[1]冬の断熱改修が家庭血圧に与える影響の全国調査
- 発表年
- 2020年
- 研究機関
- 日本・東京工業大学
- 掲載誌
- Journal of hypertension
- 研究の種類
- コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
- 対象
- —
- 結果の向き
- 良い方向
断熱改修をした人は、しなかった人より冬の朝の上の血圧が3.1mmHg低かった。

断熱改修をした家の人は、冬の朝の上の血圧が3.1mmHg低いことと関連しています。
冬の家庭血圧の話です。
冬の朝の血圧が気になるなら、断熱改修を考える価値があります。すぐ始められる方法として、朝に居間を先に暖める方法は、高齢者の試験で起床後4時間までの上の血圧が4.43mmHg低くなりました [3]。降圧薬を飲んでいる人は、自己判断で変えず医師に相談してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 20 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 3.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 59.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 59 点です。 判定に使った研究は、その他のヒトの研究 1 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
断熱改修は、断熱材を入れたり窓を替えたりして、家の熱の逃げにくさを高める工事です。冬の室温が上がりやすく、寒さによる体への負担が減るとされています。工事の内容は家によって違います。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、日本の東京工業大学などの研究チームが2020年に発表した全国調査です [1]。断熱改修の前後で血圧を測り、改修した家と改修しなかった家を比べました。くじ引きで分けた試験ではありません。
| 研究の種類 | 断熱改修の前後を比べた全国調査(くじ引きなし) |
|---|---|
| 対象 | 改修した942世帯1578人、改修しなかった67世帯107人 |
| 比べたもの | 冬に改修の前後で2週間ずつ測った家庭血圧と室温 |
| 結果 | 改修した家の人は、朝の上の血圧が3.1mmHg低かった |
朝の室温は1.4℃上がり、高血圧の人では下がり幅が大きく、7.7mmHg対2.2mmHgでした [1]。
改修した人としなかった人の人数が大きく違い、人を無作為に分けていません。このため、血圧の差が断熱改修だけによるものとは言い切れません。「低い結果が見られた」と読むのが正確です。
英国グラスゴーの集合住宅4棟のうち2棟を、暖かく乾いた状態に改修した研究があります [2]。改修した棟の住民は上と下の血圧がはっきり下がり、改修しなかった棟では変化がありませんでした。2008年の短い研究報告で、人数は要旨に書かれていません。
改修した棟だけ、上と下の血圧が下がりました。
断熱で室温が上がることが、血圧が低い理由の一つと考えられています [1]。断熱改修を予定していた日本の約2900人の調査では、57歳の場合、室温が10℃低いと朝の上の血圧が8.2mmHg高い関連がありました [4]。朝に居間を暖めるよう指示された高齢者359人のくじ引き試験では、室温が2.09℃高くなり、上の血圧が4.43mmHg低くなりました [3]。ただし、これは暖房の試験で、断熱改修そのものの試験ではありません。
断熱改修の研究は、冬に寒い家に住む人が中心です。日本の調査では、改修前の血圧を測ったうえで、改修前後に2週間ずつ家庭血圧を測っています [1]。すき間をなくした家で換気設備がないと、かえって健康を損なうことがあるというまとめもあります [11]。持病や服薬のある人は、工事の前後で血圧の測り方や薬について、医師に確認してください。
家を暖かくしても、薬の量を減らしてよいかは研究では調べられていません。
断熱改修をした家の人は、冬の朝の上の血圧が低い結果ですが、根拠の確かさは低めです。
当てはまるのは冬に寒い家に住む人で、ヒートショックが減るかは確かめられていません。
血圧が気になる冬は、断熱の前に、朝に居間を先に暖めることから試せます。
研究では確かめられていません。全国調査の改修は断熱材や窓などの工事を含み、窓だけの結果は分けられていません [[32555002]]。
全国調査では、高血圧の人で下がり幅が大きい結果でした。7.7mmHg対2.2mmHgです [[32555002]]。
暖房だけでも血圧が下がる結果はありますが、断熱改修と直接比べた研究は、研究では確かめられていません [[26372318]]。
断熱改修をした人は、しなかった人より冬の朝の上の血圧が3.1mmHg低かった。
英国の集合住宅を改修した棟で、住民の上と下の血圧が下がった。
朝に居間を暖めた高齢者は、上の血圧が4.43mmHg低かった。
室温が10℃低いと朝の上の血圧が8.2mmHg高い関連があった。
室温が1℃低いほど上の血圧が0.38mmHg高い関連があった。
暖かくする改修で呼吸器の健康などが良くなる結果が示された。
断熱改修を受けた住民は呼吸器の病気での入院の増え方が小さかった。
家の環境を変える試験14件で、呼吸器感染症は減る傾向があったが、解析により差の出方が分かれた。
ニュージーランドの4407人のくじ引き試験で、断熱した家では寝室が冬に0.5℃暖かくなり、ゼーゼー (喘鳴) の訴えが減った (コクランのレビューの検索期間より前の研究のため数に入れない)
改修を受けた高齢者は息切れが少なく、医療費が一人あたり平均887豪ドル少なかった。
換気設備のない断熱は健康を損なうことがあるとまとめられた。
判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。