[1]靴下を履いて寝ると寝つきはどう変わるか
- 発表年
- 2018年
- 研究機関
- 韓国・ソウル大学
- 掲載誌
- Journal of physiological anthropology
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 6人
- 結果の向き
- 良い方向
若い男性6人が足を温める靴下を履くと、寝つくまでの時間が平均7.5分短くなった。

足を温めると、寝つきが早まります。靴下の実験では平均7.5分短くなりました。
湯たんぽそのものを試した研究はなく、靴下や足の加温の実験からの答えです。温めない靴下でも寝つきが早まった結果があり、効くのが温めることか、冷えないことかは分かりません。
寝る前に布団や足元を温めておく使い方は、研究の向きと合っています。低温やけどの報告が多いので、肌に直接当てず、布のカバーで包み、体から離して足元に置きましょう [4]。寝つきの全体の工夫は、寝れないときはどうする? も参考になります。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 32 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 8.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 13.6 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 59.8 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 60 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・その他のヒトの研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
湯たんぽは、お湯を入れた容器を布団や足元に置いて体を温める道具です。お湯を注ぐタイプのほか、充電式や蓄熱式があります。寝る前に布団を温めておく使い方が一般的です。注意点は、長く触れ続けると起きる低温やけどです。この説明は一般的な知識で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、韓国のソウル大学の研究チームが2018年に発表したランダム化比較試験です [1]。同じ人が、足を温める靴下を履く夜と履かない夜を、順番を変えて体験しました。湯たんぽの研究ではなく、足を温める靴下の実験です。
| 研究の種類 | 同じ人が両方の夜を体験する、ランダム化比較試験 |
|---|---|
| 対象 | 平均22.7歳の若い男性6人 |
| 比べたもの | 足を温める靴下を履く夜と、履かない夜(室温23℃で7時間) |
| 結果 | 履いた夜は、寝つくまでの時間が平均7.5分短く、睡眠時間は32分長かった |
睡眠時間も32分長くなりましたが、参加者は6人だけです。
人数が少ないため、「この数字がそのまま自分に当てはまる」とは言えません。向きは「早まる」でそろっていますが、大きさは目安として読んでください。
消灯後に温める靴下を履くと成人の寝つきが早まり、足の温度の上がり方と関係していた、という別の実験もあります [2]。ただし、この実験では温めない靴下でも寝つきが早まりました。効いているのが「温めること」か「足が冷えないこと」かは、今の研究では分かりません。
手足の皮膚の温度を0.74℃ほど変えても、健康な8人の寝つきの速さは変わりませんでした [3]。不眠のある高齢者では、靴下や足湯のどの温め方でも寝つきは早まりませんでした [2]。年齢や眠りの悩みで、効き方が違うようです。
昼間の仮眠検査の5分前に手足を42℃のお湯に浸した11人の試験でも、寝つきに差はありませんでした [5]。これは夜の寝つきではなく、お湯に浸す方法です。この結果を、夜の湯たんぽにそのまま当てはめることはできません。
温かいお湯と体温に近いお湯で、寝つきの速さに差はありませんでした。
湯たんぽのやけどは、記録調査で多く報告されています。英国の熱傷センターが治療した80人では、51.3%が湯たんぽに長く触れていたことによるやけどでした [4]。ドイツの1施設の88人では、81.8%がⅡ度のやけどで、寒い月ほど多くなっていました [10]。体を温める器具によるやけど1343人のまとめでは、場所は脚と足が多くなっています [11]。感覚が鈍い人、糖尿病などの持病がある人、小さな子どもは、使う前に医師や薬剤師に確認してください。
眠っている間じゅう、足に触れたままにしないでください。
足を温めると寝つきが早まる、という結果が小規模な実験で出ています。
湯たんぽそのものの研究はなく、効くのが温めることか冷えないことかも分かっていません。
布団を温める使い方なら、低温やけどを防ぐために、布で包んで体から離して使いましょう。
研究では確かめられていません。見つかった湯たんぽの研究は、やけどの記録調査だけです。肌に直接当てず、布で包んで足元に置くのが一般に勧められています。
温めない靴下でも、成人の寝つきが早まった実験があります [[17070562]]。足が冷えないことが効いている可能性は、今の研究では切り分けられていません。
不眠のある高齢者では、靴下や足湯のどの温め方でも寝つきは早まりませんでした [[17070562]]。寝つきが悪い状態が続くときは、[寝れないときはどうする?](/evidence/sleep-onset-remedies) や、医師への相談を考えてください。
寝室の明るさは、[寝室を暗くすると眠りは良くなる?](/evidence/dark-bedroom-sleep) で扱っています。この記事の実験は、室温23℃の部屋などで行われました [[29699592]]。
若い男性6人が足を温める靴下を履くと、寝つくまでの時間が平均7.5分短くなった。
成人は靴下で寝つきが早まったが、不眠のある高齢者はどの温め方でも早まらなかった。
健康な8人で、手足の皮膚温を0.74℃ほど変えても寝つきの速さは変わらなかった。
湯たんぽのやけど80人のうち、51.3%は長く触れていたことによるやけどだった。
仮眠検査の5分前に手足をお湯に浸した11人で、寝つきの速さに差はなかった。
室温3℃の部屋で若い男性9人が電気毛布を使うと、浅い眠りが減った。
16人が電気毛布で夜中から朝まで温め続けると、明け方の睡眠効率が5.5%下がった。
60歳以上950人のまとめで、足湯は自分で評価した睡眠の質を良くした。
睡眠検査で測った6件176人のまとめでは、寝つくまでの時間などに差はなかった。
湯たんぽのやけど88人の81.8%がⅡ度で、寒い月ほど多かった。
体を温める器具によるやけど1343人の記録で、場所は脚と足が多かった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。