[1]二日酔いの予防・治療を調べたプラセボ対照試験の系統的レビュー
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- イギリス・キングス・カレッジ・ロンドン
- 掲載誌
- Addiction (Abingdon, England)
- 研究の種類
- システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
- 対象
- 386人
- 結果の向き
- 結果が割れている
プラセボ対照の試験21件(386人)を集め、一部の成分で症状が軽くなったが根拠の質はすべて非常に低いと評価。

一部の成分で、翌日の症状が軽くなった試験があります。飲酒後の血中のアセトアルデヒドは、下がった試験が多くあります。
健康な大人が、決まった量のお酒を飲んだ試験で確かめた結果です。調べた成分は、乳酸菌・アミノ酸・植物のエキスなどです。ウコンやしじみの研究の状況は、本文にまとめています。
サプリや食品は、二日酔いを確実に防ぐ手段としては頼れません。研究が確かめている範囲では、飲む量を控えることが最も確実です [3]。使う場合も、補助と考え、飲み過ぎないことが前提です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 15.5 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 10.8 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 76.3 点を、エビデンス強度 D の範囲(5〜39 点)に収めて、スコアは 39 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 5 本・RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「非常に低い」で、これを強度の上限にしています。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
二日酔い対策のサプリや食品は、飲酒の前後にとることで、お酒の分解を助けたり翌日のつらさを和らげたりするとされるものです。乳酸菌・アミノ酸・植物のエキス・ウコン・しじみなど、成分はさまざまです。飲料やカプセルなど形も多く、医薬品ではなく食品として売られます。注意点は、成分ごとの研究が少ないことです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、イギリスのキングス・カレッジ・ロンドンなどの研究チームが2022年に発表した系統的レビューです [1]。系統的レビューとは、決めた手順で関連する研究を集め、結果を整理する方法です。二日酔いの予防・治療を調べたプラセボ(効果のない偽物)対照の試験21件が集められました。
| 研究の種類 | 二日酔いの予防・治療を調べたプラセボ対照の試験の系統的レビュー |
|---|---|
| 対象 | 健康な大人(21件・386人) |
| 比べたもの | クローブのエキス・高麗人参・韓国の梨ジュースなどと、プラセボ |
| 結果 | 一部の試験で症状が軽くなったが、成分ごとの試験は1件ずつで、根拠の質はすべて非常に低い |
同じ成分を調べた試験が複数なく、統合解析はできませんでした。
血中のアルコールやアセトアルデヒドが下がっても、翌日の症状が軽くなるとは限りません。飲む前にとる小さな試験9件では、乳酸菌・アミノ酸・植物エキスなどをとると、飲酒後の血中の数値がプラセボより低いものが多くありました。ただし血液の数値が下がっても、症状に差がなかった試験もあります。
二日酔いの点数は、どちらもプラセボと差がありませんでした [8] [9]。
効いた報告は、成分も飲み方もばらばらです。いつ飲むか、どの成分か、どんな体質の人かで結果が変わります。乳酸菌とビフィズス菌の混合物では、お酒に弱い体質(ALDH2のヘテロ型)の人では血中の数値が下がり、強い体質の人では下がりませんでした [9]。試験の多くは、参加者が数十人で、1回の飲酒だけを調べています。
試験で使われたお酒の量は、体重1 kgあたりアルコール0.78 g分のウイスキーや、アルコール90 g相当のウイスキーなど、研究ごとに違います [2] [7]。サプリは、お酒をたくさん飲んでも大丈夫にするものではありません。古い系統的レビューも、最も確実なのは飲まないか控えめにすることと結論しています [3]。持病や服薬がある人、妊娠中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
血中の数値が下がることと、翌日が楽になることは別の結果です。
飲む前のサプリや食品では、一部の成分で翌日の症状が軽くなった試験があります。
成分ごとの試験は1件ずつで、血中の数値が下がっても症状に差がない試験があります。
使うなら補助と考え、飲む量を控えることを先に考えましょう。
研究が足りません。ウコン(クルクミン)・しじみ(オルニチン)と二日酔いを調べたヒトの試験は見つかっていません。
研究では確かめられていません。
試験によって分かれました。グルタチオンを含む酵母エキスは、血中のアセトアルデヒドが低くても症状に差がありませんでした [[39408229]]。
この記事は飲む前の話です。27人の酵母エキスの試験は、飲んだ後にとり、症状の差ははっきりしませんでした [[42019562]]。
プラセボ対照の試験21件(386人)を集め、一部の成分で症状が軽くなったが根拠の質はすべて非常に低いと評価。
二日酔いの経験がある40人で、症状の点数はプラセボと差がなかった。血中のアセトアルデヒドは低かった。
ランダム化試験8件の古い系統的レビュー。どの方法も効くという説得力のある根拠はないと結論。
30人の交差試験。血中のアセトアルデヒドと下痢は少なかったが、症状が軽くなったのは一部の人に限られた。
健康な大人で、飲酒の13時間後の症状(だるさと頭の働きにくさ)がプラセボより軽かった。
健康な大人28人の交差試験。二日酔いの自覚症状が軽く、特にのどの渇きが少なかった。
28人の交差試験。二日酔いの2つの質問票の合計点がプラセボより低かった。
49人で、二日酔いの合計点はプラセボと差がなかった。
お酒に弱い体質の人では血中のアルコールとアセトアルデヒドが下がったが、強い体質の人では下がらなかった。
この記事のエビデンス強度は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。