[1]甲状腺機能低下症で症状が残る人での、生姜の寒がり症状への効果
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- イラン・シーラーズ医科大学
- 掲載誌
- Evidence-based complementary and alternative medicine : eCAM
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 60人
- 結果の向き
- 良い方向
甲状腺機能低下症の60人が生姜500mgを毎日2回、30日飲むと、寒がりの症状の点数が偽薬より改善した。

生姜を飲むと、寒さの感じ方や手のひらの温度が偽薬より良くなった試験が三つあります。体温や消費エネルギーは変わりません。
生姜を飲む試験は5件(人数が分かる4件で182人)で、メタ解析(試験をまとめた分析)はありません。人数が分かる4件は6人から100人と少なく、うち1件は企業の研究部門による試験です。
手足が冷えやすい女性、甲状腺機能低下症で寒がりの症状がある人、寒い部屋で運動した若い男性で確かめた結果です。試験は6人から100人と小さく、期間も短めで、企業の試験を含みます。足湯は高齢者40人の2試験です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 34 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10.9 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 11.8 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 66.7 点を、エビデンス強度 D の範囲(5〜39 点)に収めて、スコアは 39 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・その他のヒトの研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
生姜は、ショウガ科の植物の根茎(根のように見える部分)で、料理の薬味や飲み物、漢方薬などに使われる食品です。体を温める、血行を良くするとされ、すりおろし・乾燥させた粉末・エキスのサプリ・生姜湯や生姜紅茶などの形があります。辛み成分をもつのが特徴です。注意点は、たくさん摂ると胃への刺激になることがあり、薬を飲んでいる人は医師・薬剤師への確認が必要なことです。
答えのもとになるのは、生姜を飲む人で温かさや冷えを調べた5件の試験(人数が分かる4件で182人)です。
| 研究の種類 | 生姜を飲む試験5件(メタ解析はなし) |
|---|---|
| 対象 | 手足が冷えやすい女性、健康な成人、甲状腺機能低下症の人など |
| 比べたもの | 生姜エキス・乾燥生姜の粉末・生姜入りの飲み物と、偽薬など |
| 結果 | 温かさの感じ方や手のひらの温度が良くなった試験が複数。一部の年齢・性別だけで良くなった試験と、変化がなかった試験もある |
一方、100人の試験では一部の年齢・性別だけ、島根大学の試験では変化なしと、結果は割れています [4] [5]。
体の温かさの感じ方が良くなったのは51歳以上の男性だけで、末梢(体の端)の深いところの血流が増えたのは51歳未満の女性だけでした [4]。
島根大学の試験では、乾燥生姜の粉末1.0gを朝または午後に1回飲んでも、直腸の温度・皮膚の血流・暑さ寒さの感じ方は変わりませんでした [5]。
試験が少ないため、部屋の温度や対象者の違いが理由かどうかは分かりません。
寝る前の足湯(40〜41℃のお湯)は、足湯をしない夜より足が温まりました。55歳以上の25人と、睡眠に悩む台湾の高齢者15人の試験です [6] [7]。体操やレッグウォーマーなどのセルフケアは、冷えのある妊娠中の女性140人で腕と脚の皮膚温が高くなりましたが、体操だけの効果は分けられず、根拠の確かさは低めです。試験が1件で、組み合わせの効果しか分からないためです [15]。
手のひらの温度の試験は、6人・60分(1時間)の短い観察です [3]。足湯のお湯が熱すぎると、やけどやのぼせの心配があります。持病や服薬のある人、妊娠中の人は、医師・薬剤師に確認してください。冷えが強いときや急に強くなったとき、ほかの症状もあるときは、別の原因もあるため受診を考えてください。
生姜で消費エネルギーを増やしたり、体の中心の温度を上げたりする効果は、確かめられていません。
生姜を飲んで、寒さの感じ方や手のひらの温度が偽薬より良くなった試験が三つあります。
体温や消費エネルギーは変わらず、100人の試験で良くなったのは一部の年齢・性別でした。
試すなら数週間続けて様子を見て、寝る前の足湯も組み合わせましょう。
研究では確かめられていません。冷えを調べた試験のうち飲み物は、生姜エキス入りの飲料の6人の試験だけです [[30402121]]。
お湯だけの足湯でも足は温まります [[23669188]]。生姜を足すと温かさの感じ方が強まった試験もありますが、2週間続けた試験ではお湯だけと差がありませんでした [[35439548]]。
研究からは言えません。試験の期間は1回から30日、8週間まで、結果もさまざまでした [[35096113]] [[39203851]]。
甲状腺機能低下症の60人が生姜500mgを毎日2回、30日飲むと、寒がりの症状の点数が偽薬より改善した。
若い男性16人が寒い部屋で自転車をこぐ前に生姜1000mgを飲むと、寒さの感じ方が偽薬より改善した。
冷えやすい女性6人が生姜エキス入り飲料を飲むと、上がった手のひらの温度が偽薬より長く保たれた。
100人が生姜エキスか偽薬を8週間飲み、温かさの感じ方は51歳以上の男性だけ、血流は51歳未満の女性だけで良くなった。
乾燥生姜の粉末1.0gを1回飲んでも、直腸の温度・皮膚の血流・暑さ寒さの感じ方は変わらなかった。
55歳以上の25人で、寝る前に40℃の足湯を20分すると、足湯をしない夜より足の温度が上がった。
睡眠に悩む高齢者15人で、寝る前に41℃の足湯を40分すると、末端と体幹の皮膚温の差が大きかった。
生姜の辛み成分は温度・痛みのセンサー(TRPV1)を働かせた。細胞とラットの実験で、人の研究ではない。
健康な女性20人が生姜エキスのカプセルを飲んでも、食後の熱づくりもわきの下の体温も偽薬と変わらなかった。
体脂肪の多い女性66人が生姜エキス600mgを3か月飲んでも、安静時の消費エネルギーは偽薬と変わらなかった。
太り気味の男性10人で、生姜の粉末2gを溶かしたお湯は食後の熱づくりを増やしたが、6時間の消費エネルギー全体は変わらなかった。
若い男性22人で、生姜20gを入れた食事は、香辛料なしの食事と食後の熱づくりに差がなかった。
健康な17人で、生姜入りの足湯はお湯だけより足の温かさの感じ方が強かったが、足の皮膚温はどの足湯でも上がった。
不眠の症状がある28人で、生姜入りの足湯を毎晩2週間続けても、お湯だけの足湯と差がなかった。
冷えのある妊娠中の女性140人で、セルフケアを4週間続けると、何もしない群より腕の皮膚温が3.0℃高かった。
この記事のエビデンス強度は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。