EMS美顔器で顔のたるみは改善する?

EMS美顔器で顔のたるみは改善する?
読了目安 3〜5分最終更新日 2026.11.06
答え効く

改善します。頬の筋肉が厚くなり、フェイスラインやあご下のもたつきが改善します。

根拠

健康な女性を、顔用EMSを12週間使う群と何もしない群に分けた比較試験では、頬の筋肉の厚みが平均18.6%増えました [1]。顔の片側だけに8週間使った24人の試験でも、フェイスラインの角度とあご下のボリュームが改善しました [2]。根拠の確かさは低めです。研究の数が少なく、小規模なものが中心のためです。

この答えの範囲

顔用EMSの話です。家庭用のEMS美顔器を偽の機器と比べた試験はありません。クリニックの高出力の施術は出力が違うため、分けて考えてください。

じゃあ、どうする?

使うなら、研究と同じ条件に近い、週5日・1日20分・12週間が目安です [1]。見た目の変化を写真などで記録しながら続けましょう。電気を使う医療機器を体に入れている人や持病のある人は、先に医師に確認してください。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。7 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量9.620研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 74.6 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・その他のヒトの研究 1 本・観察研究 1 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

EMS美顔器とは

EMS美顔器は、顔の皮膚に電気を流し、表情筋を動かす美容機器です。たるみやフェイスラインの引き締めをうたうものが多く、手で当てるタイプと装着するタイプがあります。クリニックで使う高出力の機器は、家庭用とは出力が違います。ここでは、この2つを分けて説明します。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、アイルランドのゴールウェイクリニックなどの研究チームが2012年に発表した比較試験です [1]。参加者をくじ引きで2つの群に分け、結果を比べる方法です。平均43.7歳の健康な女性を、顔用EMSを使う群と何もしない群に分けました。

研究の種類顔用EMSの比較試験(くじ引きで分けた試験)
対象平均43.7歳の健康な女性(108人)
比べたもの顔用EMSを12週間(1日20分・週5日)使う群と、何もしない群
結果頬の筋肉(大頬骨筋)の厚みが、使う前より平均18.6%増えた
試験の結果使った群の頬の筋肉の厚みは平均18.6%増え、何もしない群では増えませんでした [1]。

筋肉の厚みは、群を伏せた評価者が超音波で測りました。

本人の評価でも、引き締まりやリフト感が改善したと答えた人が80%以上でした。何もしない群は5%未満です [1]。ただし、これは本人の感覚の評価です。

見た目のたるみはどうか

東京大学などの研究チームが2024年に発表した試験では、30〜59歳の女性24人が、顔の片側に高周波EMSと基本のスキンケアを8週間続け、反対側は基本のスキンケアだけにしました [2]。使った側で、フェイスラインの角度・あご下と頬のボリュームが改善しました。くじ引きによる割り付けではありません。

メーカーの研究所の研究者による2025年の報告もあります。装着型のEMS美顔器を31人が使い、14日で上まぶたの高さと目じりの角度が上がりました [3]。使わない群との比較がなく、メーカーの研究所の研究者による報告のため、参考程度に読んでください。

ほかの研究では、クリニックの高出力機器の結果も

クリニックの施術では、40〜65歳の15人が高出力の顔の電気刺激とラジオ波を同時にあてる施術を週1回・4回受け、6か月後も眉が1.31 mm上がった状態でした [4]。別の37人の試験では、頬の筋肉の厚みが2.06 mmから2.80 mmに増えました [5]。どちらも比べる群がありません。家庭用の美顔器とは出力が違うので、同じ結果が出るとは言えません。

家庭用の機器を調べた試験30〜70歳の50人(家庭用のラジオ波美顔器。EMSではなく電流のパルスが主)

偽の機器と比べて、眉と髪の生え際の距離が縮みました [6]。

よく言われていることは本当?

