくるみは突然死が多いことと関連していた。
判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。