[1]寝起きの時刻をそろえることが日中の眠気に与える効果
- 発表年
- 1996年
- 研究機関
- アメリカ・アリゾナ大学
- 掲載誌
- Sleep
- 研究の種類
- コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
- 対象
- —
- 結果の向き
- 良い方向
大学生で、寝起きの時刻もそろえた組は、睡眠時間だけを守った組より日中の眠気が減った。

起きやすくなります。日中の眠気が減り、目がさえた状態が長く続きます。
大学生と10〜18歳の話です。眠気や目のさえ方は、本人の答えで測っています。朝起きる瞬間のつらさそのものを測った研究は見つかっていません。
平日も休日も、起きる時刻をなるべく同じにしてみましょう。15〜17歳では、休日に平日より3時間遅く起きると体内時計が平均45分遅れました。1時間遅れまでにして昼寝で補っても41分遅れたので、何時間までなら大丈夫かは分かりません。まずは平日との差を小さくすることからです [4]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 30 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 11.4 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 76.4 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・その他のヒトの研究 1 本・観察研究 2 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
毎日、平日も休日も、ほぼ同じ時刻に起きることです。睡眠の規則性(寝る時刻・起きる時刻のそろい方)の一部で、体内時計(約1日の周期で体のリズムを刻むしくみ)に関わるとされています。夜にメラトニンという眠りを促すホルモンが出始める時刻が、体内時計の目安として研究で使われます。
答えの中心は、アリゾナ大学の研究チームが1996年に発表した、大学生の比較研究です [1]。睡眠時間を確保したうえで、寝起きの時刻もそろえる組と、睡眠時間だけを守る組を比べています。
| 研究の種類 | 大学生を2つの条件で比べた研究 |
|---|---|
| 対象 | 大学生 |
| 比べたもの | 睡眠時間を7.5時間以上とる組 と、それに加えて寝起きの時刻もそろえる組(4週間) |
| 結果 | 寝起きの時刻もそろえた組で、日中の眠気が減り、目がさえた状態が長く続いた |
目がさえた状態が長く続いたと答えています。終了5週間後には、1週間の追跡も行われています [1]。
この研究は、効果の大きさを示す数値が要旨にありません。向きがそろった結果、と読むのが正確です。
起きる時刻をそろえる方法を含む指導では、2件のランダム化比較試験で日中の眠気が減りました。
どちらも、起きる時刻の固定に、睡眠の予定表や睡眠の教育などを組み合わせた指導です。起きる時刻を決めた効果だけを取り出した結果ではありません。
観察した研究もあります。日本の中学生427人を1年追跡した調査では、平日と休日の睡眠のずれが1時間以上続いた生徒は、1年後の日中の眠気が強いことと関連していました [5]
睡眠相後退障害(寝つく時刻と起きる時刻が極端に遅れる状態)の患者170人では、睡眠の規則性は寝る時刻の早さと睡眠時間の長さに関連しましたが、日中の調子とは直接は関連しませんでした [6]。
規則性は、寝る時刻の早さと睡眠時間の長さに関連しました。
対象が病気のある人で、見た結果も眠気そのものではありません。大学生や中高生の結果とは分けて読んでください。
大学生61人を30日間調べた研究では、寝起きの時刻が不規則な学生ほど、夜にメラトニンが出始める時刻が遅いことと関連していました [10]。米国睡眠財団の専門家パネルは、63本の論文をもとに、寝る時刻と起きる時刻をそろえることが、健康・安全・仕事や勉強の出来に大切だと合意しています [11]。
研究の対象は、大学生と10〜18歳が中心です。2週間の睡眠指導の試験では、平日と休日の睡眠のずれが60分以上ある日本の大学生が対象でした [3]。睡眠時間が短い人は、時刻をそろえるのと同時に、睡眠時間を確保するほうが大切です。大学生の比較研究も、7.5時間以上の睡眠をとったうえでの比較です [1]。不眠が続く、日中の眠気が強くて困る、といった場合は、医師に相談してください。
結果の多くは、睡眠の予定表や光の使い方など、複数の方法をまとめた指導のものです。
毎朝同じ時刻に起きると、日中の眠気が減り、目がさえた状態が長く続く結果が出ています。
当てはまるのは大学生と10〜18歳の研究で、根拠の確かさは低めです。
休日の起きる時刻を平日に近づけることから始めましょう。朝の光との関係は、朝日を浴びると夜よく眠れる? で読めます。
15〜17歳の高校生の研究では、平日より3時間遅く起きる週末で体内時計が平均45分遅れました。1時間遅れまでにして昼寝で補った週末でも41分遅れています [[20795887]]。何時間までなら遅れないかは、この研究からは言えません。
大学生の比較研究では、寝起きの時刻をそろえた組で、日中の眠気が減りました [[8843535]]。起きる時刻だけをそろえた効果を調べた研究は、今回見つかっていません。
うつや不安が強いことと、睡眠のずれが大きいことの関連は見られています。ただし観察研究で、研究の確実性は非常に低いと評価されています [[41550113]]。そろえると気分が変わる、とは言えません。
今回の研究は大学生と10〜18歳が中心で、社会人に絞った試験はありません。成人の研究41件の系統的レビューでは、寝起きの時刻がそろっていることが健康と良い関連を示しました [[33054339]]。
大学生で、寝起きの時刻もそろえた組は、睡眠時間だけを守った組より日中の眠気が減った。
夜型の10〜18歳で、治療を受けた組は平日と休日の起きる時刻の差が小さくなり、日中の眠気も少なくなった。
日本の大学生54人で、2週間の睡眠指導を受けた組は、ずれが27.7分小さくなった。
15〜17歳の高校生で、よくある週末の寝坊では体内時計が45分遅れ、昼寝で補った週末でも41分遅れた。
中学生427人で、睡眠のずれが続いた生徒は1年後の日中の眠気が強いことと関連した。
患者170人で、規則性は寝る時刻の早さと睡眠時間の長さに関連したが、日中の調子とは直接は関連しなかった。
健康な14人で、起きる時刻を3時間遅らせた2週間のあと、メラトニンが出始める時刻が2.4時間遅れた。
夜ふかしの高校生86人で、予定表と光のめがねを使った組は体内時計が45分早まった。
14件・164,529人のメタ解析で、睡眠のずれが大きいほどうつと不安が強いことと関連した。
大学生61人で、寝起きが不規則な学生は、メラトニンが出始める時刻が遅いことと関連した。
63本の論文をもとに、寝る時刻と起きる時刻をそろえることは健康・安全・仕事や勉強の出来に大切だと合意した。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。