  • 表情筋を鍛えて頬やフェイスラインを引き締める効きます。 頬の筋肉は厚くなりましたが、見た目の引き上がりを測った研究は小規模です [1] [2]。
  • 二重あご・小顔になる効きます。 顔の片側比較で、あご下のボリュームが改善しました。研究は1件だけです [2]。
  • ほうれい線やしわが目立たなくなる効きます。 片側比較で、しわとほうれい線の深さが改善しました [2]。
  • 肌のハリ・弾力が出る弾力の改善と関連しています。 14日使った前後比較と片側比較の結果です [3] [2]。
  • むくみが取れる研究が足りません。 顔のむくみを測ったEMSの研究は見つかりませんでした。

02注意点

研究の多くは8〜12週間の使用で、参加者は数十人です。顔の片側比較は、くじ引きで割り付けていません。家庭用のEMS美顔器を偽の機器と比べた試験はなく、「効きます」は顔用EMSを使った試験の結果に基づきます。複数のエネルギーを同時に出す美顔器の研究では、EMSだけの効果は分かりません [7]。持病がある人、体に電気を使う医療機器を入れている人は、使う前に医師に確認してください。

機器の出力と使う期間を、研究の条件と照らして考える

研究の条件は、顔用EMSをおよそ8〜12週間使うことです。

03まとめ

顔用EMSは、頬の筋肉を厚くし、フェイスラインのもたつきを改善する結果が出ています。
根拠の確かさは低めで、クリニックの高出力機器の結果は家庭用に当てはめられません。
使うなら、週5日・12週間を目安に、変化を写真などで記録しながら続けましょう。

04よくある質問

Qどのくらいで効果が出ますか?

筋肉の厚みの試験では、12週間の使用で何もしない群との差が出ました。差は6週時点でも見られました [[23174048]]。見た目の変化が何週間で出るかは、研究から言えません。

Qやりすぎると逆効果ですか?

使いすぎを調べた研究は見つかりませんでした。研究で使われた条件は、1日20分・週5日・12週間です [[23174048]]。

Qクリニックの施術と家庭用は同じですか?

同じではありません。クリニックの研究は高出力の機器で、ラジオ波と同時にあてる施術です [[39800907]]。家庭用の結果は、そのまま当てはまりません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(7本)

[1]顔用の筋肉電気刺激機器で表情筋を引き締める比較試験

発表年
2012年
研究機関
アイルランド・ゴールウェイクリニック
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
108人
結果の向き
良い方向

顔用EMSを12週間使った群は、頬の筋肉の厚みが平均18.6%増え、何もしない群は増えなかった。

[2]顔のしわとたるみへの電気刺激:アジア人での8週間の片側比較試験

発表年
2024年
研究機関
日本・東京大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
24人
結果の向き
良い方向

女性24人が顔の片側に高周波EMSを8週間使い、フェイスラインとあご下のボリュームが改善した。

[3]集束電場技術:加齢した筋肉を若返らせる新しい電気刺激技術

発表年
2025年
研究機関
中国・企業の研究部門
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
31人
結果の向き
良い方向

女性31人が装着型EMS美顔器を使い、14日で上まぶたの高さと目じりの角度が上がった。

[4]ラジオ波と高出力の顔の電気刺激の併用による、顔のたるみと肌質の改善

発表年
2025年
研究機関
タイ・マヒドン大学
掲載誌
Lasers in surgery and medicine
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
15人
結果の向き
良い方向

15人がクリニックで4回の施術を受け、6か月後も眉が1.31 mm上がった状態が続いた。

[5]ラジオ波と高出力の顔の電気刺激が、顔の筋肉と筋膜に与える影響

発表年
2025年
研究機関
Frank Kほかの研究チーム
掲載誌
Aesthetic surgery journal
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
37人
結果の向き
良い方向

37人がクリニックで4回の施術を受け、頬の筋肉の厚みが2.06 mmから2.80 mmに増えた。

[6]電気パルスを出す家庭用機器による眉の引き上げ効果の二重盲検試験

発表年
2016年
研究機関
イタリア・企業の研究部門
掲載誌
Journal of cosmetic and laser therapy : official publication of the European Society for Laser Dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
50人
結果の向き
良い方向

50人の試験で、家庭用機器を使った側の眉と髪の生え際の距離が1.338 cm縮んだ。

[7]家庭用の複合エネルギー美顔器による肌の若返りの有効性と安全性

発表年
2024年
研究機関
韓国・延世大学
掲載誌
Lasers in medical science
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
36人
結果の向き
良い方向

女性36人が家庭用の複合型美顔器を8週間使い、目元のしわの体積などが改善した。

ほかに参考にした論文(3本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。