[1]中高年の筋トレ中のクレアチンが除脂肪量と筋力に与える影響のメタ解析
- 発表年
- 2017年
- 研究機関
- カナダ・サスカチュワン大学
- 掲載誌
- Open access journal of sports medicine
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 721人
- 結果の向き
- 良い方向
中高年・高齢者721人(研究22件)で、除脂肪量がプラセボより平均1.37kg多く増えた。

筋トレと飲むと、中高年の除脂肪量は平均1.37kg多く増え、閉経後の女性でも増えます。骨密度は変わりません。
筋トレと組み合わせた研究の話です。除脂肪量は、脂肪以外の体重で、筋肉の量の目安です。
筋トレを週2〜3日続けるなら、足す価値があります。閉経後の女性では、1日5g以上を筋トレと組み合わせた研究で効果がはっきりしました [3]。飲むだけの場合は、結果が分かれています。骨密度を守る目的では、複数の解析で変わりませんでした。腎臓などの持病や服薬中の人は、先に医師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 20.7 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 92 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 92 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 5 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
クレアチンは、肉や魚に含まれ、体の中でもつくられる成分です。筋肉でエネルギーを素早く使えるようにする働きがあり、筋トレの力や筋肉量を高めるとされています。粉末やカプセルのサプリがあり、運動をする人を中心に使われてきました。注意点は、腎臓に持病がある人や薬を飲んでいる人は、先に医師や薬剤師に確認することです。
答えの中心は、カナダのサスカチュワン大学などの研究チームが2017年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の比較試験の結果を合わせて数字にする方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 平均57〜70歳の男女721人(研究22件) |
| 比べたもの | 筋トレ + クレアチン と 筋トレ + プラセボ(偽薬) |
| 結果 | 除脂肪量が、クレアチンの群で平均1.37kg多く増えた |
週2〜3日の筋トレを7〜52週間続けた研究の結果です [1]。
2025年の高齢者の解析でも、除脂肪量は多く増えました [2]。高齢者の筋トレに足す栄養サプリを種類別に調べた解析では、除脂肪量をはっきり増やしたのはクレアチンだけでした(研究4件、平均2.61kg)[5]。ただし、除脂肪量は筋肉そのものの量ではなく、脂肪以外の体重です。筋肉が1.37kg増えたという意味ではありません。
若い女性と閉経後の女性で、結果が分かれます。
閉経後の女性の0.37kgは、男女を合わせた中高年の1.37kgより小さい数字です。解析の対象も期間も違うため単純には比べられませんが、増える量は大きくありません。
全体では筋肉量の指標に差はなく、上半身の筋力だけが伸びました。24週以上続けた研究では下半身の筋力も伸びていました [8]。
解析によって結果が違うのは、対象の年齢・量・期間が違うためと考えられます。閉経後の女性の解析は、期間が12〜104週間(約3か月〜約2年)と幅があります。
記憶力や気分への効果は、この記事では扱いません。
研究で使われた量と期間は、さまざまです。例として、45〜65歳の64人(女性40人)の試験では、1日5gを2回、12週間飲みました [11]。閉経後の女性の解析では、副作用はプラセボと同程度で軽く、腎臓の検査値も変わりませんでした [3]。ただし、高齢者や持病のある人での長期の安全性は、この記事の研究では十分に確かめられていません。持病がある人や服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。髪への影響が気になる人は、クレアチンで髪が薄くなるって本当?で確かめられます。
除脂肪量が増えた研究の多くは筋トレとの組み合わせで、飲むだけの結果は試験によって分かれます。
筋トレと飲むと、中高年の除脂肪量は増え、閉経後の女性でも増えます。
女性全体や飲むだけの場合は効果がはっきりせず、骨密度は複数の解析で変わりませんでした。
試すなら、週2〜3日の筋トレとセットにしましょう。閉経後の女性の解析では、1日5g以上で効果がはっきりしていました。
閉経後の女性では、筋トレと一緒に1日5g以上を飲むと除脂肪量が増えました。若い女性は研究が少なく、女性全体では、はっきりした差は確認されていません。
閉経後の女性の解析では、1日5g以上を筋トレと組み合わせたときに効果がはっきりし、1日3g以下で筋トレなしの試験では差が見られませんでした [[42141930]]。一方、平均68.2歳の103人の試験では、1日3gに筋トレを組み合わせて16週間続けると、筋力と体の動きが上乗せで良くなりました [[41941966]]。ちょうどよい量は、研究では確かめられていません。
予防になるという結果は出ていません。複数のメタ解析で、骨密度は変わりませんでした [[42141930]] [[29740583]]。
年齢を問わない成人の解析では、男性のほうが増え方がはっきりしていました [[35986981]]。高齢者の系統的レビューでは、効果は男性より高齢の女性でそろっていたとまとめられています [[30762623]]。
中高年・高齢者721人(研究22件)で、除脂肪量がプラセボより平均1.37kg多く増えた。
高齢者482人(RCT8件)で、除脂肪量がプラセボより多く増えた。
閉経後の女性338人で除脂肪量が平均0.37kg多く増えた。骨密度は変わらなかった。
男性は除脂肪量が平均1.46kg増え、女性は平均0.29kgで有意な差ではなかった。
高齢者の筋トレにサプリを足した解析で、種類別ではクレアチンだけが除脂肪量をはっきり増やした(研究4件、平均2.61kg)。
男性は筋力が伸びたが、女性でははっきりした伸びは出なかった。女性の研究は2件だけ。
運動をしている女性の研究27件の系統的レビューで、筋力・パワーが良くなったのは11件中3件だけで、多くの研究で差がなかった。
高齢の女性211人(RCT10件)で、筋肉量に差はなく、上半身の筋力は伸びた。
年齢別の解析で、若い人は筋力が伸びたが、高齢者ではっきりした差は出なかった。
骨密度の低い閉経後の女性が筋トレなしで1日3gを2年間飲んでも、除脂肪量は上乗せで増えなかった。
45〜65歳の64人で、クレアチンを飲むと除脂肪量がプラセボより増えた。
高齢者1093人(研究20件)で、全身の骨密度ははっきり変わらなかった。
50歳を超える人と閉経後の女性193人(RCT5件)で、骨密度は筋トレだけと差がなかった。
12か月の筋トレの試験で、大腿骨頸部の骨密度の減り方がプラセボより小さかった。
骨密度はプラセボと差がなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。